- はじめに
- Chapter1 中1ギャップを撃退する! 中学校教師のための小学校外国語活動・外国語入門
- Part1 中学生が入学までに学習していることを押さえよう!
- 01 小学校で英語はどのくらい勉強してくるの?
- 02 “外国語活動”と“外国語”の違いって何?
- 03 アルファベットの「名称」と「音」って?
- 04 「読み・書き」で児童が学んでくることは何?
- 05 小学校でどんな表現を学んでくるの?
- Part2 小学生は,コミュニケーションを学んでくる!
- 01 小学生は,コミュニケーションの何を学んでくるの?
- 02 意味ある言語活動って何?
- 03 児童を本気にさせるためには?
- 04 目的や場面,状況をどう創る?
- 05 Small Talkって何?
- Part3 中学1年の4月に小学校英語の確認と目標設定をしよう!
- 01 どんな単語に慣れ親しんでいるのか調査しよう!
- 02 英語ゲームで中学英語の“楽しさ”を体験させよう!
- 03 アルファベット文字の“定着度”を確認しよう!
- 04 Small Talkを実践してみよう!
- 05 小学校英語の英語ゲームで遊んでみよう!
- Column 授業づくりで大切にしている5つのこと(瀧沢広人編)
- Chapter2 成功する英語授業! 新教科書を200%活用する指導技術
- Part1 英語授業の基本指導スキルを押さえよう!
- 01 単語増量!受容語彙と発信語彙の指導法
- 02 コミュニケーションを目指した本文理解の授業
- 03 技能統合型の授業を目指そう!
- 04 音読からリテリングへ
- 05 1時間の授業をこう組み立てる
- Part2 発音と文字をつなげる語彙指導をマスターしよう!
- 01 文字と音をつなげるフォニックス(Phonics)の基礎
- 02 フォニックスで読む,聞く,書く練習
- 03 学校で教えた方がいいフォニックスの知識
- 04 語彙習得のために生徒にさせたいこと
- Part3 スピーキングの即興力と正確さを高めよう!
- 01 英語を即興で話す力の高め方(accuracy正確性 / fluency即興性)
- 02 1 minute of speaking 3年間の流れ
- 03 モデルを聞いて,自分で話して,もう一度話して,書いてみる
- 04 和英サイトラ(Sight Translation)の実施方法
- 05 和英サイトラの分析
- Column 授業づくりで大切にしている5つのこと(大塚謙二編)
- Chapter3 発信力を身につける! 4技能統合型の言語活動アイデア
- Part1 即興的に話す力をつける指導はこうしよう!
- 01 即興的なスピーキング力を育てる4つのポイント
- 02 日常的な即興スピーキングで多量のアウトプットを!
- 03 即興的なやり取りの日常化を!
- 04 リアクションでツッコミ名人に
- 05 自分を客観視させるふり返り
- Part2 協同学習で「主体的・対話的で深い学び」を実現しよう!
- 01 目指すべき協同学習
- 02 協同学習の5つの鉄則
- 03 仲間と目指す学び
- 04 探究的な学びを促すジャンプの課題
- 05 協同的な学びを育む授業デザイン
- Part3 技能統合型言語活動を攻略しよう!
- 01 「聞く」から「話す」へつなげる言語活動アイデア
- 02 「話す」から「書く」へつなげる言語活動アイデア
- 03 「読む」から「話す」へつなげる言語活動アイデア
- 04 「聞く」から「書く」へつなげる言語活動アイデア
- 05 「書く」から「読む」へつなげる言語活動アイデア
- Column 授業づくりで大切にしている5つのこと(胡子美由紀編)
- Chapter4 世界一わかりやすい! 新しい指導内容の面白指導アイデア
- Part1 「思考力・判断力・表現力等」を育成する学習活動に取り組もう!
- 01 劇をつくるプロジェクトに参加しよう!
- 02 ポスターをつくろう!
- 03 英語弁論大会に参加しよう!
- Part2 ユーモアのある文法指導&学習で生徒を引きつけよう!
- 01 「映画」を活用した学習活動:There is / are〜.の導入を例に
- 02 「帯活動」で繰り返しのある学習活動:Guess who!
- 03 「帯活動」で繰り返しのある学習活動:こうかん絵日記
- 04 「スゴロク」を活用した学習活動
- 05 「クイズ」を活用した学習活動:Who am I に挑戦!
- Part3 定年を目の前にして,先生方に伝えたい20のこと(辛口)
- 01 What do you think? What do you do?
- Column 授業づくりで大切にしている5つのこと(畑中 豊編)
- おわりに
はじめに
とある英語研修会での瀧沢広人先生
右手にペットボトル,左手に紙コップを持って,“There is some water in this bottle. OK?”ペットボトルの水を紙コップに移して,“Is there any water in the cup?” 指名された生徒(役の先生)が,“Yes.” すかさず,“Yes, there is.” とフォロー。ニコッと笑い,紙コップを逆さまにし,“There is no water in the cup!” 「えっ?何で?何で?」と場内騒然。タネは明かせませんが(笑),瀧沢ワールドにどっぷり浸かり,わくわくドキドキしたことを昨日のように覚えています。リズムある動き,適度な繰り返し,度肝を抜く演出。10年以上も前にピコ太郎をやっていたのです。
別の英語研修会での大塚謙二先生
フラッシュカードで単語の練習。だが,しかし,スピードが半端ないのです。しかもやり方が尋常ではありません。例えばfabulousという単語であれば,大塚先生が“What's the meaning?”と言わない限り,生徒たちは“fabulous”と繰り返さなければならないのです。
“fabulous → fabulous,すばらしい → fabulous,wonderful → fabulous,great → fabulous,What's the meaning?→ fabulous!”「わー!やっちゃった!引っかかった」と大騒ぎする生徒(役の先生方)に対し,クールに“From the top!” 吹き出してしまいました。「かっこいい!」
さらに別の英語研修会での胡子美由紀先生
スクリーンには普段の授業の様子が流れています。先生が教室に来る前から,生徒は自分でチャンツやら,スピーチやら音読やら,自主的にわいわい活動しています。「なんじゃこりゃー!」と素直に感動しました。マネジメントが半端ないのです。しかも生徒は楽しそう!先生が入室しても生徒は自然体で活動を続けます。一人ひとりの生徒と日常会話をしながら,授業が始まります。帯活動のスピーチが始まります。いやー,しゃべる,しゃべる!マネジメントにはこだわりがある私も,生徒との約束事はきちんとできていると,それなりの自信がありましたが,何しろレベルがラベルぐらい違うので,これは一からやり直さないといけないと素直に反省しました。
3名の先生方とは,今でも交流が続いています。自分の地区の研究会に講師として招聘し合ったり,よりよい授業の在り方について相談し合ったりしています。授業のこと以外でも,色々アドバイスをいただける,かけがえのない存在です。遠く離れていても,志を同じくする友がいることが,どれほど頼もしいか言葉では表せないほどです。本書ではこの3人と私の4人で「究極の英語授業づくり」についてのアイデアをご紹介しました。どの章も担当する先生方の個性とアイデアが豊富なこだわりの授業づくり術が満載です。ぜひ,お楽しみください。
2020年10月 /畑中 豊
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