- まえがき
- 第T部 改訂の基本方針と新しい公民科の特色
- 第1章 公民科改訂の背景と基本方針
- §1 公民科改訂の背景
- §2 公民科の課題と改訂の基本方針
- 第2章 新しい公民科のねらいと内容の特色
- §1 新しい公民科のねらいと内容構成の工夫
- 1 新しい公民科のねらい
- 2 新しい公民科のねらいを実現する内容構成の工夫
- §2 新・従前の学習指導要領の対比と新しい公民科の特色
- 1 新・従前の学習指導要領の対比
- 2 新しい公民科の特色
- 第U部 公民科の改訂内容
- 第1章 公民科の目標と科目編成
- §1 公民科の目標
- 1 目標の改訂
- 2 小・中・高等学校の関連
- §2 公民科の科目編成
- 1 公民科の履修
- 2 各科目の特性
- 第2章 公民科の各科目の目標と内容
- §1 現代社会
- 1 基本的性格
- 2 目標と内容構成
- (1) 新しい「現代社会」の目標
- (2) 新しい「現代社会」の内容構成とそのねらい
- (3) 新しい「現代社会」の内容の特徴
- 3 改善のポイントとこれからの課題
- 4 内容の解説と展開
- ■(1) 現代に生きる私たちの課題
- ■(2) 現代の社会と人間としての在り方生き方
- ア 現代の社会生活と青年
- イ 現代の経済社会と経済活動の在り方
- ウ 現代の民主政治と民主社会の倫理
- エ 国際社会の動向と日本の果たすべき役割
- §2 倫 理
- 1 基本的性格
- 2 目標と内容構成
- 3 改善のポイントとこれからの課題
- 4 内容の解説と展開
- ■(1) 青年期の課題と人間としての在り方生き方
- ア 青年期の課題と自己形成
- イ 人間としての自覚
- ウ 国際社会に生きる日本人としての自覚
- ■(2) 現代と倫理
- ア 現代の特質と倫理的課題
- イ 現代に生きる人間の倫理
- ウ 現代の諸課題と倫理
- §3 政治・経済
- 1 基本的性格
- 2 目標と内容構成
- (1) 新しい「政治・経済」の目標
- (2) 新しい「政治・経済」の内容構成とそのねらい
- 3 改善のポイントとこれからの課題
- 4 内容の解説と展開
- ■(1) 現代の政治
- ア 民主政治の基本原理と日本国憲法
- イ 現代の国際政治
- ■(2) 現代の経済
- ア 経済社会の変容と現代経済の仕組み
- イ 国民経済と国際経済
- ■(3) 現代社会の諸課題
- ア 現代日本の政治や経済の諸課題
- イ 国際社会の政治や経済の諸課題
- 第3章 各科目にわたる内容の取扱い
- §1 見方や考え方を深める学習の重視
- §2 コンピュータや情報通信ネットワークを用いて,情報を主体的に活用する学習の重視
- §3 学習の過程で考察した内容や学習の成果を表現させる工夫
- 付録
- 学校教育法施行規則(抄)
- 高等学校学習指導要領「総則」
- 高等学校学習指導要領「公民」
まえがき
平成11年3月29日,高等学校学習指導要領が改訂された。この新しい教育課程の基準は,平成15年度から年次進行により実施されることになる。
今回の改訂は,[ゆとり]の中で各学校が特色ある教育を創造し,豊かな人間性や自ら学び自ら考える力など[生きる力]の育成を基本的なねらいとして行われている。
ところで,[生きる力]の要素である「自分で課題を見つけ,自ら学び,自ら考え,主体的に判断し,行動し,よりよく問題を解決する資質や能力」などはどのようにすれば育成することができるのだろうか。これらの資質や能力は,実際に生徒に課題を設けさせ,自ら考え判断させなければ育てることはできないのではなかろうか。
その意味では,教育課程審議会答申で公民科の具体的な改善の方針として示された次の4点に注目していただきたいのである。
@ 現行の三つの科目の特質を一層明確にする。
A 課題を設定し追究する学習を重視する。
B 社会的事象に対する客観的で公正な見方や考え方を深める。
C 現代社会の諸課題と人間としての在り方生き方について考える力を一層養う。
公民科各科目ではこの方針に沿って内容を再構成しており,今後,各科目の特質を明確にしつつ課題追究的な学習を授業の中でどのように具体化していくかが実践上の課題となろう。
このような課題意識のもと,本書は,各執筆者がこれまでの教育経験を生かしながら,新しい学習指導要領の趣旨をいかに具体化するかという観点から,授業づくりの考え方や学習指導の在り方について考察するとともに,授業モデルを作成し実践可能な形で提示している。
各学校における日々の授業は,実際に目の前にいる生徒の実態を踏まえ,各先生方の創意工夫によって成り立つものである。読者の方々におかれては,本書を参考にしていただき,新しい公民科の内容について理解と研究を深めていただければ幸いである。
なお,最後になりましたが,終始熱心に本書の編集にご協力いただいた各位に対して厚くお礼を申し上げたい。
平成12年7月 編者
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- 明治図書