合唱指導がもっとうまくなるTips大全

合唱指導がもっとうまくなるTips大全

BEST300

部活動から合唱コンクールまで、あらゆる場面で役立つ!

合唱指導の実践に関する悩みごとは、インターネットで調べてもなかなか解決できません。そこで本書は、合唱指導に関わるすべての先生が「理論と実践の往還」をできるように合唱指揮者・黒川和伸先生がQ&A形式で発声指導や合唱指導に関する182のコツを伝授します。


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PDF
ISBN:
978-4-18-388330-8
ジャンル:
音楽
刊行:
対象:
中・他
仕様:
A5判 200頁
状態:
在庫あり
出荷:
2024年11月11日

Contents

もくじの詳細表示

はじめに
本書の使い方
発声指導のTips
声門閉鎖と歌いだし練習
Q.1 歌いだし練習って何?
Q.2 アタック気味になってしまうのを回避するには?
Q.3 声門閉鎖をするのによい練習法は何?
Q.4 初心者に声門を閉じる感覚を伝えるには何が有効?
息もれ
Q.5 合唱初心者の息もれ声の改善についての指導のコツは?
Q.6 響きを増やすためには,どういうことに気をつければいい?
Q.7 シンガーズ・フォルマントを声に含ませやすくするには?
アッポッジョ
Q.8 アッポッジョって何?
Q.9 アッポッジョの利点と教え方のコツとは?
Q.10 「支え」ようとした際の「力み」を取るには?
Q.11 「ラ・ロッタ・ヴォカーレ」とは何?
Q.12 アッポッジョのやり方とは?
Q.13 腹式呼吸とアッポッジョにおける腹壁の役割の違いとは?
Q.14 喉で音程を取る癖をどう改善する?
Q.15 z子音で練習するとレガートがうまくなるってどういうこと?
Q.16 フレーズの終わりでブツっと切れないようにするコツは?
Q.17 速いテンポの曲において,支えがぶれないようにするには?
力み・アジリティ
Q.18 力んでいる絞めたような発声にならないためには?
Q.19 顎や肩が上がらないようにするためには?
Q.20 全体で合わせるときに,喉声にならないようにするには?
Q.21 高音を出す際に苦しくならない発声法とは?
Q.22 発声が浅く,喉声になっているソプラノにどうアドバイスする?
Q.23 アジリティとアジリタの違いは何?
呼吸法
Q.24 腹式呼吸でお腹が凹みすぎるのは,何が原因?
Q.25 腹式呼吸の効果的なトレーニングとは?
Q.26 息を吸って吐く際に最後まで息を保てないのはどうしたらいい?
Q.27 呼吸が浅くなったり,肩が上がったりを改善する練習方法はある?
Q.28 長いメロディを一続きで歌えるようにする練習方法はある?
Q.29 ファリネッリ式呼吸練習をうまく行うには?
Q.30 より息が続くようにするための効果的な訓練とは?
Q.31 「ハアーッ」という音が出るくらい深く息を吸えばいいって本当?
Q.32 歌になると長いフレーズが一息で歌いきれないのはどうしたらいい?
母音・子音・共鳴
Q.33 声の方向や響きが垂れ下がったようになってしまうのはどうして?
Q.34 どうすれば響きが高い声になる?
Q.35 声が「奥に行く」や「硬い」と言われる原因と対処法とは?
Q.36 こもってはっきりしない滑舌の悪い声を直すには?
Q.37 演奏中のあらゆる瞬間に「声を当てよう」としなければならないの?
Q.38 よい声質は生まれつき? 素質の問題?
Q.39 低音でえぐってしまうアルトやベースへどうアドバイスする?
Q.40 英語などだと音がこもってしまうのはどうしたらいい?
Q.41 リップロールとタングトリルの違いは?
Q.42 倍音が多く含まれている声というのは,合唱としてどうなの?
Q.43 i母音が奥に引っ込んで暗くこもるときの指導のコツとは?
Q.44 i母音で潰れてしまわないようにする指導のコツとは?
軟口蓋
Q.45 鼻にかかっているときの軟口蓋の状態とは?
Q.46 軟口蓋を上げるという感覚をつかむには?
Q.47 声が抜けきらずこもっている,鼻に行く際の改善法とは?
Q.48 声がぶら下がっているのはどう直せばいい?
Q.49 軟口蓋を「上げる」と「開ける」,どちらが発声に際してよい?
ハミング
Q.50 発声練習におけるハミングの有用性とは?
Q.51 n子音のときに鋭く鼻にかかった声になる原因と対処方法とは?
ヴィブラート
Q.52 ヴィブラートをかけるコツとは?
Q.53 「ちりめんヴィブラート」を改善するにはどうすればいい?
Q.54 ヴィブラートを使って合唱のサウンドを豊かにする方法とは?
Q.55 「邪魔だなと感じるヴィブラート」は,なぜ生まれる?
