- まえがき
- Chapter 1 子どもの好奇心を爆上げする「導入」づくりのポイント
- 1 「好奇心」を起点に現代社会とつなげる
- 2 教師が疑問を見つける
- 3 子どものスタートラインをならす
- 4 推測と実際の不整合と情報の不足を演出する
- 5 子どもが語ることができる余白をつくる
- 6 子どもたちがテーマを選択できるようにする
- Chapter 2 小学校社会科授業の「導入」アイデア
- 3年
- (1)身近な地域や市区町村の様子 わたしたちが住む市の様子 1 学校の周りの地図はABCのどれ? 単元導入
- (1)身近な地域や市区町村の様子 わたしたちが住む市の様子 2 わたしたちの町に“ある?”“ない?”どっち? 単元導入
- (1)身近な地域や市区町村の様子 わたしたちが住む市の様子 3 道案内できるかな?! 単元中盤
- (1)身近な地域や市区町村の様子 わたしたちが住む市の様子 4 ◯◯市,バーチャルツアー!? 単元終末
- (2)地域に見られる生産や販売の仕事 ※大単元の導入 5 何の仕事をしている人でしょうか? 単元導入
- (2)地域に見られる生産や販売の仕事 工場ではたらく人びとの仕事 6 使ってみよう,食べてみよう 単元導入
- (2)地域に見られる生産や販売の仕事 工場ではたらく人びとの仕事 7 つくる順番わかるかな? 単元中盤
- (2)地域に見られる生産や販売の仕事 お店ではたらく人びとの仕事 8 買い物調べのその前に 単元導入
- (2)地域に見られる生産や販売の仕事 お店ではたらく人びとの仕事 9 スーパーマーケットがあるのに小売店は必要か? 単元終末
- (3)地域の安全を守る働き 火事から安全なくらしを守る仕事 10 誰がどんなことをしているの? 単元導入
- (3)地域の安全を守る働き 火事から安全なくらしを守る仕事 11 消防署のひみつを探ろう 単元中盤
- (3)地域の安全を守る働き 事故や事件から安全なくらしを守る仕事 12 交番で働く人の1日 単元中盤
- (4)市の様子の移り変わり うつりかわる市と人びとのくらし 13 100年前の◯◯市 単元導入
- (4)市の様子の移り変わり うつりかわる市と人びとのくらし 14 人口のこれまでとこれから 単元中盤
- (4)市の様子の移り変わり うつりかわる市と人びとのくらし 15 タイムカプセルプロジェクト 単元終末
- 4年
- (1)都道府県の様子 わたしたちが住む県のようす 1 クロスワードパズルにチャレンジ 単元導入
- (1)都道府県の様子 わたしたちが住む県のようす 2 ◯◯県をかいてみよう! 単元中盤
- (1)都道府県の様子 わたしたちが住む県のようす 3 どこの写真かな? 単元導入
- (1)都道府県の様子 わたしたちが住む県のようす 4 カントリーサインを作ろう! 単元終末
- (2)人々の健康や生活環境を支える事業 ごみのゆくえ 5 ごみを出さないことは可能か? 単元導入
- (2)人々の健康や生活環境を支える事業 ごみのゆくえ 6 最終処分場がなくなったら… 単元終末
- (2)人々の健康や生活環境を支える事業 くらしにかかせない水 7 水の惑星の「70,2.5,0.01」 単元導入
- (2)人々の健康や生活環境を支える事業 下水のしょりと再利用 8 汚水を道路に投げ捨てていた!? 単元導入
- (3)自然災害から人々を守る活動 自然災害から命を守る 9 4年○組「一日前プロジェクト」 単元導入
- (3)自然災害から人々を守る活動 自然災害からくらしを守る 10 備蓄倉庫には何がある? 単元中盤
- (3)自然災害から人々を守る活動 自然災害からくらしを守る 11 命を守る2つのマップ 単元終末
- (3)自然災害から人々を守る活動 自然災害からくらしを守る 12 ダムの2つの役割 単元中盤
- (4)県内の伝統や文化,先人の働き わたしたちの住んでいる県 13 「冒険家のお宝マップ」を作ろう 単元終末
- (4)県内の伝統や文化,先人の働き 県に残る伝えたいこと・残したいもの 14 ロングレッスンからテーマを選択 単元導入
