- はじめに
- T部 本書の構成と補充学習・発展学習の教材解説
- 1 授業中に退屈している生徒への対応
- 2 発展的な学習と補充的な学習
- 3 発展的な学習,補充的な学習の指導と評価
- 4 発展学習よりも深化学習を!
- U部 地理の補充学習・発展学習教材集
- 1章 世界と日本の地域構成
- 世界の地域構成
- 1 補充学習/地球の姿をとらえよう
- 発展学習/地球の姿をとらえよう
- 2 補充学習/「時差」を考えて国際電話にチャレンジ!
- 発展学習/「時差」を考えて国際電話にチャレンジ!
- 3 補充学習/地球上の位置を表すには?
- 発展学習/地球上の位置を表すには?
- 4 補充学習/□と△で世界地図にチャレンジ
- 発展学習/□と△で世界地図にチャレンジ
- 5 補充学習/国名を楽しく覚える
- 発展学習/国名を楽しく覚える
- 6 補充学習/「世界一周すごろく」を作って勝負!
- 発展学習/日本と同じ太平洋の島国
- 7 補充学習/「世界一小さな大陸」VS「世界一大きな島」−地図帳で調べて勝負!
- 発展学習/「北極海」VS「南極大陸」−地図帳で調べて勝負!
- 日本の地域構成
- 1 補充学習/日本の位置
- 発展学習/日本の位置
- 2 補充学習/私たちの北方頷土
- 発展学習/私たちの北方領土
- 3 補充学習/日本って大きい国?それとも小さい国?
- 発展学習/ヨーロッパは小さい国の集まり
- 4 補充学習/日本って南北に細長いの?
- 発展学習/日本って南北に細長いの?
- 5 補充学習/日本の略地図の描き方を学ぼう
- 発展学習/日本の略地図の描き方を学ぼう
- 6 補充学習/都道府県名・県庁所在地名
- 発展学習/あなたはこんな地名を知っていますか?
- 7 補充学習/さあ,日本をいろいろに分けてみよう
- 発展学習/さあ,日本をいろいろに分けてみよう
- 2章 地域の規模に応じた調査
- 身近な地域
- 1 補充学習/現地で見て聞いてみよう
- 発展学習/現地で見て聞いてみよう
- 2 補充学習/地形図を活用して調べてみよう
- 発展学習/地形図を活用して調べてみよう
- 3 補充学習/地図で表してみよう
- 発展学習/地図で表してみよう
- 4 補充学習/このような調べ方があるよ
- 発展学習/このような調べ方があるよ
- 5 補充学習/自分が住んでいる市町村を代表する産業の変化を調べよう
- 発展学習/分布図を作って,新しい身近な地域の特色を見い出してみよう
- 都道府県
- 1 補充学習/自分が住んでいる都道府県を調べてみよう(T)
- 発展学習/自分が住んでいる都道府県を調べてみよう(T)
- 2 補充学習/自分が住んでいる都道府県を調べてみよう(U)
- 発展学習/自分が住んでいる都道府県を調べてみよう(U)
- 3 補充学習/替え歌「これが私の都道府県」
- 発展学習/カルタ「これが私の都道府県」
- 4 補充学習/「くだもの日本一」の都道府県は,どこか
- 発展学習/「くだもの日本一」の都道府県は,どこか
- 5 補充学習/「貿易港(空港)」の主題図で考えよう
- 発展学習/「貿易港(空港)」の主題図で考えよう
- 世界の国々
- 1 補充学習/世界の国々を分ける視点と方法を確認しよう
- 発展学習/世界の国々をテーマにそって地域に分ける視点と方法を確認しよう
- 2 補充学習/国を調べる視点と方法を確認しよう
- 発展学習/「東南アジア」の特色を調べてみよう
- 3 補充学習/アメリカ合衆国の特色を作業をしながらまとめてみよう
- 発展学習/アメリカ合衆国でスポ−ツが盛んなのはなぜだろう
- 3章 世界と比べて見た日本様々な面からとらえた日本
- 自然環境から見た日本の地域的特色
- 1 補充学習/世界と日本の地形を比較してみよう
- 発展学習/世界と日本の地形を比較してみよう
- 2 補充学習/世界の気候帯を大きくとらえよう
- 発展学習/世界の気候帯を大きくとらえよう
- 3 補充学習/日本の気候区を大きくとらえよう
- 発展学習/日本の気候区を大きくとらえよう
- 4 補充学習/自然災害と自然保護
- 発展学習/自然災害と自然保護
- 人口から見た日本の地域的特色
- 1 補充学習/世界の人口,日本の人口
- 発展学習/世界の人口,日本の人口
- 2 補充学習/人口の動向
- 発展学習/人口の動向
- 資源や産業から見た日本の地域的特色
- 1 補充学習/日本の工業地帯
- 発展学習/工業の特徴と立地条件
- 2 補充学習/資源エネルギーから見た日本
- 発展学習/エネルギー問題
- 生活・文化から見た日本の地域的特色
- 1 補充学習/グルメ日本(世界のおいしいものをいただいています)
- 発展学習/グラフから日本の食生活の変化を調べよう
- 2 補充学習/日本の伝統と習慣(和洋共存の生活)
- 発展学習/地域の独自な生活・文化(沖縄を例にして)
- 地域間の結び付きから見た日本の地域的特色
- 1 補充学習/成田発どこ行き?
