- はじめに
- 1章 体育についてはじめに知っておきたいこと
- 体育は何を目指す教科なのか
- 苦手を強みに
- 体育の指導について自信をつけるために
- 体育は何を目指す教科なのか
- では,子どもにとっては何を学ぶ教科なのか
- 学習指導要領が目指すことと体育
- 主体的・対話的で深い学びと体育の授業づくり
- よい体育授業とは
- 子どもが意欲をもてる体育授業
- 「体育の授業をつくる」もう1つのもの
- 2章 7日間で完成! 体育指導の基礎基本
- 1日目 指導案をつくってみよう@
- 体育の指導案とは
- 何を指導したらよいのか
- 特性が大切
- 単元の目標を立てよう
- 2日目 指導案をつくってみようA
- 単元計画を考える
- 何を学ぶか,どのように学ぶか
- 教材の考え方
- 1時間を構成する
- 3日目 授業の進め方のポイントを知ろう@
- マネジメントをしっかりと
- 約束ははじめに確実に押さえる
- 運動時間を確保しよう
- 4日目 授業の進め方のポイントを知ろうA
- かかわり合いながら学習しよう
- 便利グッズを用意しよう
- チームづくりのコツを知ろう
- 5日目 授業の進め方のポイントを知ろうB
- 「できた」「わかった」と子どもが思えるために
- 「かかわり」の中で学べるように
- 運動の手本は教師が見せるべきか
- 6日目 授業中の教師の役割について考えよう
- 教師の4大行動とは
- インストラクション場面でのポイント
- 子どもが運動しているときに何をするか
- 子どもへの声かけで心がけること
- 7日目 評価の仕方を知ろう
- 何を評価するのか
- 評価は1時間に2つ以内
- 子どもの見取りのアイデア(学習カード)
- 授業の振り返りが大切
- おわりに
- 参考文献
はじめに
体育の指導は難しい?
体育(以降,運動領域のこととする)の指導は「わかりにくい」「難しい」という話をよく聞きます。そこには,他教科と異なるいくつかの理由があるかと思います。主なものとして次の3点が考えられます。
1つ目として,身近なところに,確実で,わかりやすい情報源がないことがあげられます。体育はいわゆる検定教科書がなく,それに準じた指導書もありませんから,指導内容や指導方法がわかりにくいことがあげられます。小学校の場合,他教科はすべて検定教科書や指導書がありますから,それに基づいて学習を展開していくことで学習指導要領の内容を網羅できます。しかし,体育の運動領域は,指導内容を自分で確認し,指導方法についても学ばなければ,自分が知っている方法やかつて自分が小学生のときに受けた授業展開で進めてしまうこともあると聞きます。
2つ目として,広い空間において,子どもたちがかかわりながら,そして動きながら学習する教科であることがあげられます。教室でみんなが座って授業を展開できるのであれば,移動の時間もかかりませんし,そこに伴うトラブルもありません。また準備もすぐにできます。体育では,移動・集合・準備・片づけといったマネジメントが合理的にできる必要があります。
3つ目として,子どもの「できる」「できない」が明確になってしまう点があげられます。これは子どもにとってはできないことを隠せないだけでなく,教師にとってはそれを解決するための知識と指導技術をもちあわせているか否かが明確になってしまうことでもあります。誰に,いつ,どのように言葉かけをしたらよいのか,迷いも多いことでしょう。
本書では,こうした課題に対し,具体的な授業づくりがイメージできるよう構成しています。また,大切なことは繰り返し説明しています。類似の内容がある場合は重要なポイントだと認識してください。
/白旗 和也
早く授業をしたくなりました!
QRコードを読み取ると学習カードがダウンロードできたり、映像が見られるなど授業で活用できる仕組みがほしいです。