- はじめに
- 第0章 withコロナの学び合いのコーディネートスキル
- 1 Bluetoothでスピーカーにつないで声を届ける
- 2 タブレットを使って板書を中継する
- 3 前時の子どもの意見を一覧表にする
- 4 ハンドサインで自分の意思を伝えさせる
- 5 ホワイトボードで「聞きたい意見」を発表させる
- 6 手元の操作を映像で見せる
- 7 子どもの説明を映像で繰り返し見せる
- 8 Zoomのブレイクアウトルームを活用する
- 9 発表に対して「いいね」マークを入れさせる
- 10 Zoomのホワイトボード機能を活用する
- 11 Zoomのチャット機能を活用する
- 第1章 導入,問題提示場面のコーディネートスキル
- 1 前時の問題と本時の問題を横に並べて違いに気づかせる
- 2 よいテンポからの急展開で,子どもの素直な反応を引き出す
- 3 なかなか発表できない子どもに活躍の場をつくる
- 4 ストンと落ちる長さ,表現で学習課題をつくる
- 5 前時の子どもの疑問や考えを,本時の学習課題に生かす
- 6 身近なことの具体例をあげて学習課題を発見させる
- 7 対立する場面をつくるための教材や発問を考える
- 8 意見の対立をコントロールする
- 9 話し合う前に,話し合う目的とゴールイメージを確認する
- 10 題名から想像させたことを授業に生かす
- 11 「?」や不安を生み出すしかけをつくる
- 12 想像したり選択したりする場面を与える
- 13 子どもの言葉,子どもの実感を引き出す
- 第2章 個人思考,自力解決場面のコーディネートスキル
- 1 ノートは見開き2ページで構造的に表す
- 2 子どもが試行錯誤する機会を適切に設定する
- 3 よりよい考えを選ぶ具体的な視点を与える
- 4 何人かに焦点をあてて個別指導をする
- 5 今日のプチヒーロー,プチヒロインを決める
- 6 子どもの考えを記号化して座席表に書き込む
- 7 記号化して把握した考えを意図的指名に生かす
- 8 ほめ方のバリエーションをもつ
- 9 発表させたい子どもにひそかにアプローチする
- 10 多少字が汚くても目をつぶる
- 第3章 話し合い場面のコーディネートスキル
- 1 発表する前に,同じ意見の人を探させる
- 2 近くの友だちと考えを確認し合う時間を2分取る
- 3 間違いに含まれる目のつけどころのよさを広める
- 4 1つの意見を,多くの子に発表させる
- 5 色チョーク,矢印で話し合いの内容をまとめる
- 6 「発表はお天気お兄さんのように」を意識づける
- 7 ベストポジションに立ち位置を定める
- 8 考えをつなぐ,問い返す
- 9 学級の実態に応じて誤答を活用する
- 10 意見の出し方は2パターンを使い分ける
- 11 声の小さい子には,対象を明確にして発表をさせる
- 12 討論的な話し合いをコーディネートする
- 13 感想を付箋に書いて伝え合う場をつくる
- 14 発表が苦手な子を舞台に上げる術をもつ
- 15 「伝わる発問」「開いた発問」で子どもの思考を揺さぶる
- 第4章 振り返り,まとめ場面のコーディネートスキル
- 1 まとめは徐々にレベルアップしていく
- 2 やりとりを通して,みんなでまとめる
- 3 子どもに各自でまとめさせる
- 4 子どもの振り返りを授業の評価に使う
- 5 まとめから授業を構想する
- 6 振り返りの観点を決めて書かせる@
- 7 振り返りの観点を決めて書かせるA
- 8 振り返りを書きやすい環境を整える
- 9 7W2H1Rのコメントで子どもの思考を深める
- 10 3分でできる問題,誤答を修正する問題を扱う
- 11 子どもたち自身に適用問題をつくらせる
- おわりに
はじめに
この本を手に取っていただき,ありがとうございます。
この本を手に取っていただいたということは,
「クラスの子たちがもっと発表するようになるためには,どのように指導すればよいのだろう」
「子どもが自分からやるようになるには,どうしたらよいのだろう」
といった悩みをおもちなのではないでしょうか。
これは,そんな先生方に読んでいただきたい,子どもが進んで動き出すようになる本です。
ご存知の通り,新しい学習指導要領では,「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善が求められています。
そういった中で,ある本では,「まず」「次に」「最後に」と順序立てて説明する話型の指導法を紹介しています。一見,どの子も意見をきちんと言えるようになりそうですが,注意しないといけないことがあります。それは,友だちの意見につなげることよりも,話型をきちんと使うことに教師も子どもも縛られてしまうということです。
また,ある本では,子どもがノートにきれいな字を書くようになる指導法をすすめています。一見,後で振り返りがしやすいノートになりそうですが,気をつけないといけないことがあります。それは,子どもがノートにきれいな字を書くことや整ったノートにすることに集中し過ぎ,自分の考えを書けなくなってしまったり,自分の考えを発表し深めていくタイミングを失ってしまうことです。
さらに,ある本では,全員が発表をする指導法を紹介しています。これも,みんな自分の考えを発表してよい授業になるように思いますが,落とし穴があります。それは,一人ひとりの子どもが考えることよりも,全員に発表させることの方を教師が目的化してしまいかねないことです。子どもに,「いつ自分は当たるんだろう…」「1回発表したからもういいや」などと思わせてしまうと,対話的な学びどころではありません。
そこで私は,「子どもたちが進んで動き出す学び合いの授業」を目指し,
・子どもの考えを記号化して把握し,意図的指名に生かす
・「発表はお天気お兄さんのように」を意識づける
・7W2H1Rのコメントで子どもの思考を深める
など,学び合いのための様々な“コーディネート”スキルを提案することにしました。
また,本書の0章では,「withコロナの学び合いのコーディネートスキル」を紹介しています。子どもたちが密にならないように,ホワイトボードやタブレット,Zoomを使った学び合いの工夫を紹介しているので,参考にしていただければと思います。
新型コロナウイルスの影響で,長い家庭学習の日々を過ごしてきた子どもたち。おうちの人との約束をしっかり守り,一歩も外に出なかった子どもがいます。クラスの友だちと話すことができず,さみしいと思っていた子どもがいます。一方で,いざ学校が始まると,どう友だちとかかわればよいか悩んでいる子どもがいます。
先生方の中には,そんな子どもたちのために力になりたいと思いながら,具体的な方法が見つからず悩みをもっている方もいらっしゃると思います。私の提案する方法で,1人でも多くの先生方,子どもたちのお手伝いをさせてください。
2021年3月 /神保 勇児
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- 明治図書
- 項目が分かりやすく、読み易かったです。2022/8/1020代・小学校教員
- 振り返りやまとめのコーディネートが気になって購入しましたが、それ以外の章も大変充実していて勉強になりました。2021/9/2430代・会社員
- 大変学びがありました。2021/9/420代 小学校教諭