- 発展学習/世界との結びつき(旅行者数から考える)
- 2 補充学習/日本が小さくなった?
- 発展学習/新幹線の駅をつくろう!
- 様々な特色を関連付けて見た日本
- 1 補充学習/日本PR作戦(日本のココがいいトコロ!)
- 発展学習/日本PR作戦(日本のPRポスターをつくろう!)
- 2 補充学習/日本の国内の特色をまとめよう
- 発展学習/人口や産業に関係がありそうな地域間の結びつきの特色をあらわそう
- 補充学習・発展学習の主な解答
はじめに
平成10年版学習指導要領の実施段階の頃になると,国際的な学力テストの結果と相まって,学力低下の議論が盛んとなり,いわゆるゆとり教育が矢面に立たされることとなった。そうした中で,受験の過熱化や詰め込み教育,そして学力不振や不登校などへの対策などから,学習内容の精選,厳選を!といったこれまでの教育思潮が大きく変化することとなった。そして,いわゆるエリート教育に視点が移され,学力の高い児童生徒の学習を積極的に支援する方向と学習内容の拡充を図る方向が教育思潮となっていった。このことは,一方で,生涯学習社会の到来を基底にしての新しい学力観や生きる力をキーワードにした教育改革の流れが見直され,受験主導の古い学力観に回帰する動きが高まったことを意味している。
しかし,冷静に考えると,これまでの公教育をめぐる議論においては,教育の機会均等の下に学習機会の平等性が強調され,学力の低い子どもへの配慮,対応が中心となり,学力の高い子どもへの配慮,対応がやや不足していたことは否めない。個に応じた指導の充実という観点からみれば,学力の高い子どもに対する配慮,対応も必要不可欠だったのである。
こうした中で,文部科学省は,学習指導要領は最低基準を示したものとの見解を示し,平成16年5月に,学習指導要領の一部を改訂した。中学校社会科においては「第3指導計画の作成と内容の取扱い」の3として,「第2の内容の取扱いのうち内容の範囲や程度等を示す事項は,すべての生徒に対して指導するものとする内容の範囲や程度等を示したものであり,学校においては特に必要がある場合は,この事項にかかわらず指導することができること」を新たに示した。
これによって,学習指導要領の内容の範囲や程度等を超えた学習を行うことが公に認められることとなった。そして,平成18年度から使用される中学校教科書には,発展的な学習が他のページとは区別されるかたちで,掲載されることとなった。そこで,その対応が要請されることとなり,社会科においても発展的な学習への対応が今日的課題となってきたのである。ただし,これは個に応じた指導の充実の一環であり,そのためそれと背中合わせの関係で学習指導要領の内容を身に付けるのに苦労している生徒に対しては補充的な学習を行う必要がある。
そこで,本書では,発展的な学習(発展学習+深化学習)と補充的な学習(補充学習+補習)をセットにして編集している。なお,発展学習,発展的な学習,補充学習,補充的な学習などの用語の使い方についてはT部2を参照されたい。本書では,慣用にも配慮し,便宜的にそれらの用語を発展学習,補充学習で統一し,使用している。
多忙な中で厄介な課題に取り組んでいただいた執筆者に感謝申し上げます。また,本書の刊行にご尽力いただいた明治図書の安藤征宏氏に深甚の謝意を申し上げます。
2005年7月 編者 /澁澤 文隆
-
- 明治図書