- まえがき
- T 公民授業におけるクイズ・エピソードの活用
- 1 授業はコミュニケーションである
- 2 コミュニケーションの基本は「問い」と「答え」である
- 3 発問で思考を促す
- 4 クイズを活用して授業をつくる
- 5 エピソードで理解を深める
- 6 「自問自答」が社会科の学習である
- U 現代社会と私たちの生活
- §1 現代日本の歩みと私たちの生活
- 1 日本人海外旅行者数と訪日外国人旅行者数は,どちらがどれだけ多いか?
- 2 次の電気製品の中で,家庭への普及率がもっとも早く90%を超えたものはどれか?
- 3 内閣総理大臣の月給は50年前の何倍になったか?
- 4 コンビニエンスストアが,日本に登場したのはいつか?
- 5 メディアの利用時間で,増えているのは何か?
- §2 個人と社会生活
- 6 「のび太君」「まる子ちゃん」「サザエさん」の家族の中で,核家族はどれか?
- 7 求人広告に不適切な記載はどれか?
- 8 日本の100歳以上の高齢者は何人か?
- 9 家族の役割で最も大切だと思うことは何か?
- 10 日本と同じように,夫婦同姓を原則としている国はどこか?
- 11 日本の男性が一日のうち育児にかける時間はどれくらいか?
- V 国民生活と経済
- §1 私たちの生活と経済
- 1 「東京外国為替市場」の所在地はどこか?
- 2 映画に学割があるのはなぜか?
- 3 変動相場制になる前,1ドルは何円であったか?
- 4 第四銀行や十六銀行など,数字のついた銀行名の由来は何か?
- 5 デフレーション(デフレ)はどんな人にプラスに作用するか?
- 6 日本銀行は普通の銀行とどこが違うか?
- 7 次の商品の中で,上位3社がシェアの90%以上を占めているものはどれ?
- 8 これは何でしょう?
- 9 未使用の昭和26年発行の10円硬貨は,いくらで売れる?
- 10 お札の偽造防止方法として,まちがっているのはどれか?
- 11 デパートとスーパーマーケットの違いはどこにあるか?
- 12 コンビニでよく売れる商品は何か?
- 13 登録商標はどれか?
- 14 「三ちゃん農業」の「三ちゃん」は,「じいちゃん」「ばあちゃん」とだれか?
- 15 ユーロのマークはどれか?
- §2 国民生活と福祉
- 16 価格の決定に政府が関わっているサービスはどれか?
- 17 もっとも多く苦情がよせられている公害は何か?
- 18 年金は何歳からもらえるのか?
- 19 次の4つの国のうちで,最も消費税率が高い国は?
- 20 ガソリン1リットルに税金はいくら含まれているか?
- 21 日本政府が支払う国債の利払いは,一日当たりおよそいくらか?
- 22 一人当たりの財政支出額が最も低い国はどこか?
- 23 幼稚園入園から大学卒業までにかかる教育費の総額は?
- 24 日本の貯蓄率はどれくらいか?
- 25 救急車を利用すると,料金は請求されるか?
- 26 自己破産したらどうなるか?
- 27 我が国の一般会計の歳出でもっとも多いものは?
- 28 社会資本はどれか?
- 29 中小企業と大企業との違いは何か?
- W 現代の民主政治とこれからの社会
- §1 人間の尊重と日本国憲法の基本的原則
- 1 現行の憲法の中で,もっとも古いのはどこの国のものか?
- 2 大統領のいる国は?
- 3 天皇の国事行為として行われるのはどれか?
- 4 衆議院議員総選挙で最も高かった投票率は,何パーセントか?
- 5 日本の防衛関係費は世界何位か?
- 6 日本国憲法前文にある「その権威は国民に由来し,その権力は国民の代表者がこれを行使し,その福利は国民がこれを享受する」という表現に影響を与えたのは,だれの言葉か?
