社会科教育全書7
社会科授業構成の理論と方法

社会科教育全書7社会科授業構成の理論と方法

ロングセラー

好評24刷

社会科学教育を行うという社会科の基本的立場に立ち、探究としての社会科授業構成論などの理論から手つづきまで具体的に詳述した問題提起の書。


紙版価格: 2,620円+税

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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-417601-1
ジャンル:
社会
刊行:
24刷
対象:
小・中・高
仕様:
A5判 224頁
状態:
在庫あり
出荷:
2018年12月17日
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目次

もくじの詳細表示

まえがき
T 社会科授業構成の現状と問題点
一 社会科授業の問題状況
1 今日一般的にみられる社会科の授業構成
2 今日一般的にみられる社会科授業構成の原理
3 社会科授業構成のもたらしているもの
二 社会科授業構成論の現状と課題
1 構造化論・構造論
2 社会科検証学習
3 範例方式
4 発見学習・探究学習
5 社会科授業構成論の課題
U 社会認識形成の論理と社会科授業構成
一 社会科授業構成の基盤
二 「事象・出来事の社会的意味の理解」と授業構成
1 「理解」の四段階と授業構成
2 閉ざされた常識的社会認識の形成
三 「実生活で直面する具体的問題の解決」と授業構成
1 子どもの生活過程としての授業の構成
2 子どもの問題の解決過程としての授業の構成
3 社会の客観的問題の解決過程としての授業の構成
4 開かれた常識的社会認識の形成
四 「現代社会の科学的認識」と授業構成
1 現代社会の科学的認識過程としての授業の構成
2 科学的概念・法則の習得過程としての授業の構成
3 閉ざされた科学的社会認識の形成
五 開かれた科学的社会認識形成の授業構成を
V 探求としての社会科授業構成の原理
一 社会科授業の目標原理
1 「望ましい態度形成」から「正しい理解」、「科学的認識」へ
2 「正しい理解」、「科学的認識」から「科学的説明」へ
3 社会科における態度目標
二 社会的事象・出来事の科学的説明
1 説明を求める三つの問い
2 推論による説明
3 分類による説明・記述による説明
4 社会科の目標としての科学的説明
三 科学的探求の構造
1 科学的知識の構造
2 科学的知識の成長
3 科学的探求の方法
4 科学的探求の構造と社会科授業
四 探求としての社会科授業
W 社会科授業構成の論理とその転換
――探求としての社会科授業構成の論理――
一 社会科授業分析の視点
二 今日一般的にみられる社会科授業構成の論理
1 「いかに」という問い・記述による説明にもとづく授業構成
2 事実的記述的知識にもとづく授業構成
3 「いかに」という問い・記述による説明、事実的記述的知識にもとづく授業構成の問題点
三 改造された社会科授業構成の論理
1 事実的記述的知識から概念的説明的知識への授業構成
2 「なぜ」という問いにもとづく授業構成
3 説明的スケッチとしての授業の構成
4 改造された社会科授業構成の方法
5 事実的記述的知識から概念的説明的知識への、「なぜ」という問いにもとづく授業構成・説明的スケッチとしての授業の構成の問題点
四 探求としての社会科授業構成の論理
X 探求としての社会科授業構成の方法
一 社会科授業内容の選択
1 主題、理論、事例
2 授業内容選択の規準
二 授業過程の組織化
1 理論の直観的・分析的・総合的学習
2 探求の論理と授業過程の組織
3 教授・学習活動の組織
三 「公害」の授業構成
1 「公害」の教授書の開発
2 公害の取り扱いおよび公害授業の問題点
3 「公害」の教授書試案
4 公害の教授書試案の小学校での取り扱い
四 「幕藩体制」の授業構成
1 理論の批判的学習
2 「幕藩体制」の教授書試案
Y 社会科授業構成研究の課題
あとがき