Q.56 「邪魔だなと感じるヴィブラート」は,ピッチが安定していない?
地声・裏声・声区融合
Q.57 裏声の低音域,および裏声と地声の連結のコツと練習方法とは?
Q.58 アルトで裏声と地声の境界がないように歌うにはどうしたらいい?
Q.59 アルトが地声を綺麗に出せないとき,どうしたらいい?
Q.60 地声のオススメの練習法とは?
音域
Q.61 自分のパッサッジョ域をどのように調べればいい?
Q.62 ベースのトレーニング方法とは?
Q.63 ベースが低い音を出すときのポイントとは?
Q.64 ベースで中音域と低音域を滑らかに歌えるようになるには?
Q.65 テノールの実声と裏声の使い分けはどのように考えたらいい?
音量
Q.66 声量がない人には,まず何を教えればいい?
Q.67 メッサ・ディ・ヴォーチェにはどんな効果がある?
コンディション管理
Q.68 日によってピッチが不安定にならないようにするには?
Q.69 いつでも芯のある,柔らかい綺麗な高音が出せるようにするには?
日々の発声練習
Q.70 日々の発声練習を行ううえでの原則とは?
Q.71 歌を歌う前のストレッチとは?
Q.72 日々の発声練習のメニューはどう作成する?
Q.73 「体系的な発声練習のデイリーメニュー」はどう進めたらいい?@
Q.74 「体系的な発声練習のデイリーメニュー」はどう進めたらいい?A
Q.75 「体系的な発声練習のデイリーメニュー」はどう進めたらいい?B
Q.76 「体系的な発声練習のデイリーメニュー」はどう進めたらいい?C
Q.77 「体系的な発声練習のデイリーメニュー」はどう進めたらいい?D
Q.78 「体系的な発声練習のデイリーメニュー」はどう進めたらいい?E
Q.79 「体系的な発声練習のデイリーメニュー」はどう進めたらいい?F
Q.80 「体系的な発声練習のデイリーメニュー」はどう進めたらいい?G
Q.81 「体系的な発声練習のデイリーメニュー」はどう進めたらいい?H
Q.82 「体系的な発声練習のデイリーメニュー」はどう進めたらいい?I
Q.83 「体系的な発声練習のデイリーメニュー」はどう進めたらいい?J
Q.84 「体系的な発声練習のデイリーメニュー」はどう進めたらいい?K
その他発声指導全般
Q.85 発声フォームや習熟度のチェックポイントとは?
Q.86 中学校の合唱部での筋トレはどのように行う?
Q.87 喉頭の高さは,低喉頭=話しをする高さでよい?
Q.88 ピアノに埋もれる演奏としっかり聞こえる演奏はどこに差がある?
Q.89 上達しやすい生徒に対し,上達しにくい生徒にはどうアプローチする?
Q.90 発声を習得する心構えとは?
Q.91 録音を聴くと声が違うことに気づいたけど,どうすればいい?
Q.92 自然な表情をつけるためにはどうしたらいい?
Q.93 運動部からの助っ人部員や,新入生に短時間で指導するには?
Q.94 はじめて合唱をする中学生に,まずどのようなことから教える?
Q.95 発声の基準,見極める基準とは?
Q.96 どのように発声を学べばよい?
合唱指導のTips
練習計画
Q.97 合唱団の練習計画を設定するコツとは?
Q.98 1回の練習で扱う分量はどのように決める?
Q.99 合唱指導の基本的な流れとは?
Q.100 初心者の新入生に,はじめはどのような指導をしたらいい?
Q.101 短い練習時間の中でよりうまくなるには,どの点に集中すればいい?
Q.102 本番のどのくらい前までにどの程度歌えるようになっていたらいい?
Q.103 合唱部員の育成のコツとは?
Q.104 本番に向けて曲を仕上げていく作業工程はある?
Q.105 合唱指揮者にとっての譜読みとはどのような作業を指す?
Q.106 暗譜のコツとは?
Q.107 各種オンライン会議ツールを使う場合のオススメの練習は何?
Q.108 パートミーティングがうまく機能するためのコツとは?
Q.109 本番後の反省会,振り返りをするときのコツとは?
音取り
Q.110 パート練習の時間が取れない場合の音取りをどうする?
Q.111 ピアノのガイドがなくても歌えるようにするには?
Q.112 音取りをスムーズに行うコツとは?
Q.113 なかなか自信をもって歌うことができない場合の解決方法とは?
Q.114 なかなか音を覚えることができない場合の打開策はある?
Q.115 効率的な音取り練習と非効率な音取り練習の差とは?
Q.116 初見への苦手意識を克服するための訓練方法はある?
Q.117 初見の力を鍛えるためにはどうすればいい?
ユニゾン
Q.118 ユニゾンを美しく歌える合唱団がうまいのはどうして?
Q.119 ユニゾンを美しく歌うコツとは?
Q.120 女性が男声パートを歌うときのコツとは?
Q.121 パート内で歌い方がまとまらず雑然としてしまうときはどうする?
