- はじめに
- 第1章 この設計図のもとになるキーワード
- 1 仕事術
- 2 バックワードデザイン(校務・教科)
- 3 授業の幹・枝・葉
- 4 不易と流行
- 5 授業の4階層
- 英語授業の設計図:第1章
- 第2章 授業の「基盤」を整える
- ―「幹」をつくり「正しい授業」と「楽しい授業」を目指す
- 1 理論
- (1)「はじめまして」の授業ですべきこと
- (2)アウトプットで定着を目指す
- (3)授業のタイパとコスパを意識する
- (4)「正しい授業」と「楽しい授業」を目指す
- 2 指導形態・指導方法の工夫
- (1)データに基づく座席・ペア決め
- (2)授業アンケートをとる
- (3)指導案を共有する
- (4)教師の役割を意識する
- 3 教材の工夫
- (1)目的・場面・状況を具体的に設定する
- (2)Authentic Materials とPersonalization
- 4 All Englishの授業
- 5 ICTや生成AIの活用
- 英語授業の設計図:第2章
- 第3章 授業の「型」を整える
- ―「枝」をつくり「力がつく授業」を目指す
- 1 バックワードデザインの実際
- (1)年間指導計画を立てる
- (2)単元指導計画を立てる
- (3)指導案を作成する
- (4)定期考査との整合性を確認する
- 2 InputとOutputの往復
- 3 教科書を最大限に活用する
- 4 技能別指導の型を整える
- (1)ListeningとReadingの指導
- (2)SpeakingとWritingの指導
- (3)語彙指導
- 英語授業の設計図:第3章
- 第4章 授業の「型」を破る
- ―探究型タスクで「教室を飛び出し社会とつながる授業」を目指す
- 1 社会とつながる授業とは
- 2 教科書単元と関連させた社会とつながる授業
- 1年 ふるさと渋谷フェスティバルの広告をつくろう
- 1年 学校説明会で流す学校行事紹介動画をつくろう
- 2年 旅行業者になりきって海外旅行プランをプレゼンしよう
- 2年 ALTに日本の世界遺産を紹介しよう
- 3年 エシカルアクション啓発ポスターをつくろう
- 3 学年行事とコラボした社会とつながる授業
- 1年 東京探究校外学習
- 2年 イングリッシュキャンプ
- 3年 長崎探究修学旅行
- 第5章 生徒に学びを託す
- ―ジリツした学習者を育てる
- 1 VUCAの時代に必要な「ジリツ」した学習者
- 2 「家でもできること」と「学校でしかできないこと」の精査
- 3 勤務校の例
- 4 教師の役割を再認識する
- 5 自由進度学習・協働学習の実践
- (1)おすすめ商品のCMをつくろう
- (2)友達を誘う・応えるSkit動画を撮ろう
- おわりに
- 参考文献一覧
- Column
- 1 教務主任をして見えたこと
- 2 生徒の声を聴く
- 3 ロンドンに留学して見えたこと
- 4 東京教師道場,定期考査の返し方
- 5 教員3・5・8年目までに身につけるべき仕事術と授業力
はじめに
生徒指導や部活指導に明け暮れていた初任校時代,他教科すべてで数十校中下から2,3番目だった某学力調査で,お世辞にも勉強が好きではなかった教え子たちが英語だけ2位をとった。自分のしている授業はもしかしたら英語力をつける助けとなっているかもしれない。そこから書籍を読みあさり,数々の研修に参加して授業実践を重ねてきました。
初めての異動先である現任校は,全国から視察の絶えない英語教育重点校でした。初任校での授業スタイルでは通用しないと感じ,さらに勉強を重ね,授業をカスタマイズしていきました。おかげで,自身が担当した学年が過去十数年で最高の英語力実績を記録しました。そして令和7(2025)年度現在担当している学年が,その教え子たちの記録を更新している最中です。英語検定でいえば,中3の学年末時点で準1級が1.1%,2級が19.5%,準2級が67.8%,3級が73.6%の取得率を記録しました。2022年度から始まった都立高校入試のESAT-J(スピーキングテスト)ではAランクが71.1%,Bランクが24.1%を記録しました。これは都で断トツの結果だと推察します。
数々の研修会で講師をしている中で気づいたことがあります。それは「指導技術ばかりに関心のある参加者が多い」ということです。本書では授業を木にたとえていますが,指導技術は葉の部分にあたります。指導技術ばかり上達しても,土台となる枝や幹の部分が確立していなければ,その場限りのものとなってしまうでしょう。
自身の指導実績を振り返ると,学力困難校でも英語教育重点校でも成果が出せたのは,授業システムやデザインがしっかりしていたからだと思います。大勢の団塊の世代の先輩方が勇退され,若い先生方が増えてきている今,まさに授業基盤にフォーカスした研修が必要だと感じ,毎年色々な場所で次のお話をさせていただいています。
授業「基盤」の上に,「型」があって初めて生徒の英語力は伸びていく。
そんな中,現任校の英語教育重点校でいつしか「英語だけできればいいのか」を考えるようになっていきました。目まぐるしく変化する昨今の世界で,極端な話,英語はAIやアプリで事足ります。英語を操る人間があらゆることからジリツ(自立・自律)し,他者と協働し,試行錯誤しながら物事を解決・創造していくことが必要です。中学校の英語教育で,その発端となる授業ができたなら,そんなジリツした学習者を育成することができたなら,こんなに素敵なことはないと思い,教室を飛び出し社会と繋がる授業をつくり始めました。
第1章では,本書の設計図のもとになるキーワードを5つ紹介しています。まずお読みいただき,この後の章の理解に繋げていただきたいです。
第2章では,授業の基盤・幹となる理論や指導形態・指導方法の工夫,教材の工夫について紹介します。All EnglishやICT・生成AIの活用にも触れており,まずは土台となる正しい授業と楽しい授業づくりを目指すための章となります。
第3章では,授業の型・枝をつくることで英語力をつける授業づくりについて紹介します。年間・単元指導計画の立て方や指導案の作成方法に始まり,InputとOutputの往復,教科書を最大限に活用する方法や4技能(聞く・読む・話す・書く)別の指導の型について解説しています。ここまでで,十分な授業デザインができるはずです。
第4章では,蓄積してきた型を破り,教室を飛び出すことで社会と繋がる探究的な授業づくりについてお話ししています。教科書単元と関連させたものや,学年行事とコラボしたものについて具体的に紹介しています。
第5章では,私の最終目標である「ジリツした学習者の育成」についての工夫や実践例についてお伝えして本書を終わりたいと思います。
この本が全国の英語の先生にとって少しでも有益なものでありますように。
/橋本 晋作
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明治図書

















