- 序文 /有田 和正
- はじめに
- T 社会科で求めたい力
- 1 社会科への意識
- 2 社会科の危機
- 3 社会科における基礎基本
- U 社会科における発展教材とは?
- 1 最低基準
- 2 社会科の今までの指導
- 3 社会科における発展学習
- V 三・四年生での実践例
- 一 調べる力をつける発展教材
- ――「○○をつくることのできる候補地をさがそう」――
- 1 教材づくりのポイント
- (1)子どもたちの願いがこもった○○にすること/ (2)海の具体的なイメージを持たせること/ (3)グループごとで活動させること/ (4)地域の様々な情報を仕入れておくこと/ (5)本物にふれさせること
- 2 授業の流れ
- 3 実際の様子
- (1)みんなの住んでいる町につくりたいものを考えよう/ (2)どんな海にするか計画しよう/ (3)グループごとに候補地をあげよう/ (4)候補地を調査し、分かったことをまとめよう/ (5)調査した結果を発表し、候補地としてふさわしいかどうか話し合おう/ (6)これからの活動を考えよう
- 4 実践を終えて
- 二 社会的判断力を育てる発展学習
- ――町のごみをへらす――
- 1 社会科のねらいは公民的資質の育成
- 2 具体的実践例
- (1)考察/ (2)目標/ (3)指導計画(全十時間)
- 3 まとめ
- 三 どこにでもある地域教材を利用する
- ――「安全なくらしを守る」――
- 四 自主学習へ結びつける
- ――「私たちの県」――
- 1 学習の流れ
- 2 地方の県名覚えを自学する
- (1)基礎基本を徹底する/ (2)各地方をブロックで覚える/ (3)県名覚えを自学させ発展させる
- 五 他教科とリンクさせる
- ――「昔のくらし」「命とくらしをささえる水」――
- 1 合科的な発想で
- 2 国語科とリンクさせる
- 3 図工科とリンクさせる
- (1)学習の流れ/ (2)ポスター作り
- W 五年生での実践例
- 一 Q&Aカードで個人追究
- ――宅配便の授業――
- 1 本実践での学習の進め方
- 2 授業の実際
- (1)全体での意欲付け メダカは送れるか/ (2)知識を広げる/ (3)焦点化〜仮説づくり
- 3 まとめ
- 二 総合的な学習の時間とのリンク
- ――「米」の学習――
- 総合的な学習の時間への発展
- 1 総合的な時間と社会科をリンクさせる
- 2 ウェビング
- 3 学習活動
- (1)体験活動/ (2)調べ学習
- 4 評 価
- 5 まとめ
- 三 討論をキーにして、個別に発展学習を目指す
- ――「寒い地方、暖かい地方」「日本の米生産」の授業――
- 1 討論を通して発展学習を進める
- 2 具体的実践例
- 四 複数の情報を検討する力を育てる
- ――とびっきりおいしいカレーライスをつくろう――
- 1 情報を精選する
- 2 とびっきりおいしいカレーライスをつくろう
- X 六年生での実践例
- 一 地域に住む一人としての意識を育てる
- ――私たちの町をつくろう――
- 1 地方自治の学習では
- 2 私たちの大原町
- 二 国際理解への発展学習
- ――実体験から世界の国の文化にふれてみよう――
- 1 外国とのかかわりの学習
- 2 サッカーワールドカップに出場する国々について
- (1)主食調べから/ (2)言葉を通じてコミュニケーション/ (3)世界のじゃんけんをやってみよう
- 解説 /有田 和正
- おわりに
序文
二〇〇二年四月より、新しい学習指導要領が実施され、これまでにない「超薄い教科書」で学習することになり、学力低下が心配されている。折しも、二〇〇二年一〜二月に実施された学力テストの結果が公表され、「おおむね良好」と発表された(二〇〇二年一二月)。わたしは、「はてな?」と思った。
これは、事前に設定していた正答率を上回る教科が多かったからだという。しかし、目標設定値を低く設定すれば「良好」ということになるではないか。詳しくみると前回より結果がよかった問題は全体の四分の一にすぎず、逆に悪かったのはその倍近い。やはり、学力は低下しているとみた方が適当のようだ。
文部科学省は学力低下を予想したのか、二〇〇二年四月から実施された学習指導要領を、「教える内容の最低基準」であるとした。これまでずっと到達目標ないし標準としてきたことをあらためたのである。
学習指導要領が「最低基準」となったということは、これを具体化した教科書も当然最低基準ということになった。この最低基準をクリアした子どもには「発展学習」を行うことになり、学習指導要領を超える授業を認めたのである。これは画期的なことではあるが、学校現場に大きな混乱と不安を与えた。
二〇〇二年八月二二日、文部科学省は、教科書の範囲を超えた「発展学習」や、基礎をじっくり学ぶ「補充学習」の参考となる教師用指導事例集の小学校版を公表した(算数だけ)。これをみると新学習指導要領で削減された内容を軒並みに復活させている。
なお、次回の教科書検定では、発展的な内容の記載を容認するという。すべて学力低下への配慮である。
このような動きをみるにつけ、文部科学省の事例集に頼るより、自分たちで作った方がよいのではないかと考えた。
つまり、「教材・授業開発研究所」の事業の一つとして『新教科書を補う発展教材の開発 国語・社会・算数・理科』を、研究所の支部や研究サークルで出版したいと考え、各支部やサークルに呼びかけた。多くの支部やサークルが積極的に応じてくれた。
教科も希望をつのった。算数・理科の希望が多いだろうと予想していたところ、発展教材の開発が比較的むずかしいといわれる国語と社会を多くの支部・サークルが希望してくれ、驚いた。やはり、すごく意欲的な教師たちだと思った。
各支部・サークルは、地域性やサークルメンバーの特技・特色を生かした、実にユニークな教材を開発してくれ、とてもうれしく、力強く思った。
サークルメンバーは、よく考え、よく理解し、よく知恵を出し合い、新しいものを創り出してくれた。「これが発展教材だ」という決まったものがあるわけではない。だから、多様なものが出てくるのが当然であるし、その方が望ましい。
研究所の支部は北海道から沖縄まで全国にある。準備のできたところから順次出版していくことにしている。今回の出版物は、全国の教師に大きな刺激を与えるものと期待している。
今後は、基礎をじっくり学ぶ「補充教材」の開発も構想し、その準備をしているところである。
今回の一連の出版は、明治図書編集長の江部満氏のお力添えによるところが大きい。記してお礼を申し上げたい。本当にありがとうございました。
二〇〇三年一月二日 教材・授業開発研究所代表 /有田 和正
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明治図書
