Q.122 個性派揃いで揃わないベースパートに何を意識してもらえばいい?
Q.123 高音域が混ざらず飛び抜けて聞こえるテノールはどうすればいい?
Q.124 パート内で声質が合わないのはどうしたらいい?
Q.125 パート内の音色を揃えるにはどういうことに気をつければいい?
Q.126 声がまっすぐすぎて混ざりにくい声が直らない原因は何?
Q.127 声が明るすぎて目立つ生徒の発声指導をするときのコツとは?
Q.128 一人になると他パートと合わせられない人にどう指導したらいい?
Q.129 どうしてもパート内の音が揃わないときの秘策はある?
ピッチ
Q.130 「音程は合っているけど,何か低い」原因は?
Q.131 響きを上げることを意識すると上ずってしまうのをどう直す?
Q.132 伸ばしていると音が下がってきてしまうのは支えが足りないから?
Q.133 実声でいいピッチで歌うコツはある?
Q.134 どんどん音が上ずってしまう女声にどう指摘する?
Q.135 ピッチが悪い場合のパターンとは?
Q.136 どうしてもピッチが改善しない場合はどうすればいい?
Q.137 合唱練習において,ピッチについて指導を行うときのコツとは?
Q.138 それでもピッチが低いと指摘された場合,何をチェックする?
Q.139 音は取れているのに,ピッチがしっくりこないのをどう改善する?
Q.140 純正調のイントネーションは,ア・カペラ作品でのみ有効?
Q.141 「あらかじめ思い浮かべていたピッチ」を歌ったか検証できる?@
Q.142 「あらかじめ思い浮かべていたピッチ」を歌ったか検証できる?A
Q.143 発声技術とピッチの関係とは?
Q.144 ハモりづらい箇所のハモりを改善するコツとは?
指揮
Q.145 音楽科の教員ではない人が合唱を指揮する際のコツとは?
Q.146 指揮者がよい身振り手振りをしてもうまくいかない場合とは?
Q.147 指揮者の身振り手振りはどのくらい歌い手の発声に影響する?
Q.148 指揮者の身振り手振りはどのように歌い手の呼吸に影響する?
Q.149 指揮者の身振り手振りはどのように歌い手の声の共鳴に影響する?
Q.150 指揮者の身振り手振りはどのように歌い手の喉頭の機能に影響する?
Q.151 「息を指揮する」「フレーズを指揮する」でズレないようにするには?
Q.152 オーケストラや吹奏楽を指揮するときに使う技術をどう使う?@
Q.153 オーケストラや吹奏楽を指揮するときに使う技術をどう使う?A
Q.154 オーケストラや吹奏楽を指揮するときに使う技術をどう使う?B
Q.155 合唱の指揮をするうえで誤解や勘違いしやすいポイントとは?
パート分け・並び方
Q.156 パート内の並び順のつくり方のコツとは?
Q.157 女声の声種をどう判定してパート分けしたらいい?
Q.158 男声のパート分けについて,一般的に注意すべきポイントとは?
コンクール
Q.159 審査側の目線で,出演団体に共通して見られる課題はある?
Q.160 コンクールにおける選曲のコツとは?
Q.161 生徒の実情に合わせて曲を選ぶべき? チャレンジした方がいい?
Q.162 「もっとアンサンブルする」とは,具体的にはどういうこと?
Q.163 金賞を受賞するような合唱の響きはごく狭い範囲における理想では?
Q.164 「金賞を取りたい」という生徒にどう伝えたらいい?
Q.165 よい賞を受賞する団体とあと一歩届かない団体の差はどこにある?@
Q.166 よい賞を受賞する団体とあと一歩届かない団体の差はどこにある?A
Q.167 よい賞を受賞する団体とあと一歩届かない団体の差はどこにある?B
Q.168 どうしたらコンクールで金賞が取れる?
その他合唱指導全般
Q.169 音感を養うにはどうすればいい?
Q.170 楽譜通りに演奏できるのに何か物足りないとき,どうしたらいい?
Q.171 「聴くこと」を訓練するためにはどんなことを意識する必要がある?
Q.172 外国語作品はどういうふうに勉強していけばいい?
Q.173 合唱のサウンドで好ましい響きをつくり出すためのコツとは?
Q.174 団員がレベルアップするために日々意識づけておくべきこととは?
Q.175 ルネサンス期の合唱作品に取り組むときのコツとは?
Q.176 合唱編曲したポップスへの苦手意識,どう打開する?
Q.177 個々人の歌唱力を底上げするためにはどんな練習が必要?
Q.178 合唱練習でどのようなことに気をつければいい?
Q.179 外部講師の先生をお願いするときのポイントは?
Q.180 外部講師の先生をお招きするメリットとデメリットとは?
Q.181 合唱指導者にはどんな要素が必要?@
Q.182 合唱指導者にはどんな要素が必要?A
おわりに

