- はじめに
- Chapter1 運動会の表現種目 よくあるマネジメント5つの悩み
- @ 子どもが夢中になっていない
- A 子どもが自分事として課題を考えていない
- B 子どもの個性が発揮されていない
- C 目的やテーマが不明確
- D 準備が計画的にできず,直前にドタバタ
- Chapter2 子どもが夢中になって取り組む表現種目のマネジメント〜理論編〜
- @ 表現種目の目的
- A 表現種目の土台(教師観)
- B 子どもが夢中になって取り組む表現種目
- C 「グループごとに新しい価値を創造する場面」を設定
- D 表現種目のマネジメント
- Chapter3 子どもが夢中になって取り組む表現種目のマネジメント〜実践編〜
- 時期別すること一覧
- ぶれない地盤を作る〜砂上の楼閣にならないために〜
- 春運動会…春休み・4月 秋運動会…1学期
- 1 教材研究
- 2 実行委員の選出
- 3 テーマ・メインの表現を決める
- 4 曲決め
- 5 衣装・アイテム決め
- 骨組みを作る〜教師の出番〜
- 春運動会…ゴールデンウィーク 秋運動会…夏休み
- 1 冊子作り
- 2 構成決め
- 3 カウント表の作成
- 4 振付の作成
- 5 校庭図の作成
- 6 理想の隊形
- 7 音楽やお手本動画の作成
- 8 練習計画の作成
- 完成させる〜毎年違う個性ある家〜
- 春運動会…5月 秋運動会…2学期
- 1 オリエンテーション
- 2 特別時間割での指導@
- 3 特別時間割での指導A
- 4 本番・本番後の指導
- Chapter4 本番を成功に導く! 知っておきたい知識&スキル
- @ 準備期間が短いとき
- A フラッグ運動のマネジメント
- B ソーラン節のマネジメント
- C 土台となる学級経営
- D 質問コーナー
- Chapter5 そのまま取り組める! おすすめ演技プログラム3選
- 1 フラッグ運動中心の実践
- 〈♪「Mario Brothers Rap」ダンス,「タマシイレボリューション」フラフープ,「はいよろこんで」ダンス,「かわいいだけじゃだめですか?」ダンス,「ダーリン」フラッグ運動〉
- 2 民舞(ソーラン節)中心の実践
- 〈♪「残響散歌」,「ともに」,「TAKIO’S SOHRAN2」〉
- 3 全て(ダンス・1人技・フラッグ運動)を入れた実践(応用編)
- 〈♪「それを愛と呼ぶなら」〉
- おわりに
はじめに
(1)原点
日本には公立の小学校が2万以上あります。どの学校も地域によって様々な行事をしていますが,どの学校でも行われている可能性が高い行事が「運動会」です。中でも,「表現種目」は,「運動会」の中心になり,保護者が期待していることが多いです。教師を始めた10年以上前,右も左も分からずに先輩教師に言われるがまま,表現運動の指導をしていました。当時は組体操が全盛期――。時には,駒のように子どもを動かし,これまで先輩たちがやっていた3段タワーなどの技をやることだけを考えていました。時代は変わり,組体操が安全面などの理由からできなくなってきました。教師として経験を積む中で,自分の中に疑問が生じました。
「教師の考えることを真似するだけで,子どもはやらされているだけではないか――」
「教師が必死になって考えたものを発表する場になっているのではないか――」
「何の曲,何の演技をするかが,『手段』ではなく,『目的』となっているのではないか――」
「活動あって,学びなしになっているのではないか――」
「子どもの可能性を最大限に生かしきれていないのではないか――」
「子どもの思考(流行の曲)と自分とのギャップが大きくなっているのではないか――」
「先が読めない時代において,時代と合っていないのではないか――」
上記のような考えから,子どもが自分事として課題を考え,教師と一緒に創り上げていく表現種目のマネジメントを模索してきました。すると,大人では考えられない柔軟な発想に,教師が思わず「すごい!」と声を上げる表現が出てくるようになりました。子どもが夢中になって目を輝かせ,生き生きと活動するようになりました。試行錯誤し,自然と協働する姿が見られるようになりました。
結果として,私の指導の在り方が大きく変化しました。表現種目や学級経営などの教育活動が「点」として一つ一つ分離していたものが,年間を見据えて「線」として全てつながってきました。一方で,現場で周りの先生方を見ていて,下のような思いが生まれてきました。
現場の先生方は,表現種目のマネジメントで苦労している……。表現種目の在り方やマネジメントを考えるきっかけをつくりたい――。考えるバイブルがあれば,子どもが夢中になって主体的に取り組む,今の時代に合った表現種目が増えるのではないか――。
これがこの本の原点です。
(2)本の特徴@(子どもが夢中になって活躍するマネジメントに特化)
この本の最大の特徴は,子どもが夢中になって活躍するマネジメントについて書いてあることです。これまでにも,「〇〇の指導法」という本はたくさんありました。このような本は,踊り方がとても分かりやすく記されていて,参考にさせてもらったことがあります。一方で,「どのように本番に向けて指導してよいか分からない」と感じることがありました。子どもが夢中になって,生き生きと活躍するために,いつ,どのようなマネジメントや準備を教師がするかを書いた本はなかったと認識しています。ただ教師の思い通りに子どもを動かすだけのマネジメントやゴールが見通せていないマネジメントではなく,子どもがどこで,どのように活躍するかを明確にし,子どもが夢中になって取り組むマネジメントを提案しています。もう少し具体的に言うと,目の前の子どもの考え方を大切にし,グループごとに新しい価値を創造する実践を提案しています。この考え方により,子どもが課題を自分事として考え,夢中になって課題解決を目指す姿が見られるようになります。
筆者は,現場の一教員です。机上の空論ではなく,全て実践した経験から執筆しました。そして,理論と実践がセットになっている方が実践しやすいと考え,両輪を書くことを意識しました。
(3)本の特徴A(汎用性があり,どこからでも読める)
この本はマネジメントの考え方や在り方を提案することを意識しました。子どもを教師の枠に当てはめるのではなく,目の前の子どもの豊かな個性を大切にし,一緒に創り上げることを提案しています。グループごとの創作は,曲や構成が同じだったとしても,毎年,違った表現種目になり,汎用性があります。
この本は大きく分けて5つの章に分かれています。現場の先生方は,日々忙しく,目の前の子どものために活躍されています。このような先生方にとって,自分が知りたいことがどこに載っているかが明確で,その部分を見たいときに,すぐに見られることが大切であると考えました。目次には,いつ,どのような準備やマネジメントをすればよいかが一目で分かるようにしてあります。順番に読み,時系列で考えることもできますし,興味のある部分や悩んでいる部分から読むこともできます。読んでくださっている皆さんにとって,表現種目の在り方やマネジメントを立ち止まって考えるきっかけになることを願っています。
日本中に子どもが夢中になって輝く表現種目が少しでも広がりますように――。
2026年6月 /花坂 未来
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明治図書

















