- まえがき
- Chapter 1 英語授業でのICT&1人1台端末活用のポイント―基本編
- ICT&1人1台端末でできること
- 1 ICT活用とは何か
- 2 ICT活用の際の考え方
- 3 ICTへの置き換えとICTを用いたDX
- 4 ICT活用の主語はだれか
- 教師が使用するICT
- 5 情報伝達手段としてのICT活用
- 6 即時的に生徒を理解するICT活用
- 生徒が使用するICT
- 7 教育格差を生まないICT活用
- 8 協同学習を引き出すICT活用
- 9 学習効果を高めるICT活用
- 10 ファシリテーターとしてのICT活用
- Chapter 2 ツール別ICT&1人1台端末活用ガイド
- Google for Education
- 1 Google for Educationの基本機能
- 2 Google Classroomで生徒とコミュニケーション
- 3 Googleドライブで教材配付と回収が容易になる
- 4 Googleフォームで個々の生徒の理解をこまめに確認
- Microsoft Teams for Education
- 5 Microsoft Teamsの基本機能
- 6 Microsoft Teamsで生徒の解答を共有する
- 7 Microsoft Formsで生徒個々の理解をこまめに確認
- 8 Microsoft Teamsの「会議」でオンライン授業を行う
- その他の便利ツール
- 9 PDFを作成する
- 10 紙の資料から文字データを読み出す
- 11 スクリーンショットを使う
- Chapter 3 場面別ICT&1人1台端末の英語授業アイデア
- ICT×帯活動
- 1 基本的なICT操作
- 2 ICTを活用した英語の歌の導入
- 3 端末を使用した単語当てゲーム
- 4 既習文法事項を定着するQ&A活動
- 5 やり取りの土台をつくるchat活動
- 6 相手を説得するnegotiation活動
- ICT×導入
- 7 ビジュアルエイドを多用したoral introduction
- 8 ICTを使った状況設定
- 9 ビジュアルエイドを活用した未知語の導入
- 10 動画活用で背景知識を充足
- ICT×本文内容理解
- 11 読み取る内容を明確にして初見の英文を読むリーディングクエスチョン
- 12 本文内容理解にビジュアルエイドを活用
- 13 ICTで一気に伝える語彙知識&文構造の扱い方
- 14 本文理解のための教師生徒間Q&A
- 15 スライドの弱点を解消する1枚スライド
- ICT×音読活動
- 16 PowerPointで提示するフラッシュカード
- 17 マイペースで音読活動
- 18 英語のイントネーションを身につけるオーバーラッピング
- 19 PowerPointでリード&ルックアップ
- 20 PowerPointを使った様々な音読活動
- ICT×output活動
- 21 授業スライドを生徒に渡してリテリング
- 22 リプロダクションとリテリング
- 23 1人1台端末でのスピーチ指導
- 24 スライドで表現するプレゼンテーション
- 25 やり取りの力を高めるロールプレイ
- ICT×文法指導
- 26 ICTを活用した英文法指導例
- 27 板書とスライドの使い分け方
- 28 テンポよく問題を出すパターンプラクティス
- 29 全員の理解度を常に確認するGoogleフォーム・Microsoft Forms
- 30 例文暗唱に向けて行う単語再生活動
- ICT×ワークシート作成
- 31 すぐできる穴あき音読シートの作成法
- 32 時短に繋がる検索テクニック
- 33 Wordの読み上げ機能を活用した発音ワークシート
- 34 個人作業の共同編集ツール配付法
- 35 紙配付とデータ配付の区別法
- ICT×家庭学習
- 36 Googleフォーム・Microsoft Formsを使用した日々の確認
- 37 自宅で学習できる動画案内
- 38 音声による宿題提出法
- 39 PDFによるノートチェック
- 40 効果的なGoogle Classroomの活用法
- ICT×学習評価
- 41 Googleフォームを使った小テスト
- 42 ルーブリックの作成と扱い方
- 43 パフォーマンステストの評価方法
- 44 Excelで簡単!成績処理
- 45 Excelを使った成績処理のミス撃退法
- ICT×入試対策
- 46 4技能指導と入試対策は両立できるか
- 47 検定試験対策とICT活用
- 48 CBTの指導
- 49 入試対策の方法
- 50 使える様々なツールやサイト
まえがき
ICTに関連する書籍はたくさんあるが,英語教育に重点を置いたものはまだあまり多くはない。そこで,英語教育に関して様々な実践をしながらICTを使っている筆者が本書でその事例を紹介しようということになった。
この本の存在意義は以下の点にある。
@4技能統合型指導の根本的な理解から具体的実践までを知ることができる
A1人1台端末を「最小限」使用すべき具体的な方法を知ることができる
最近は,ICTをどんどん活用している先生方と,全く使用されていない先生方とで,二極化が進んでいるように感じられる。また,推進派の先生方の中には,使用すること自体が目的化してしまっている事例も時々見られる。一方,反対派の先生方の中には,使用しない理由を強く主張し,意地でも使わないという姿勢の方もいらっしゃる。
この二極化構造は,@の4技能統合型指導でも同じように見られる現象である。4技能指導を推進する先生方の中にも,英語を使った指導自体が目的化してしまい,生徒に身につけさせたい力のことを忘れてしまっている方もおられる。一方,意地でもこれまでの指導方法に固執し,文法解説や訳読指導の正当性を主張する先生方もおられる。
本書は,前述した@とAに関して,どのような先生でも取り入れることができるように,常に,なぜその指導をするのかというポイントと,具体的な実践例をバランスよく紹介した。これまでの指導方針やICTの取組状況にかかわらず,多くの先生方に一度じっくりと読んでみていただきたい。
本書の構成は,以下のようになっている。
・Chapter1 英語授業でのICT&1人1台端末活用のポイント―基本編
・Chapter2 ツール別ICT&1人1台端末活用ガイド
・Chapter3 場面別ICT&1人1台端末の英語授業アイデア
Chapter1では,ICT活用の根本的な考え方について説明した。時々でよいので立ち返って読み返してもらいたい。またChapter2では,具体的なツールを軸に基本的な機能について紹介している。Chapter3には授業場面や指導場面で分類した具体的な活動アイデアを掲載している。ICTをいかに日々の授業や授業外の業務で活用していくかを紹介している。各章を読み通すのもよいが,日々の授業準備等でふと気になった時に気になる場所を読む,攻略本のように活用していただければと思う。
本書の執筆に当たっては,筆者の勤務校がMicrosoft Teamsを利用していないため,筑波大学附属中学校の高杉達也先生から多くの知見と具体的な実践例についてご教授いただいた。また,妻と家族には,とても温かなサポートをしてもらった。最後に,父である岩瀬昇氏には,専門外の領域であるにもかかわらず,原稿すべてに目を通し,様々な言い回しや表現について助言をもらった。皆に感謝の気持ちを込めてまえがきを終わりにしたい。
2022年10月 /岩瀬 俊介
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- 明治図書
- この本を読んで、ICTを活用した授業にもっとチャレンジしたくなりました。2022/11/25カズ