はじめに

 「知識は,実践しなくては価値がない」(チェーホフ)


 私の好きな言葉です。


 本書は,突然合唱部の顧問をすることになった悩める若い先生方,そして,パートリーダーや学生指揮者など,部の指導的立場になった合唱部員のために書きました。


 今やインターネットであらゆる情報が入手できます。しかしながら,合唱指導の実践に関する悩みごとは,インターネットでもなかなか解決できないのも事実です。その理由の一つは,合唱指導が指導者と学習者とのかかわりの中に存在するからでしょう。そこでヒントとなるのは次の言葉です。


 「理論と実践の往還」


 本書を利用すれば,現在の指導経験にかかわらず合唱指導に必要な基本的な知識を得ることができます。私は専門性(合唱指導者にとっては指導力)を身につけることが,先生方の顧問としてのやりがいや,自信につながると信じています。

 また,反対にやりがいを感じられるようになると,指揮も指導技能の習得もさらに早まるでしょう。


 もちろん,本を読んだだけで優れた合唱指導者になった人はいません。本書に書いてあることを実践してみること,そして,それらを省察し,工夫を加えて再び実践することが最もよいレッスンになります。それによってあなたのオリジナルの合唱指導法が生まれるでしょう。


 顧問の先生であればご自身が合唱団に所属して実際に合唱活動を経験することや,時間があれば,合唱の演奏会に通い,素晴らしい合唱団のメソードをよく観察することもさらなる学びになります。


 さあ,一緒に合唱指導の勉強を始めましょう!


  2023年4月   /黒川 和伸

著者紹介

黒川 和伸(くろかわ かずのぶ)著書を検索»

合唱指揮者。1979年生まれ。千葉県出身。

市川市立南行徳中学校合唱部での田中安茂氏との邂逅により合唱を始める。

千葉大学教育学部音楽科,および東京藝術大学音楽学部声楽科卒業。東京藝術大学大学院修士課程(音楽教育専攻)修了。音楽教育を佐野靖,声楽を多田羅迪夫,福島明也,指揮法を高階正光,樋本英一,ヴォイストレーニングを永田孝志の各氏に師事。

VOCE ARMONICA指揮者として声楽アンサンブルコンテスト全国大会一般部門第1位金賞を受賞。全日本合唱コンクール全国大会において金賞・カワイ奨励賞を受賞。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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