- まえがき
- 第1章 地図と地図記号
- 1 方位磁針なしで北を見つけるには?
- 2 「東西南北応援団」 東西南北はこれで覚えよう
- 3 変化する地図記号
- 4 新しい地図記号
- 5 地図記号は世界共通か?
- 6 新しく生まれる地名
- 7 県名と県庁所在地の名前の関係
- 8 東京の県庁所在地はどこ?
- 9 富士山頂は何県?
- 第2章 地域のくらしと生活
- (1) 地域の生産や販売
- 10 まちでよく見かけるコンビニエンスストア
- 11 コンビニとPOSシステム
- 12 コンビニってどれくらいあるの?
- 13 大型ショッピングセンターはなぜふえたの?
- 14 カップうどんの「E」と「W」の印は何?
- 15 心をつなぐ地域通貨
- 16 100円ショップのなぞ
- 17 自動販売機でまちを調べる
- (2) 電気・ガス・飲料水・廃棄物の処理
- 18 石油はいつなくなるの?
- 19 プルサーマル計画って何?
- 20 風力発電のしくみ
- 21 雪からエネルギーが! 新しいエネルギー事情
- 22 カラスとなかよし,正しいごみの出し方とは?
- 23 水が出ないとこんなことになる
- 24 リサイクル。していいもの,悪いもの
- (3) 警察・消防・安全なくらし
- 25 コミュニティ道路あれこれ
- 26 さまざまな信号機
- 27 信号機はなぜ赤・黄・青なの?
- 28 なぜ火事のときは119番なの?
- 29 消防自動車は,交通ルールを守るの?
- 30 夜勤の消防士さんは,お風呂に入るの?
- (4) 昔の道具とくらし
- 31 横浜の中心は,昔海だった!
- 32 あまった水は? 暗渠排水工事
- 33 昔の農機具の使い方
- 34 洗たく板の向きから
- 35 電気炊飯器のお手本はオカマ
- 36 お節料理 つくる料理から買う料理へ
- 第3章 日本の国土と環境
- 37 秋刀魚が夏刀魚に変わる?
- 38 雪国の屋根いろいろ
- 39 真珠は海からの贈り物
- 40 山古志村の棚田の風景
- 41 階段国道
- 42 上流から海水が流れる沖縄の川
- 43 「暑い」にもいろいろある沖縄の方言
- 44 東日本と西日本,どこが境界線?
- 45 台風は敵なの? 雪は友だち?
- 第4章 日本の産業
- (1) 第1次産業
- 46 日本の食生活,ここが変わった 中食のとりすぎ
- 47 コシヒカリときらら397物語
- 48 休耕田を油田に
- 49 無農薬とリサイクルをつなぐ「紙マルチ」
- 50 りんごの受粉はハチがする
- 51 ウナギの謎
- 52 達人は昔を目指す
- 53 私たちが食べているマグロの種類は何?
- (2) 第2次産業
- 54 水素ステーションって本当に増えるの?
- 55 ロボットのいるくらし
- 56 「トヨタ方式」って何?
- (3) 第3次産業
- 57 写真が動く新聞紙から未来の技術を
- 58 新聞紙の秘密
- 59 ユビキタスは世界を変える
- 60 マイクロソフトが負けた日本のOS
はじめに
社会科という教科は,「社会に出てから役に立つ教科」「大切な教科」という意識が,親にも子どもたちにも高い。しかし,「社会科の授業が好きか」と子どもたちに問えば,その結果は必ずしも芳しいものではない。
文部科学省が平成15年度に行った教育課程実施状況調査の「教科等の好き嫌いの意識調査」の結果では,「とても好き」・「まあ好き」の合計が4年・5年では全ての教科・領域の中で最下位であった(4年46.0%,5年43.5%)。歴史に興味をもつ子どもたちが増える6年生では,51.8%と少しもち直すが,それでも,道徳・国語に次いで下から3番目である。
この傾向は,その後の諸調査を見ても変わっていない。相変わらず,社会科は最下位を独走しているのである。
なぜ,社会科を好きになれないのだろうか?
答えは簡単である。教師が社会科を面倒くさがる,毛嫌いするからである。
教師が社会科好きになれば,子どもも社会科を好きになる。子どもの教科嫌いは,教師の投影なのである。
ご承知の通り,小学校の教師は,ほとんどの教科を1人でこなす。高学年になるにつれて,専門的な知識も増え,教材研究も大変である。とりわけ,社会科は,取材をして資料を集めたり,子どもたちに分かりやすく資料を作成し直したり,具体物を用意したりと,その気になればなるほど,手間と時間を要する教科である。「そうすれば,子どもたちが喜ぶのは分かるが,そこまでできない」,といったジレンマが襲う。そこで,無難に教科書を教え,白地図やプリントで漏れなく習得させる学習となっていく。この循環により,子どもたちの社会科に対する意欲が薄まっていく。
本書は,そういった先生方の悩みを少しでも解消し,社会科の授業を楽しくできればと思い,全国の社会科を愛する小学校の先生方によって執筆された小本である。
授業の合間に,教科書には取り上げられていないが,関連した話題をホンの数分間子どもたちに提供するだけで,子どもたちの社会科に対する学習意欲が変化していく。子どもたちの教師を見る瞳が変わってくる。教師が話す小話をもとにして,自らも調べてみようとする。私たちは,そういった子どもの変化を見てきた。そんな内容を提供できる話題が満載された本である。
話の中身は,タイトルを見ていただければ分かると思うが,必ずしも社会科の授業だけでしか活用できないモノではない。日頃の学級指導や朝会でのスピーチにも十分に活用できる内容である。
見開き2ページの編集であるため,手軽に読める反面,もう少し詳しく掲載したい所や,やむなく割愛したところも多々ある。そういったときには,出典を参考にしながら,ご自身で掘り下げて子どもたちにお話していただければ幸いである。
社会科小話シリーズは,地域・地図・日本の国土など3年生から5年生までの社会科の内容を満載したものと,歴史・世界の6年生の社会科の話題を中心としたものの2冊を刊行する。両書を併読して活用していただければ編著者として大変嬉しく思う。
最後に,本書の刊行に際し,明治図書出版の樋口雅子氏と矢口郁雄氏に大変お世話になった。ここに改めて感謝の意を表したい。
筑波大学附属小学校 /臼井 忠雄
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- 明治図書