板書&指導案でよくわかる! 中学校1年の道徳授業 35時間のすべて

板書&指導案でよくわかる! 中学校1年の道徳授業 35時間のすべて

インタビュー掲載中

「考え、議論する道徳」を1年間フルサポート!

「特別の教科 道徳」が全面実施となり、教科書での授業が始まる中学校道徳の授業をフルサポートする1冊です。各社の新教科書に掲載されている教材を用いた授業事例を指導案&板書とともに35本収録。1〜3学期で使える通知表記入文例付でお届けします。


紙版価格: 2,600円+税

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電子版予価: 2,340円+税

9/25刊行予定

ISBN:
978-4-18-381111-0
ジャンル:
道徳
刊行:
対象:
中学校
仕様:
B5判 176頁
状態:
在庫あり
出荷:
2019年7月23日
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Contents

もくじの詳細表示

はじめに
本書の使い方
1章 道徳科 授業づくりのポイント
道徳科の授業づくりの基本
道徳科における学びの方法知を意識させる授業づくり
多様な指導方法による授業づくり
道徳科における生徒の学習状況等に関する評価のポイント
道徳科における学習指導案と板書のポイント
2章 中学1年 35時間のすべて
裏庭でのできごと
(1)自主,自律,自由と責任
父のひとこと
(1)自主,自律,自由と責任
自然教室での出来事
(2)節度,節制
釣りざおの思い出
(2)節度,節制
イチローの軌跡
(3)向上心,個性の伸長
「終わりなき 挑戦」−成田真由美−
(4)希望と勇気,克己と強い意志
全てがリオでかみ合った
(4)希望と勇気,克己と強い意志
「どうせ無理」という言葉に負けない
(5)真理の探究,創造
バスと赤ちゃん
(6)思いやり,感謝
地下鉄で
(6)思いやり,感謝
その人が本当に望んでいること
(6)思いやり,感謝
「愛情貯金」をはじめませんか
(7)礼儀
吾一と京造
(8)友情,信頼
部活の帰り
(8)友情,信頼
(8)友情,信頼
言葉の向こうに
(9)相互理解,寛容
傘の下
(10)遵法精神,公徳心
仏の銀蔵
(10)遵法精神,公徳心
魚の涙
(11)公正,公平,社会正義
席替え
(11)公正,公平,社会正義
ヨシト
(11)公正,公平,社会正義
町内会デビュー
(12)社会参画,公共の精神
新しいプライド
(13)勤労
家族と支え合うなかで
(14)家族愛,家庭生活の充実
一粒の種
(15)よりよい学校生活,集団生活の充実
ぼくのふるさと
(16)郷土の伝統と文化の尊重,郷土を愛する態度
奈良筆に生きる
(17)我が国の伝統と文化の尊重,国を愛する態度
真の国際人 嘉納治五郎
(18)国際理解,国際貢献
あなたはすごい力で生まれてきた
(19)生命の尊さ
いのちって何だろう
(19)生命の尊さ
捨てられた悲しみ
(19)生命の尊さ
桜に集う人の思い
(20)自然愛護
オーロラ−光のカーテン−
(21)感動,畏敬の念
銀色のシャープペンシル
(22)よりよく生きる喜び
いつわりのバイオリン
(22)よりよく生きる喜び
3章 中学1年 通知表の記入文例集
1学期の記入文例 Aの視点に関わる文例
1学期の記入文例 Bの視点に関わる文例
1学期の記入文例 Cの視点に関わる文例
1学期の記入文例 Dの視点に関わる文例
2学期の記入文例 Aの視点に関わる文例
2学期の記入文例 Bの視点に関わる文例
2学期の記入文例 Cの視点に関わる文例
2学期の記入文例 Dの視点に関わる文例
3学期の記入文例 Aの視点に関わる文例
3学期の記入文例 Bの視点に関わる文例
3学期の記入文例 Cの視点に関わる文例
3学期の記入文例 Dの視点に関わる文例

はじめに

 いよいよ,中学校においても教科書を使用した「特別の教科 道徳」(以下,道徳科)の全面実施による取り組みが展開されます。今後求められている道徳科の授業や評価に対して不安やとまどい・悩みを抱えておられる学校や先生方もおられるのではないでしょうか。本書では,そうした学校や先生方の一助になればと考え,年間35時間の道徳科の授業で使用される教科書の教材をもとに,具体的な学習指導と評価の考え方を学習指導過程・板書及び評価記述の文例と共に掲載させていただきました。多くの方々にご活用いただけることを願っています。

 さてここでは,道徳科において求められている「考え,議論する道徳」について,あらためてその趣旨を確認させていただきたいと思います。これまでも,「考える道徳」の授業に取り組まれてきた先生方は多いと思います。逆に「考えない道徳」の授業をイメージすることの方が難しいはずです。また,通常の道徳授業では,生徒による意見等の交流が行われることも一般的なことではないでしょうか。道徳科において,ことさらに「考え,議論する道徳」の授業が求められている理由は,いったいどこにあるのでしょうか。道徳科の授業づくりや評価の在り方を考えるうえでも,非常に重要な部分ですので確認しておきましょう。

