- はじめに
- 1章 授業の再構築は「BE」から始まる
- クエスト1 授業を改善するために最初にすることは何ですか?
- 1 「BE→DO→HAVE」から考える授業観の変革
- 2 自分と学校の教育目標のつながりを再確認せよ
- 3 実践に潜む「BE」を読み解け!
- 2章 次期学習指導要領とデジタル活用の本質
- クエスト2 校内で端末を使わない人がいます。どうしたらいいですか?
- 1 数年後の未来を想像してみて
- 2 ICTの機能をフル活用する必要はない
- 3 次期学習指導要領への議論が開始している今……
- 4 こういう場面はこれまで通りアナログを使いたい
- 5 子どもたちがどのように学ぶかを常に中心に
- クエスト3 クラウドアプリの良さとは何ですか?
- 1 アダルトツールとチャイルドツールの整理
- 2 ピアノとヴァイオリンで例える
- 3 理想は「チャイルドツール × アダルトツール」のハイブリッド
- 4 重要な「クラウド」という存在
- クエスト4 どんな最新の機能がありますか?
- 1 Math Notesという存在の登場
- 2 生成AIの登場
- クエスト5 情報活用能力を知っていますか?
- 1 情報活用能力の体系表を知っている?
- 2 ICT機器を「ほぼ毎日」使う学校は?
- 3 デジタルを使うことで効率化
- 3章 深い学びを実現する授業デザイン
- クエスト6 どのような授業を目指したらいいですか?
- 1 残念な授業展開を考えてみる
- 2 この授業におけるデジタル活用場面
- 3 残念な授業展開@〜授業者の指示〜
- 4 残念な授業展開A〜発表会で終わる授業〜
- 5 残念な授業展開B〜考えの共有で終わる授業〜
- 6 残念な授業展開C〜考えの動画作成〜
- 7 残念な授業展開D〜子どもだけで進めていく授業〜
- 8 探究サイクルに当てはめて考えてみよう
- クエスト7 どのように整理・分析・まとめをしていきますか?
- 1 「学びを深める7つの視点」としての問い返し
- 2 「は・か・せ・どん」はどんなときでも使えるわけではない!
- 3 相互参照・他者参照
- 4 まとめを雑に扱うな
- 5 まとめは活用するもの
- 6 学習者が表現するまとめを目指す
- 7 これからの授業とは
- 8 探究サイクルとデジタルの使い方
- 9 タブレット端末の5つの教育と資質・能力
- 10 学習者がいつでもアクセス可能な環境
- 4章 学習者の自律性と授業の設計
- クエスト8 個別最適な学び,自己調整学習などキーワードが溢れています
- 1 これまでの授業は
- 2 任せるとは何か?支援と設計のバランス
- 3 価値づけより「意味づけ」をせよ
- クエスト9 深い学びとはどういうことですか?
- 1 深い学びとは
- 2 深い学びにつながっていないICT活用
- 3 概念的知識・方略とは
- 4 中核的な概念との関連@
- 5 中核的な概念との関連A
- 6 SAMRモデルで授業を進化させる
- 7 考え方とは?考えとは?
- 8 1年生の授業でもここまで変わる
- 9 何でもかんでもビジュアル化をすればいいというわけではない
- 5章 問いが拓く探究と学びの可能性
- クエスト10 問いについて再認識しておきたいこと
- 1 問いとは
- 2 子どもたちがつくり出した問いを大切にする授業づくり
- 3 子どもだけの問いでは深まらない? そんなときは……
- 6章 校内研究と教師の探究サイクル
- クエスト11 研究授業は本当に必要ではありませんか?
- 1 研究授業は必要
- 2 守口市立錦小学校の「チーム制」
- 3 事前授業は必要なのか
- 4 事前指導案検討会についても再考せよ
- 参考・引用文献
- おわりに
はじめに
本書を手にとっていただき,ありがとうございます。
GIGAスクール構想の加速,生成AIの登場,社会の急速な変化。そして,「主体的・対話的で深い学び」や「個別最適な学び・協働的な学び」など,数々のキーワードが教育界に次々と登場しています。こうした新しい動きに対し,戸惑いを感じる先生方も少なくないはずです。
「また新しい言葉が出てきたけど,結局,何をすればいいの?」
「これって,今までの授業とどう違うの?」
「正直,ICTや生成AIって,何のために使うの?」
私自身,小学校教師として,現在は大学教師として,年間50本以上の参観した授業への助言,100回以上の研究会や学習会の登壇を通して,同じような疑問や葛藤を抱えながら日々子どもたちと向き合ってきました。本書は,そうした現場のリアルな悩みと向き合いながら,次期学習指導要領をただの制度としてではなく,“授業の質を再構築するチャンス”として捉えるためのガイドブックです。
本書では,RPGの「クエスト」形式をとりながら,実際に私が授業を行い,参観し,悩み,探究してきた事例や視点を共有していきます。キーワードだけに振り回されないよう,そして子どもたち一人ひとりの学びの可能性を閉ざさないよう,「授業の本質」に立ち返りながら,読者と一緒に“次の時代の学び”を探究していく構成としました。
授業は,変えられます。今すでに行っていることに,少しだけ新しい視点を加えることで,驚くほど子どもたちの反応が変わります。そして,教師としての喜びも,再び深まります。
さあ,あなたの“教育クエスト”がここから始まります。
/樋口 万太郎
-
- 明治図書
- とても読みやすく、少しでも実践していきたいと思いました。2025/9/4小学校教諭