- まえがき
- T なぜ,博学連携か
- ◆はじめに──「博学連携」とは何か
- 1 わたくしと「博学連携」との出会い
- 2 「博学連携」に期待したい学習効果
- (1) 子どもの学びの場を広げる
- (2) 生涯学習能力・態度の基礎を養う
- 3 「博学連携」のための具体的な手だて
- (1) どこから手をつけるか
- (2) 今後予想される課題
- U 今,博物館がおもしろい!
- ―博物館発学校行きのメッセージ―
- 1 学校と博物館の協奏曲
- (1) 休み時間の移動
- (2) やってみたい体験
- (3) 触って見る
- (4) 貸し出した鎧
- (5) 人と人のネットワーク
- 2 「もの」・「ば」・「ひと」の宝庫
- (1) はっけん・たいけん・はくぶつかん
- (2) これぞホンモノだ!
- (3) 展示室からのアピール
- (4) 博物館人の挑戦が始まった
- (5) 「まちづくり」への思い
- 3 地域への扉を開く博物館活動
- (1) 博物館の展示から地域の特色を発見しよう
- (2) 博物館から地域の素晴らしい人々を紹介してもらおう
- 4 博物館で体験型教師にグレードアップ
- (1) 博物館は果たして身近?
- (2) 教師にとっても学びの場
- (3) 新しい子どもの姿,発見!
- (4) 博物館で体験型教師にグレードアップ
- 5 未来人への応援歌
- (1) 博物館っ子
- (2) 学校と博物館の橋渡し
- (3) 博物館が生きがい
- (4) 未来人への応援歌
- V 「博学連携」で授業が変わる,子どもが変わる
- ―博物館とともに教育を変える,子どもを育てる―
- 1 博物館の展示室は,もう1つの教室
- (1) 博物館の展示室を活用した授業
- (2) 歴史学習の導入で博物館を活用した実践
- (3) 出前授業と博物館展示室を活用した授業の実践
- 2 博物館資料は授業づくりのパートナー
- (1) 博物館資料を活用した授業
- (2) 社会科の体験学習を踏まえた総合的な学習の実践
- (3) 単元のまとめとして位置付けた江戸時代の体験学習の実践
- 3 博物館の楽しさを学校によぼう
- (1) 教員と学芸員による「連携授業」と学校巡回展示の活用
- (2) 教員と学芸員が子どもと歩いた連携授業の実践
- (3) 博物館の資料を中心に取り組んだ連携授業の実践
- (4) 巡回展示を取り入れた連携授業の実践
- 4 学ぼう! 博物館の体験的な活動
- (1) 博物館で行われている教育普及事業を取り入れた授業
- (2) 土曜・日曜日実施の教育普及事業を取り入れた実践
- (3) 年間を通した教育普及事業を取り入れた実践
- 5 いつでも,どこでも博物館
- (1) 情報通信ネットワークを活用した授業
- (2) テレビ会議システムを活用した実践
- ◆博物館Q&A
- Q1 博物館を授業で活用したい。どうしたらいいのですか。
- Q2 博物館にどんな資料があるのか知りたいのですが,どうすればいいですか。
- Q3 博物館をホームページで調べたいのですが,どのようにしたらよいですか。
- Q4 博物館で行われる教育普及事業とは,どのようなものなのですか。
- Q5 学芸員(博物館職員)とティーム・ティーチングを組み,授業をしたい。どのようにしたらよいのですか。
- Q6 博物館との連携を取り入れた年間指導計画を作成したい。アドバイスをお願いします。
- Q7 博物館から資料を借りたいのですが,手順を教えてください。
- Q8 博物館から借りた資料は,どのように取り扱えばよいのですか。
- Q9 自分の余暇に博物館を見学するとき,どのような点に(教材研究としての) ポイントをおいて見学したらよいですか。
- Q10 余裕教室を活用して郷土資料室を作りたいと考えているのですが,アドバイスをお願いします。
- W 参考資料
- 1 こんな博物館があればいいな──授業で使えるホームページ──
- 2 学習指導要領と博物館
- (1) 小学校学習指導要領及び解説
- (2) 中学校学習指導要領及び解説
まえがき
「博学連携」(はくがくれんけい)──一般にはあまり馴染みのない言葉である。十分な市民権が得られていない,いわゆる業界用語の一つである。このことが言われはじめた背景には,社会教育審議会社会教育施設分科会が平成2年6月にとりまとめた「博物館の整備・運営の在り方について」がある。そのなかに,博物館と学校教育との関係の緊密化を強調した,次のような記述がある。
「子供の時から学習活動の中に博物館の利用が位置付けられ,生涯にわたって楽しい学習の場として博物館に親しむ素地を培っておくことが大切である。そのためには,今後,学校側においても博物館と連携し,学校教育の中で博物館を利用する機会を増やし,見学や体験学習等を通して学習指導の効果を高めるとともに,博物館についての十分な理解を深めるよう努めることが重要である。」
すなわち,生涯学習を充実させるために,博物館を地域の「もう一つの学校」として効果的に利用できるようにするため,学校教育における博物館利用のあり方が提言されたのである。ここでは,子どもたちが何よりも博物館に楽しくかかわり,親しみをもつようにすることが強調されている。
このことを学校としてどう受けとめ,博物館をどう主体的に活用していくか。このことは,これからの各学校に提起されている新しい課題である。本書『博物館と結ぶ新しい社会科授業づくり』は,こうした課題に応えるためにまとめられたものである。
本書の発行に当たっては,明治図書出版の樋口雅子編集長から,貴重なアドバイスを得た。この場を借りて,お礼を申しあげたい。
2000年10月 編著者 /北 俊夫
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- 明治図書