まえがき

 今日、この時間に、なぜこの内容をこういう方法で学習しなければならないのか。

 数年前、高校紛争のとき、生徒が教師につきつけた問いの一つがこれであった。また、小学校、中学校の教室で社会科の授業にのってこない子どもたちの表情は、教師にこう問いかけているのではなかろうか。子どもたちにこう問いつめられたとき、教師は自分自身納得できるように答えていくことができるであろうか。

 右の問いは、社会科授業の意義と授業構成の客観的根拠とを問うている。本書で取り組むのは、この問いに答えることのできる授業、子どもにとってより意義があり、客観的に根拠づけられた授業をどうすれば構成できるかという問題である。

 本書で提唱する「探求としての社会科の授業構成」は、いくつかの論点をもっている。その第一は、社会科の授業を願望や信念からみるのでなく、論理実証的にみてゆくべきであるというものである。こういう人間あるいは資質を形成すべきである、形成したい、形成されるはずだという観点から授業構成を考えるのではなく、まず、社会科の授業で何がなされているのか、何をなすことが出来るのかを冷静に分析し、社会科の授業で出来ることをよりよくなすにはどうしたらよいかを考えていくべきであるということである。

 第二は、社会科は、人間形成ということでもっと引き下がるべきであるということである。社会科の授業でなされていることは社会的事象・出来事を理解し説明することであり、すべきことは事象・出来事を科学的に説明できるようにさせることである。社会科が態度形成を目標にとりこみ、市民的資質の形成、あるいは歴史的主体の形成、確信形成、世界観形成等々をねらいとするとき、社会科は、一教科で出来ないことをしなければならなくなる。その結果、授業構成の客観的根拠が見失われるだけでなく、授業は子どもの認識を閉ざすか、あるいは閉ざすまいとして授業が出来なくなるかのいずれかになっていくことになる。

 第三は、客観的に根拠づけられる、子どもにとってより意義のある社会科授業を構成する原理は、「科学的知識を科学的探求の論理にもとづいて習得させる」というものである。教師が求めることのできる授業構成の客観的根拠は、科学以外にはない。科学的知識は、今日の段階で到達されている最もまちがいの少ない、最も説明力の大きな知識であり、科学的探求は、そうした知識を発見し創造し成長させていく方法であるからである。科学に根拠をおかない授業は、子どもに知的に挑戦し、事象や出来事の本質を「わからせる」ことができないであろう。

 本書は、社会科の一教科としての個有の領域を確定し、社会科を教科として確立していこうとする研究の過程で生まれたものである。一教科としての社会科は、社会科学教育を行なう教科でしかありえないというのが本書の基本的立場である。

 研究書というよりも問題提起の書となった本書には、論証の不備なところや、時には強引な独断をはさんでいるところがあるのではないかとおそれている。諸氏のご批判ご叱正を切に願うものである。

 このような拙い書物であるが、本書が生まれるには多くの方々のご指導ご援助があったことを述べ、深く感謝いたしたいと思う。恩師広島大学名誉教授内海巌、現広島修道大学教授上野実義両先生の支えなしには、本書どころか研究者としての私の歩みそのものがなかったであろう。謝意を表わすには余りにも粗末すぎるが、本書を両師に捧げたい。研究室の平田嘉三教授からは終始力強い励ましとご援助をいただくと共に、本書出版の仲介の労をとっていただいた。また、研究室の永井滋郎教授、伊東亮三助教授には常に暖かいご配慮をいただくと共に、ご批判ご助言をいただいた。深甚なる感謝の意を表したい。

 末筆になったが本書出版の機会を与えて下さり、内容構成でご示唆をいただいた明治図書の江部満編集部長に心からお礼を申し述べたい。


  昭和五十三年三月   /森分 孝治

著者紹介

森分 孝治(もりわけ たかはる)著書を検索»

昭和14年8月25日生

広島大学大学院教育学研究科修了

現在 広島大学教育学部教授

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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      明治図書
    • 社会科の授業を考えるための根本を教えてくれる本である。
      2018/3/750代・小学校管理職
    • 社会科学習の意味を分かりやすく提示しされていた。
      2016/6/940代・教委
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