- まえがき
- 序章 彦島
- 1 菊屋横丁
- 誕生/ 毛利氏/ 萩/ 剣術
- 2 吉田松陰
- 白旗/ 下田/ 野山獄
- 3 松下村塾
- 久坂玄瑞/ 出会い/ 飛耳長目/ 華夷弁別/ 離れ牛
- 4 安政の大獄
- 開国と攘夷/ 巣立ち/ 暗殺計画/ 死生観/ 慟哭
- 5 上海
- 雅子/ 旅/ 出航/ 屈辱の町/ 割拠
- 6 奇兵隊
- 断髪/ ペンブローク号/ 反撃/ 藩命/ 脱藩7 功山寺/ 講和/ 魔王/ 決起/ 逆転/ 四境戦争/ 終焉
- 高杉晋作開連年表
- 保護者のみなさんへ
- 参考文献
まえがき
「動けば雷電の如く、発すれば風雨の如し」
幕末、激動の時代を、この墓碑銘(墓にきざまれた言葉)のとおり全力で駆け抜けた一人の若者がいた。二百七十年続いた徳川幕府を倒した最大の功労者。だが、彼は幕府崩壊の知らせを聞く前に、病に倒れ、二十七年と八か月の生涯を終えた。流星のように激しく燃えて、燃え尽きた、この男の名は、
-----高杉晋作。
主君への忠誠心を忘れなかった晋作は、長州藩を滅亡の淵から救った。ヨーロッパ人に支配された清国の屈辱を目の当たりにした彼は、日本を植民地化の危機から守った。
高杉晋作の生き方は、今の日本人が失いかけた、誇りと気概の意味を思い出させてくれる。日本人が日本人であるかぎり、晋作の名を忘れることはできない。
/藤岡 信勝
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- 明治図書