- まえがき
- 1章 クイズ学習へのいざない
- 1 クイズで「ことば」への感度アップ
- (1) 「フェーン」は何語か?
- (2) 「ことば」への感度アップ
- 2 下水道100%の地域にくみ取りトイレがあるか?
- (1) くみ取りトイレはどこでもあるか?
- (2) くみ取りトイレはある
- (3) 水を一番汚すのは?
- (4) 油は水を汚す
- 3 中華人民共和国は砂漠が多いか少ないか?
- (1) 砂漠はどこに多い?
- (2) 中国は砂漠国か?
- (3) 砂漠化の原因は?
- 2章 気候とくらし
- Q1 「桜前線」って何でしょう?─桜の開花時期が前線のように北上すること
- Q2 雪の降った量は「ものさし」で測るか?─積雪は「雪尺」で測る
- Q3 積雪1mはどのくらいの雨量になるか?─積雪1mは50mmの雨量
- Q4 霧ともやはどうちがうのか?─こいものが「霧」でうすいものが「もや」
- Q5 台風はどうして夏にくるのか?─台風の発生地域が北にかたよるため
- Q6 砺波平野の防風林はどちら向き?─防風林はフェーン現象の熱風を防ぐため
- Q7 「流氷」がきてよいことがあるのか?─流氷が漁業資源を守る
- Q8 鳥取砂丘はどうしてできたか?─鳥取砂丘は公害の産物である
- Q9 北海道に湿原が多いのはどうしてか?─降水量が多く水はけが悪いから
- Q10 水が足りないのに「水郷」というところがあるか?─クリークに水をためておく
- Q11 晴天が続いても川に水が流れるわけ?─森林が水をつくっているから
- Q12 「雪国」といわれている地域は何%くらい?─日本の国土の半分は「雪国」
- Q13 雪の重さはどのくらい?─雪おろしをしなければ家がこわれる
- Q14 雪国で一番困るのはどんなこと?─雪国で一番困るのは停電
- Q15 どうして雪おろしをするのか?─「1m2に1mの雪」で300kg
- Q16 世界一雪の多い国はどこか?─世界一の豪雪地域は日本の日本海側
- Q17 20cmの雪がとけると何mmの降水量になるか?─晴天が続くと洪水がおこる不思議
- Q18 地球があたたかくなるとなぜ困るの?─気温が上がると地球の陸地が狭くなる
- Q19 天気予報のときに使うことばにきまりはあるのか?─天気予報のことばはきっちり決まっている
- Q20 「気象庁」は何省に属しているか?─気象庁は「国土交通省」に属している
- Q21 東京で一番降水量が多いのは何月か?─東京で一番降水量が多いのは9月
- Q22 雨粒の大きさはどのくらいか?─雨粒はふつう2〜4mmくらい
- Q23 昔の天気予報はどうやって知らせたか?─昔の天気予報は交番にはり出された
- Q24 「注意報」と「警報」はどうちがう?─注意報より警報の方が重大
- Q25 「高気圧」・「低気圧」は何できめているか?─高気圧・低気圧は相対的関係できまる
- Q26 冬の「寒波」はどこからくるのか?─寒波はシベリアからやってくる
- Q27 南極と北極,どちらが寒い?─北極より南極の方が寒い
- Q28 太陽に近い山頂の方が寒いのはなぜ?─高地になるほど断熱冷却が進む
- 3章 地域と産物
- Q1 日本で一番多く生産されているくだものは何か?─日本で一番多く生産されているくだものは「みかん」
- Q2 みかんづくりのさかんな所はどこか?─みかん箱から産地を知る
- Q3 みかんを山の斜面につくるのはなぜか?─斜面は日あたりがよくあたたかい
- Q4 温室(ハウス)みかん日本一はどこか?─ハウスみかん日本一は佐賀県
- Q5 パイナップルは酸性土壌がお好き?─パイナップルは高温と酸性土壌で
- Q6 いちごの生産量の多いのはどこか?─北の栃木県が1位とは意外?