- (4)県内の伝統や文化,先人の働き まちに伝わる祭り 15 ホットシーティングで先人になりきる 単元終末
- (5)県内の特色ある地域の様子 伝統的な工業がさかんな地いき 16 どっちのハサミが切りやすい? 単元導入
- (5)県内の特色ある地域の様子 土地の特色を生かした地いき 17 観光課の方に聞いてみよう! 単元中盤
- 5年
- (1)我が国の国土の様子と国民生活 世界の中の日本 1 5つのとびら〜世界の国々編〜 単元導入
- (1)我が国の国土の様子と国民生活 日本の国土 2 面積ランキング61位→6位? 単元導入
- (1)我が国の国土の様子と国民生活 日本の国土 3 日本列島を作ってみよう! 単元導入
- (1)我が国の国土の様子と国民生活 日本の気候と地形 4 3つの共通点は? 単元導入
- (1)我が国の国土の様子と国民生活 日本の気候と地形 5 季節のズレ? 単元導入
- (2)我が国の農業や水産業における食料生産 米づくりのさかんな地域 6 一文字違いで大きな違い? 単元中盤
- (2)我が国の農業や水産業における食料生産 水産業のさかんな地域 7 鰹節と鰹のたたきは獲り方が違う? 単元中盤
- (2)我が国の農業や水産業における食料生産 これからの食料生産とわたしたちのくらし 8 食料自給率ベスト10当てるまで帰れまテン 単元導入
- (3)我が国の工業生産 自動車の生産 9 バーチャル自動車工場見学 単元導入
- (3)我が国の工業生産 自動車の生産 10 自動車をパーツに分解すると 単元中盤
- (3)我が国の工業生産 自動車の生産 11 次世代自動車と自動運転車 単元中盤
- (3)我が国の工業生産 日本の工業生産を支える輸送と貿易 12 貿易黒字と貿易赤字 単元終末
- (3)我が国の工業生産 日本のこれからの工業生産 13 象が踏んでも壊れない 単元導入
- (4)我が国の産業と情報との関わり 情報を生かして変わる産業 14 ビッグデータの利用 単元導入
- (4)我が国の産業と情報との関わり 情報を生かして変わる産業 15 トラックの位置や店の状況がわかるシステム 単元終末
- (4)我が国の産業と情報との関わり 情報を生かして変わる産業 16 見えない関係を図で表そう 単元終末
- (5)我が国の国土の自然環境と国民生活との関連 自然災害からくらしを守る 17 1学期の内容を覚えているかな? 単元導入
- (5)我が国の国土の自然環境と国民生活との関連 日本の森林とくらし 18 立ち入り規制の森林 単元導入
- (5)我が国の国土の自然環境と国民生活との関連 環境を守る 19 空の色は何色? 単元導入
- 6年
- (1)我が国の政治の働き 憲法とわたしたちのくらし 1 憲法が暮らしと日本をつくる 単元導入
- (1)我が国の政治の働き 政治とわたしたちのくらし 2 教科書はタダ!? 単元導入
- (1)我が国の政治の働き 自然災害からの復旧や復興 3 能登半島地震復興への願い 単元導入
- (2)我が国の歴史上の主な事象 歴史の学び方 4 なぜ歴史を学ぶのか? 単元導入
- (2)我が国の歴史上の主な事象 大昔の生活とくにの統一 5 豪族をまとめる力 単元終盤
- (2)我が国の歴史上の主な事象 天皇中心の政治 6 天皇の目の前で 単元中盤
- (2)我が国の歴史上の主な事象 貴族がつくった文化 7 糖尿病が多かった貴族 単元導入
- (2)我が国の歴史上の主な事象 武士の政治のはじまり 8 倉幕府の権威を示すもの? 単元中盤
- (2)我が国の歴史上の主な事象 室町の文化と人々のくらし 9 お庭の違い 単元導入
- (2)我が国の歴史上の主な事象 全国統一に向けた動き 10 権力を見せつける秀吉 単元中盤
- (2)我が国の歴史上の主な事象 江戸幕府の政治 11 出島を探せ! 単元中盤
- (2)我が国の歴史上の主な事象 江戸の新しい文化と学問 12 町人の文化・新しい学問ワークショップ 単元中盤
- (2)我が国の歴史上の主な事象 明治の新しい国づくり 13 たった四はいで夜も寝られず 単元中盤
- (2)我が国の歴史上の主な事象 近代国家を目指す日本 14 約束の10年 単元中盤
