- はじめに
- Chapter1 自己調整学習を取り入れた英語授業づくり
- 01 英語科における自己調整学習とは?
- 02 自己調整学習を構成する3つの要素(動機づけ・メタ認知・学習方略)
- 03 動機づけ
- 04 メタ認知
- 05 学習方略
- Chapter2 自己調整できる生徒を育てる指導のポイント
- 01 何を自己調整するのか?@表現
- 02 何を自己調整するのか?A内容
- 03 1授業内での位置づけ
- 04 単元全体での位置づけ
- 05 中学校3年間での位置づけ
- Chapter3 自己調整学習のために生徒に教える学習方略
- 01 表現の方略@アウトプットをチェック可能にする
- 02 表現の方略Aアウトプットの正確性を高める
- 03 表現の方略B語彙・文法事項を確認・補強する
- 04 内容の方略@目的・場面・状況等に応じて内容を調整する
- 05 内容の方略A論理と構成を調整する
- Chapter4 自己調整学習を取り入れた英語授業アイデア
- 1年
- 01 英単語を発音できるようになろう(話すこと[発表])
- 02 単元の内容を復習しよう(話すこと[発表])
- 03 ALTに自己紹介して,仲良くなろう(話すこと[発表])
- 04 推し紹介をしよう(話すこと[発表])
- 05 オンライン掲示板に自己紹介を投稿しよう(書くこと)
- 2年
- 06 新入生に中学校の魅力を紹介しよう(話すこと[やり取り・発表])
- 07 ポスターや記事を読んで,コメントを書こう(書くこと)
- 08 ディスカッションしよう(話すこと[やり取り])
- 3年
- 09 ディベートしよう(話すこと[やり取り])
- 10 英語探究にチャレンジしよう(話すこと[やり取り・発表]・書くこと)
- 参考文献
- おわりに
はじめに
自己調整学習という言葉を,最近よく聞くようになったと思いませんか。
研修で取り上げられたり,書籍で目にしたり……。最近は次期学習指導要領のためのワーキンググループでも取り扱われています。
「大切なのは分かった。でも,英語の授業で実際に何をすればいいの?」
そう感じている先生は,きっと少なくないと思います。かつての私も,まさにそうでした。
私が本書のテーマである自己調整学習に注目するきっかけになったのは,現在勤務している熊本大学教育学部附属中学校の研究の柱が「学びを発揮する授業」になったことです。その理論的背景として着目したのが自己調整学習でした。調べれば調べるほど,自己調整学習に関する文献や研究は豊富にあります。でも,中学校英語の授業に特化して実践をまとめた書籍が,なかなか見当たらない。「そんな本があったらいいと思うんです」と,尊敬する上山晋平先生にご相談したのがきっかけで,本書が生まれました。
自己調整学習は,従来の授業をゼロからつくり直すような話ではありません。英語に関して教えるべきことは,これまでと変わりません。子どもたちと一緒に活動しながら英語を教え,コミュニケーションを楽しむ─その授業の根っこは,何も変えなくていい。ただ一つ加えるとすれば,学び方を教えるということです。「この活動はこういうときに役に立つ」「うまくいかなかったとき,こう工夫してみるといい」─そういった価値観を言語化していくことを授業に少しずつ織り交ぜていくことで,生徒の学び方は少しずつ変わっていきます。
そして,自己調整学習には,生徒だけでなく教師にとっての大きなメリットもあります。生徒が自分で動き始めると,先生には「見る時間」が生まれます。誰が手を止めているか,誰がつまずいているか,誰がもう一歩先に進めそうか。机間を歩きながら,一人ひとりの学びの様子をじっくり見取ることができる。そしてそのまま,英語が苦手な生徒に丁寧に関わることができます。
個別最適な学びという言葉が注目されていますが,その本質は,すべての子どもに目が届く授業をつくることではないでしょうか。自己調整学習は,生徒の自立を育てると同時に,教師が本当に必要な支援を届けられる授業をつくるための,力強い土台になります。
本書では,英語の授業における自己調整学習の実践を,4つの章に分けて整理しています。
Chapter1では,自己調整学習の基本的な考え方と,動機づけ・メタ認知・学習方略という3つの要素を整理します。Chapter2では,英語科において生徒が何を自己調整するのか─「表現」と「内容」の二軸から整理します。Chapter3では,その二軸に対する具体的な方略を紹介します。そしてChapter4では,中学1年から3年までの授業実践を収録しました。
「自己調整学習,始めてみたい」
そう思っているあなたの,最初の一歩に寄り添える一冊になれば嬉しいです。
2026年7月 /財部 裕一郎
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明治図書

