- Q7 ハウスいちごの花粉はだれがつける?─みつばちで花粉つけ
- Q8 いちごが富士登山するって本当?─富士山で冬を感じる
- Q9 温室メロン日本一はどこか?─温室メロン日本一は静岡
- Q10 「くだもの王国」とはどこのことか?─くだもの王国は山形県東根市
- Q11 ぶどう棚の高さはみんな同じか?─ぶどう棚の高さはみんな少しずつちがう
- Q12 りんごを生産していない県があるか?─りんごを生産していないのは沖縄県だけ
- Q13 次の地図はどんなくだものの産地か?─気候によってとれるくだものがちがう
- Q14 グロテスクな写真は何か?─グロテスクな姿はイチジクの木である
- Q15 フキの生産日本一はどこだ?─フキの生産日本一は愛知県
- Q16 キャベツの生産日本一はどこだ?─キャベツ生産日本一は愛知県
- Q17 高原で野菜づくりがさかんなわけは?─夏の霧と低温が高原野菜をつくる
- Q18 日本三大ビニルハウス地域はどこか?─三大ビニルハウス地域は西日本
- Q19 シクラメンの生産日本一はどこか?─シクラメンの生産日本一は愛知県
- Q20 真冬に咲く桜があるって本当?─真冬に咲く啓翁桜という種類がある
- Q21 「わっぱめし」とはどんな駅弁?─木を曲げた丸い入れものという意味
- Q22 「駅弁」は駅で売るものか?─駅弁売上げbPはデパートである
- Q23 人気(売上げ)bPの駅弁は?─売上げbP(人気)は「いかめし」
- Q24 みその生産日本一は?─信州みそ(米みそ)が日本一
- Q25 海苔(ノリ)の生産日本一は?─海苔(ノリ)の生産日本一は兵庫県
- Q26 「農地が遊んでいる」って本当か?─日本の農地は今遊ばされている
- 4章 政治とくらし
- Q1 大日本帝国憲法の「主権」はだれにあったか?─「主権」は天皇にあった
- Q2 第1回帝国議会議員最低得票当選者は何票か?─最低得票当選者は23票だった!
- Q3 第1回総選挙(1890年)は与党が勝ったか?─野党が大勝した
- Q4 第1回帝国議会議員の職業で一番多かったのは?─一番多かったのは「農業」
- Q5 明治23年の総理大臣の年俸は?─国会議員の12倍の年俸
- Q6 第1回総選挙で有権者の多かった県はどこ?─有権者が一番多かったのは「兵庫県」
- Q7 「第110国会」とはどういう意味か?─国会の番号は通し番号である
- Q8 国会を傍聴するとき筆記用具を持ち込めるか?─筆記用具もテープレコーダーもダメ
- Q9 国会でペンネームや芸名が通用するか?─ペンネームや芸名は衆議院では通用する
- Q10 2001年参議院議員(選挙区)の最低得票当選者は何票か?─14万8,000票で当選,59万4,000票で落選
- Q11 県名と県庁所在地名が一致しない県があるのは?─藩名が県名にならなかった
- Q12 日米安全保障条約ってどんなものか?─アメリカが日本の安全を守るというもの
- Q13 「北方領土」って何のこと?─日本固有の領土を返せということ
- Q14 投票場に体の一部が入っただけで投票できるか?─体の一部でも投票場に入れば投票できる
- Q15 一番に投票に行ったら投票箱の中をみせる?─一番の人に投票箱の中をみせる
- 5章 社会の知識を深める
- Q1 山手線には信号機は何本ぐらいあるか?─山手線には信号機は1本もない
- Q2 ポストの色は昔から赤かったか?─ポストの色は黒から赤へ
- Q3 「ポスト POST」というよび名はいつから?─「POST」よあなたは強かった
- Q4 「切手」とはどんな意味か?─「切手」と「切符」は同じ意味
- Q5 外国郵便の収入はどこの国のもの?─外国郵便の収入は差出国のもの
- Q6 「郵便」は国の独占事業だったか?─政府が始めた郵便も独占事業ではなかった
- Q7 「飛脚」と「郵便」は同じか,ちがうか?─飛脚と郵便,5つのちがい
- Q8 郵便制度ができたころの外国郵便はどうしていたか?─郵便にも主権がなかった日本
- Q9 ごみ処理はただか?─1トンのごみ処理に6万円
- Q10 「ごみを買っている」のは本当か?─ごみを買わなくては生活できない!