- §2 民主政治と政治参加
- 7 都道府県名を変えるには,どうしたらよいか?
- 8 政令指定都市になればできることは何か?
- 9 国会議員の特権はどれか?
- 10 “省”と“庁”はどこがちがうか?
- 11 最高裁判所の裁判官には,どのような人がなっているか?
- 12 国政選挙の選挙運動として認められていないのは?
- 13 選挙の結果,投票数が同じならだれが当選するか?
- 14 選挙権を得る年齢がもっとも高い国はどこ?
- 15 刑事裁判で,第一審における平均審理期間はどれくらいか?
- 16 これまで国民審査で罷免された裁判官は,何人いるか?
- 17 裁判とお白洲はどこがちがうか?
- 18 期日前投票が認められる理由として適当なのは?
- §3 世界平和と人類の福祉の増大
- 19 日本は,国連予算のどれくらいの割合を分担しているか?
- 20 牛や豚は,毎日のように食べても絶滅しないのはなぜか?
- 21 2050年の世界の人口は?
- 22 世界の難民の数はどれくらいか?
- 23 核兵器を保有している国は世界に何ヶ国あるか?
- 24 世界には,どのくらいの地雷が埋まっているか?
- 25 自動販売機は,一日でどれくらいの電力を消費するか?
- 26 世界の人口に占める非識字者の割合はどのくらいか?
- 27 国連で公用語とされている言語は,いくつか?
- 28 経済社会理事会の天井は,なぜパイプやダクトがムキだしなのか?
まえがき
現在,全国の学校に学力向上の嵐が激しく吹き荒れています。全国の中学校の半分以上が,学校目標などに学力向上を掲げているそうです。
そもそも学校というところは,勉強をするために行くところです。学校は学力を付けるところであることに疑いの余地はありません。
しかし,学力の中身が問題なのではないでしょうか。新しい時代の学力向上は,かつてのような知識を身に付けさせることを中心としたものであってはなりません。
かつては,学校で学んだ知識が一生涯役に立ちました。しかし,これからの時代は,学校で学んだ知識が生涯役立つとは限りません。社会の変化は,加速度的に速くなっています。学んだ知識はすぐに陳腐化し,常に内容を更新していかなければなりません。知識の更新は,自分の力で計画的に実行しなければならないのです。
さらに,社会の変化に伴って,新しい世の中に必要な思考力,判断力,表現力,問題解決能力なども身に付けていかなければなりません。そのために,自分で課題を見付け,自ら学び,主体的に判断し,行動し,よりよく問題を解決する資質や能力である「確かな学力」が,求められているのではないでしょうか。
さまざまな調査から,我が国の子どもたちは,学習意欲が必ずしも高くないこと,学校以外の勉強時間が少ないなど学習習慣が十分身に付いていないこと,などが明らかになっています。
また,中学校社会科公民的分野は,他の2つの分野に比べて生徒にあまり人気がないという結果が出ています。さらには,公民的分野の好き嫌いは,指導者によって決まる傾向が強いという調査結果もあります。
地理的分野と歴史的分野が第1〜2学年で終わらずに,第3学年まで食い込んでくる。そして,後ろには高等学校入試という現実がある。公民的分野は,限られた授業時間内に効率よく学習させなければなりません。
公民的分野は,さまざまな内容や方法を織り交ぜ,バラエティ豊かな楽しく学びがいのある授業を展開したくても,現実に追われてモノトーンな授業になりがちなのではないでしょうか。本書に収められたクイズやエピソードが,モノトーンになりがちな公民的分野の授業に,少しでも彩りを添えることができれば幸いです。
本書の執筆にあたっては,中学校社会科公民的分野の優れた実践者にご協力を賜りました。この場をお借りして,執筆の多大な努力と労苦に厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。
また,編集にあたっては明治図書教育書編集部の安藤征宏,土井辰雄両氏に格別のお世話になりました。ここに謝意を表します。
平成17年1月 編者
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- 明治図書