- まえがき
- 1章 体育授業が変わるロイロノート7つの活用ポイント
- 1 配付・回収 運動量の確保ができる
- 2 画面配信 共通理解につながる
- 3 簡単プレゼン 動きのコツをわかりやすく焦点化できる
- 4 動画 自分の動きを俯瞰できる
- 5 シンキングツール 思考力・判断力・表現力を育成できる
- 6 提出箱 めあて・振り返りを即時共有できる
- 7 使いこなすためのきまり ポイントを押さえてトラブルなく使える
- Column 配付・回収機能は,すべての教科で効率を高めます!
- 2章 配付・回収,画面配信,簡単プレゼン
- ―はじめの一歩―
- 1 資料配付・画面配信を活用した鉄棒遊び
- 1年/領域(器械・器具を使っての運動遊び)
- 2 体育館環境構成シートを生かした環境づくり
- 2年/領域(器械・器具を使っての運動遊び)
- 3 配付と回収が容易なタブレットを使ったカード活用
- 3年/領域(体つくり運動)
- 4 簡単プレゼンを生かした作戦づくり
- 4年/領域(ゲーム)
- 5 配付テキストを活用した目標設定
- 5年/領域(陸上運動)
- 6 画面配信とマーキングによる動きの共有
- 6年/領域(全般)
- 7 動画の配付によるポイントの言語化
- 特別支援学級/領域(器械運動)
- Column 資料提示のバリエーションが増える画面配信
- 3章 動画
- ―振り返りや次の指導に生きる―
- 1 成長を可視化する動画の活用
- 1年/領域(表現リズム遊び)
- 2 動画で自分に合ったボールの投げ方発見
- 2年/領域(ゲーム)
- 3 動画でフォームチェック
- 3年/領域(体つくり運動)
- 4 動画の活用と個別最適な学びの実現
- 4年/領域(器械運動)
- 5 動画共有で主体的に学び合うリズム縄跳び
- 5年/領域(体つくり運動)
- 6 めあてと自分の動画の比較
- 6年/領域(全般)
- 7 動画による現状把握と個別最適学習
- 特別支援学級/領域(器械運動)
- Column 簡単プレゼン→簡単フラッシュカードに!
- 4章 シンキングツール
- ―思考力・判断力・表現力につながる―
- 1 表現の幅を広げるのりものランド
- 1年/領域(表現リズム遊び)
- 2 登り棒に熱中するシンキングツールを活用した学習カード
- 2年/領域(器械・器具を使っての運動遊び)
- 3 チーム目標の共有に使うシンキングツール
- 3年/領域(ゲーム)
- 4 動きを組み合わせる学習カード
- 4年/領域(体つくり運動)
- 5 シンキングツールで課題と向き合う
- 5年/領域(ボール運動)
- 6 シンキングツールを活用したバスケットボールの授業
- 6年/領域(ゴール型)
- 7 ツール活用と目標づくりを生かした縄跳びの授業
- 特別支援学級/領域(体つくりの運動遊び・自立活動)
- Column 動画機能の活用法は無限大
- 5章 提出箱
- ―体育的行事が変わる―
- 1 全学年 新体力テスト 簡単確認・データ処理を生かす
- 2 全学年 集団表現 自分たちで表現を紡ぐ
- 3 持久走大会 自分の目標記録と向き合う
- 4 陸上大会 目的意識をもって練習に取り組む
- 5 体育委員会 紹介動画等で楽しく成長するイベントをつくる
- Column シンキングツールを使って考える技法を教えましょう!
- 6章 体育授業 with ロイロのきまり
- ―誰もが安心して授業ができる―
- 1 通信環境の確認
- 2 生徒間通信の管理
- 3 タブレットの置き場所の設定
- 4 動画を撮影するときの約束
- 5 体育× ICT 用語
- 6 学習指導要領×シンキングツール
- 7 ロイロノートのアップデート
- あとがき
- 執筆者紹介
まえがき
GIGA スクール構想元年。
700人規模の小学校で,研修主任であり6年の学年主任でした。
教室にタブレット保管庫が設置され,児童数分のiPad が納入されてきました。
当時の私は,パソコンを使った授業はしていましたが,iPad を使った授業は一度もしたことがありません。
「いったいこれから学校はどうなるんだろう」
正直,見通しが一切もてず,暗闇の中にいた気分でした。
しかし,当時の校長先生と相談し,GIGA スクール元年の研修主題を
ICT を活用した学習指導の工夫
〜タブレット端末を文房具として使いこなす児童の育成〜
としました。
私は,校内研修を「やってよかった」とみんなが思ってもらえるようにしたいと常々思っていました。
現場の先生方の関心事であり,不安のタネであったタブレット。
これに,真正面から取り組むことにしました。
「ICT はあくまで手段」
「子供の資質能力を伸ばすことの方が大事」
いろいろなご指摘がありましたが,何か新しいことに挑戦する際の“正しすぎる正論”は推進の足枷にしかなりません。だから敢えて振り切りました。
研修主題を提案する際,「とりあえずやってみましょう,やりながら考えていきましょう」という言葉を添えると,すんなり通りました。
ここから,学校全体で前向きに取り組むスタートが切れました。
研修主任であったことから,職員に次のように言いました。
「まずは6年生がタブレットを使ってみて,その様子を伝えます」
6年担任にさらなる負担が……と思われるかもしれません。
たまたま私が6年の学年主任であったことと,同学年の先生方がみんな了承(断れなかっただけかも)してくれたことが不幸中の幸いです。
「1年生へのタブレットの設定には,6年生が行きましょう」
「このアプリがよかったですよ。4年生でも使えると思いますよ」
とりあえず,使いながら情報共有をしていきました。
1学期,ありとあらゆるアプリを試し,授業の中でとりあえずタブレットを使っていきました。
そこで,ある結論に達しました。
ロイロノートはすごい。
教師も児童も日常的に使えて,今までの教育活動全般の効率がよくなっていくことを実感しました。
3学期,職員室を出る教師の手には,いつもタブレット。児童も朝の会でタブレット保管庫から取り出し,毎日授業で活用していきました。タブレットは,常に進化し続ける文房具と化していました。
どの教科でも手ごたえのある授業ができるようになりました。
中でも体育の授業での活用がおもしろいほど進んでいきました。
とりあえずやってみて,やりながら考えて,手ごたえを言語化したものが本書になります。実践者の経験知です。
1章は,初めてロイロノートを使う人にもわかりやすく解説しています。
2章から5章までは,山口県の教員による実践群です。
6章は,実践する上で気づいた様々なきまりをまとめています。
ぜひ,本書を手に取ってくださった皆様から,多くのご指導をいただきたく思っています。
/大貝 浩蔵
過去と現在の比較、具体的な実践事例、新しいきまり等、とても参考になりました。
何より、ロイロノートのよさがよく分かりました。