 「幼稚園,小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申)」(平成28年12月21日)では,「考え,議論する道徳」について,次のように説明しています。


 多様な価値観の,時には対立がある場合を含めて,誠実にそれらの価値に向き合い,道徳としての問題を考え続ける姿勢こそ道徳教育で養うべき基本的資質であるという認識に立ち,発達の段階に応じ,答えが一つではない道徳的な課題を一人一人の児童生徒が自分自身の問題と捉え,向き合う


という「考え,議論する道徳」へと転換を図らなければならないとしています。特に「単なる生活経験の話合いや読み物の登場人物の心情の読み取りのみに偏った形式的な指導」からの転換を求めています。これまでの授業において,はたして生徒が,ここでいうところの「自分自身の問題と捉え,向き合う」ことのできるような,いわば「自分事として」考えを深めることのできる授業になっていたかどうかについては,必ずしも十分なものとはいえないのではないでしょうか。また,話し合いの中で「議論する道徳」にまったく取り組んでこなかったということもないでしょうが,それとて,お互いの考えた内容が単に告げられる程度であって,「多様な価値観の,時には対立がある」ような場面設定での意見のからみ合いといったものなどはない,ある意味一面的で深みのない授業で終わってしまっていることはなかったでしょうか。

 授業の中で「議論になる」ということは,前提としてその場に,生徒個々にとって自分とは異なる感じ方・考え方や価値観が存在しているということです。そこでは,必然的に他の人はなぜそのように考えるのだろうという疑問をもつこととなります。すなわち,生徒一人ひとりに,「疑問」という「問い」が立つということです。授業における発問は,基本的には指導者から発せられるものですが,ここには自らの「疑問」という主体的な「問い」が,一人ひとりの生徒自身に立っているということです。そして,その「疑問」を解決しようと,自ら対話を求めようとしているということです。まさに,ここには今日求められている「主体的・対話的で深い学び」へとつながる可能性が見出されるのです。こうした「考え,議論する道徳」が提起している授業の具体像を正しく捉え,これまでの授業と比較検討することから,よりよい授業づくりへの取り組みを進めることが大切です。

 学習指導要領の「第3 指導計画の作成と内容の取扱い」には,


 生徒が多様な感じ方や考え方に接する中で,考えを深め,判断し,表現する力などを育むことができるよう,自分の考えを基に討論したり書いたりするなどの言語活動を充実すること。その際,様々な価値観について多面的・多角的な視点から振り返って考える機会を設けるとともに,生徒が多様な見方や考え方に接しながら,更に新しい見方や考え方を生み出していくことができるよう留意すること(下線:筆者)


と示されています。以上の下線を付した部分は,まさに「考え,議論する道徳」と関連の深い内容です。こうして見てくると,「考え,議論する道徳」は「道徳科」の基本的な学習活動の1つの姿を示しているといえるでしょう。「考え,議論する道徳」は,あくまでも道徳科の特質を正しく踏まえる限りにおいて,今日求められている「主体的・対話的で深い学び」へと道徳科の授業を導くための,1つの方途となるものでもあるのです。

 ただし,「議論する」ということを意識するあまり,まず「道徳的諸価値についての理解を基に,自己を見つめ」自問・内省し考えるといった学習活動がおろそかになってはいけません。「議論」の前に,しっかりとした道徳科における「一人学び」・「個人ワーク」が為されてこその「議論」によって,その学びはより深いものへと導かれるのです。また,道徳性の諸様相としては道徳的判断力・心情・実践意欲と態度が考えられており,「考え,議論する道徳」に加えて「豊かに感じ取れる道徳」「実践意欲の高まる道徳」を意識した授業づくりも,これまでと同様に大切にされなければなりません。すなわち,年間35時間の授業をすべて「議論する」ものにしなくてはならないということではないことに留意して取り組みたいものです。

 最後になりましたが,本書の執筆にご尽力いただきました先生方に対し,心より御礼申し上げます。本書が,多くの皆様方にご活用いただき,我が国の道徳教育充実に少しでも寄与するものとなることを心より願うところです。


  平成31年3月   /柴原 弘志

著者紹介

柴原 弘志(しばはら ひろし)著書を検索»

昭和30年,福岡県生まれ。京都大学教育学部卒業。

京都市立中学校教員を経て,京都市教育委員会学校指導課指導主事(主として道徳・特別活動領域担当)。

平成13年から文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官。その後,京都市立下京中学校校長,京都市教育委員会指導部長等を経て,現在,京都産業大学教授。

平成26年中央教育審議会道徳教育専門部会主査代理。

平成27年道徳教育に係る評価等の在り方に関する専門家会議副座長。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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