- (2)我が国の歴史上の主な事象 戦争と人々のくらし 15 長い戦争による影響は? 単元導入
- (2)我が国の歴史上の主な事象 歴史の学習をひろげる 16 北海道と沖縄県の歴史 番外編
- (3)グローバル化する世界と日本の役割 日本とつながりの深い国々 17 生成 AI には選べない? 単元導入
- (3)グローバル化する世界と日本の役割 日本とつながりの深い国々 18 オリンピズムって何? 単元導入
- (3)グローバル化する世界と日本の役割 世界の課題と国際協力 19 時計の針を戻せるか 単元中盤
- あとがき
- 参考文献一覧
まえがき
導入の大切さ
先日,私が尊敬する先生から「どうして今さら導入の本を書くの」と質問を受けました。しばらくの間この問いが頭の中をぐるぐると回った後に浮かんできたのは,新任の頃に自分が社会科の授業をしている時の映像でした。そこでの自分は,授業が上手くいかずに冷や汗をかき,どうやってこの場を乗り切ればいいのかと思案に暮れています。社会科の授業が上手くいかなかった理由は色々ありますが,大きな理由の1つに「授業の導入で子どもたちの好奇心を掻き立てることができていない」があったと振り返ります。逆に導入で好奇心を掻き立てることができれば,子どもたちと共に社会科の学習を楽しむための大きな一歩となります。
さて,私がその先生に返した答えは「子どもたちが好奇心をもって楽しく学習を進めるためには,授業の導入がとても重要だと思うから」です。社会科は見方・考え方を働かせながら社会的事象と向き合い,概念的な知識を獲得し,その知識を基に社会とつながろうとする態度を養う教科です。子どもたちと共にそのゴールに目指すためにはよいスタートを切る必要があります。好奇心をもった状態でスタートラインに立ち,ワクワクしながらスタートできるようにしたいものです。
実践をベースに
これまた私がお世話になっている教育関係の方から「本を書くなら苦しかった頃の自分に伝わるように書きなさい」と教えてもらったことがあります。その教えを守り,本書では子どもたちとのやり取りを中心に導入の様子を示し,その解説を後に書いて具体的に授業をイメージできるようにしました。そして「導入の流れ」「解説」の後の「導入後の授業の流れ」では,導入後の授業の活動や単元をどのように展開して子どもたちの好奇心を持続させるのかを書いております。また,最後には「実践エピソード」を短く記しました。本書で紹介する導入例のほとんどが,私の実践をベースにしたものであり,手応えのあったものもあれば,反省点が残ったものもあります。そこも「実践エピソード」に簡単ではありますが記すようにしました。実際の授業をベースにお伝えする内容が,読者の皆様にとって少しでも気づきの得られるものとなり,子どもたちが少しでも「社会科の学習が楽しい」と感じてくれることを願っております。
本書に込めた思い
本書の執筆を依頼してくださった明治図書の大江さんの企画書に,社会科がおもしろい教科であること,子どもたちが楽しく主体的に学ぶことの大切さ,そして「大全」に込めた願いが書かれており,どれも私が大切にする価値観と同じだと感じました。それらをぎゅっと詰め込みながら,Chapter1では導入づくりのポイント,Chapter2には実践ベースのアイデアを載せております。お好きなところから読んでいただき,お役立ていただければ幸いです。
このような執筆の機会をいただくようになりましたが,私自身まだまだ教師として成長していく所存です。読者の皆様とともに力をつけていくように努力し続けたいと思います。そんな私と対話するような心持ちで読み進めていただければ幸甚です。
2024年6月 /永井 健太
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- 明治図書
- その名の通り、小学校社会科の導入場面だけをたっぷり集めた本です。一番わくわくするところだけの詰め合わせなので、読んでいるだけで社会科の授業がやりたくなります。導入の仕方を真似るという使い方もできますが、わくわく感を授業に活かすという気持ちで読むことが出来ました。2024/7/29ヤッシー
- よかった2024/7/2430代・小学校教員