- 第一部 研究方法論
- T 社会科教育学研究の本質
- U 社会科教育学研究の対象と課題
- 1 社会科教育学の研究対象
- 2 社会科教育学の研究課題領域
- V 社会科教育学研究の類型と方法
- 第二部 研究の事例と解説
- W 事実の記録・収集研究
- X 事実づくり研究〔研究者(研究指導者)〕
- 1 課題と方法
- 2 教科課程開発研究 /猪野 滋(岩田 一彦)
- 「個が生きる教育課程の編成と評価―社会の変化に対応し、自ら学ぶ意欲を育てる社会科学習の創造―」
- 3 授業設計・開発研究 /米田 豊(岩田 一彦)
- 「民俗学の研究成果を組み込んだ社会科内容・授業設計論―中学校社会科歴史的分野を中心として―」
- 4 教授書開発研究 /二井 正浩(原田 智仁)
- 「現代史の授業構成に関する研究―地球システム論を手がかりにして―」
- 5 教材・教具開発研究 /伏見 健(中村 哲)
- 「ハイパーカードを活用した日本史教授メディアの開発―高校日本史「鎌倉時代」を例として―」
- Y 事実分析研究
- 1 課題と方法
- 2 教科課程研究 /姫野 毅(森分 孝治)
- 「社会問題研究としての地理―イギリス中等地理プロジェクトIssues in Geographyを手掛かりに―」
- 3 教科書研究 /別宮 美喜(片上 宗二)
- 「柳田国男の社会認識教育論―教科書『日本の社会』の分析を中心として―」
- 4 授業研究 /吉田 嗣教(木村 博一)
- 「意志決定能力育成のための社会科学習指導過程の研究―心理学の成果を手がかりとして―」
- 5 教材・教具研究 /鬼塚 喜隆(森分 孝治)
- 「TV視聴による歴史知識成長の論理」
- 6 評価研究 /大木 康弘(森分 孝治)
- 「目標改善を目指す社会科評価研究―アメリカNAEPの分析―」
- Z 理論づくり研究
- 1 課題と方法
- 2 思考力育成論研究 /佐々木 英三(森分 孝治)
- 「歴史的思考力育成の論理―現代アメリカ歴史教育論研究―」
- 3 授業論研究 /西川 満(棚橋 健治)
- 「新しい社会認識教育の創造―疑似体験探究学習の原理と構成―」
- 4 教材・教具論研究 /橋本 和之(池野 範男)
- 「絵画史料を用いた歴史授業構成の研究」
- [ 理論分析研究
- 1 課題と方法
- 2 本質・原理論研究 /泊野 賢治(小原 友行)
- 「近代歴史教育完成期における小学校歴史授業論―斎藤斐章の場合―」
- 3 教授法論研究 /児玉 康弘(森分 孝治)
- 「探求の論理に基づく社会科教授方略」
- \ 社会科教育史研究
- 1 課題と方法
- 2 実践史研究 /永田 忠道(片上 宗二)
- 「大正自由教育期における地理教育実践の研究」
- ] 外国の社会科教育の研究
- 1 課題と方法
- 2 アメリカ合衆国社会科教育研究 /森田 真樹(中山 修一)
- 「多文化社会における歴史カリキュラム開発に関する研究―米国『合衆国史ナショナル・スタンダード』をめぐる論争を中心として―」
- ]T 社会科関連教育の研究
- 1 課題と方法
- 2 国際理解教育研究 /藤原 孝章(金子 邦秀)
- 「グローバル時代の国際理解教育―カリキュラム開発に関する基礎的研究―」
- ]U 研究方法論研究
- 執筆者一覧
まえがき
社会科教育について、なにを、どう、研究すれば、社会科教育学研究となるのか。学校で地域で、各種研究団体において活発に研究がなされているが、学問的研究はそれらと、どこが違うのか。そもそも社会科教育学研究とはなにであり、いかに進めてゆけばよいのか。教員養成大学・学部に大学院が設置され、多くの院生が社会科教育学研究を志すようになったが、彼らがまず直面するのは、これらの問いではなかろうか。
本書は、これから社会科教育学研究を始めようとされる方々に、研究の基本的な考え方と多様な研究事例を示し、自ら研究の道を切り開いてゆく手助けとなることを目的としている。
こうすれば学問的研究となる、という一つの研究方法があるわけではない。社会科教育学は、大きくは社会科学に位置づく教育学の一部門であり、それらに共通する研究方法上のルールを大枠として、研究者一人ひとりが方法を反省しながら研究を進めるほかない。しかし、研究のあるところ方法はある。優れた研究は、優れた方法―多くの場合、それについて語られないが―に支えられている。積み重ねられてきている研究をみると、ゆるやかではあるが、社会科教育学の研究方法が形成されつつある。本書では、それを「研究方法論」として第一部で、そして、第二部の各類型の研究の「課題と方法」にまとめた。
研究事例を中心としたのは、方法論を詳しく知るよりも、研究上参考になるからである。また、修士論文研究を事例として取り上げたのは、学会誌掲載の論文が、一般に、卒業論文や修士論文とは規模やレベルが違い、入門者には参考にしがたいのではないかと考えたからである。出来るだけ多くの類型、領域から優れた事例を取り上げ、研究者が論文を紹介し、研究を直接指導した大学教官が研究方法の視点からコメントする方式をとった。
新しい研究者が、これらの研究に倣い、それらを乗り越え、あるいは、別の方法を創出し、研究の地平を広げ、社会科教育学の発展に寄与されることを期待したい。
本書を編集するにあたり、多くの方々のご協力ご配慮をいただいたことを述べ、深く感謝いたしたい。広島大学教育学部片上宗二教授、池野範男助教授、元鳴門教育大学・現広島大学教育学部棚橋健治助教授、広島大学大学院国際協力研究科中山修一教授、兵庫教育大学岩田一彦教授、中村哲教授、原田智仁助教授、広島大学学校教育学部小原友行教授、木村博一助教授、同志社大学文学部金子邦秀教授には、本書の章立てに合った修士論文研究の推薦と研究へのコメントをお願いしたところ快く応じていただいた。また、各大学の、かつての院生の方々も本書の趣旨に賛同し、すすんで修士論文を公表いただいた。本書が、幸いにして、研究入門書として広く受け入れられることがあれば、それは、ひとえに、これらの方々のお陰である。
末筆になったが、本書を企画され、出版いただいた明治図書の江部満相談役、樋口雅子編集部長、編集の労をとっていただいた笹岡敏紀氏には心からお礼を申し述べたい。
1999年5月 /森分 孝治
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- 明治図書
- 大学院生のときにゼミの先生から勧められて読みました。社会科教育の実践家として必ず持っておきたいですし、理論と実践をつなげげる上でももう一度書籍の形でぜひ読みたい一冊です。復刊をぜひにお願いします!2024/10/14
- ぜひ復刊してほしいです!2023/6/30
- 『社会科教育学研究法ハンドブック』でも言及されている本であり、古書でも購入しようとしましたがとても高い値段を設定されていました。1度読みたい本ですので、ぜひ復刊をお願いします。2022/1/27しろ