- Q11 清掃工場では高温(900度)でごみを焼却するのはなぜ?─高温で焼却するとにおいがしないから
- Q12 「宿帳」の監督官庁はどこ?─「宿帳」の監督官庁は「保健所」
- Q13 日本一「島の多い県」はどこか?─多島日本一は長崎県
- Q14 日本一面積の広い県と狭い県は?─日本一狭い県は大阪府
- Q15 日本一低い山は何mか?─日本一低い山は4.5m
- Q16 池と湖はどこがちがうのか?─池と湖の区別は一応ある
- Q17 隣の県に多く接している県と少ない県は?─地図をみるたのしみ
- Q18 サバの背中はなぜ青い?─背中が青いのは保護色
- Q19 凹凸は漢字か記号か?─凹凸は象形文字である
- Q20 世界一長い運河はどこにあるか?─本州より長い中国の運河
- Q21 「インド」はどんな意味?─国名にも意味がある
- Q22 「地中海」は世界にいくつあるか?─海には3つの種類
- Q23 トイレットペーパーはどこの国も同じ?─トイレットペーパーは国によってみんなちがう
- Q24 北海道はどうして県に分かれていないのか?─北海道はなりたちがちがうから
- Q25 日本が一番多く輸入している魚は何か?─日本が一番多く輸入しているのは「まぐろ類」
- Q26 石油はどこから一番多く輸入しているか?─石油はアラブ首長国連邦から多く輸入
- Q27 東京都文京区はいつごろ水道ができたか?─本格的な水道ができたのは戦後のこと
- Q28 東京に「水道」と名のつくものが初めてできたのはいつ?─東京に水道ができたのは江戸初め
まえがき
平成13年度は,510学級の授業を参観させていただいた。
14年度は,これを上まわることは確実な状態で,毎週のように授業を参観させていただいたり,飛び込み授業を行ったりしている。
私が見せていただく授業は,いわゆる「研究授業」が圧倒的に多い。だから,参観後,指導講評なるものをしなければならない。これが待ちどおしい学校があるかと思うと,苦痛でたまらない学校がある。
そのちがいは,「授業のよしあし」である。
私の役目は,授業の腕が上がるようにサジェストすることである。先生方にやる気を出させ,授業を楽しむようになってもらうことである。
ところが,面白くない,内容のない,遊びのような授業を見ると,つい本音が出てしまう。そして,「どうしてこんなに面白くない授業をするのか」と考え込んでしまう。
面白くない授業の特徴は,
教材内容がないか,あってもものすごくうすい。
ということである。
これには,教科書にも原因がある。びっくりするほど内容のない教科書がある。これでは,学力低下は目に見えている。
こういう様子を見るにつけ,何とか面白くて,内容があり,しかも,基礎基本をふまえたものができないか,と考えた。その結果,『基礎基本を鍛える社会科クイズ面白事典 上・下』をまとめることにした。
以前に書いた『社会科授業に使える面白クイズ1,2,3集』を材料にしながらも,まったく新しい内容,「今こそこんな内容で子どもに力をつけたい」と思うものを書き加えた。「事典」というからには,それなりの幅と内容(深さ)がなくてはと,一生懸命新しいものを書き加えた。
本の構成も表現もまったく新しいものにした。
私の頭にずっとあったのは,子どもの学習意欲を高め,それに対応できる深みのある内容を提供したい,学力低下を何としても防ぎたいということであった。
そこで,「卑弥呼は普通名詞か固有名詞か?」「地中海は固有名詞か普通名詞か?」「正倉院やクレムリンはどうか?」といったことなど,常識をゆさぶる内容をクイズにして入れた。
紫式部は,小説は「源氏物語しか書かなかったのか?」とか,「主人公の光源氏は,身長が何cmくらいだったのか?」「光源氏のモデルがいたのか。いたとすれば何人くらいいたのか?」といった,「そんなことわかるの?」というものにも挑戦してみた。
江戸時代の人々は,いったいどこに「税」を納めたのか。
幕府か。藩か。幕府と藩に半分ずつか?──といった,私自身が今まで見のがしてきたことなども入れた。
大和朝廷というが,「大和昼廷,大和夕廷,大和晩廷もあったのか?」といった,大人の意表をつくような内容もクイズにしてみた。
「駅弁は駅で売るもの」という時代は終わった。今や駅弁の売上げNo.1は,デパートである。いったいどうしてこんなことになったのか──といったことも,クイズ化して理解しやすい形にして入れた。
金子みすゞじゃないけれど,「見えぬけれどもあるんだよ/見えぬものでもあるんだよ」ということに気づかせるのが社会科である。私に見えたものをまとめてみた。
楽しみながら社会科の基礎基本を鍛えることができれば,この上ない喜びである。どうぞ使っていただいて御批判御指導をいただければうれしい限りである。
本書は,明治図書編集部の樋口雅子編集長のお骨折りで,上下2巻にまとめることができた。記してお礼を申し上げたい。ありがとうございました。
2003年1月 /有田 和正
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- 明治図書