中学校社会サポートBOOKS
パフォーマンス課題を位置づけた中学校歴史の授業プラン&ワークシート

中学校社会サポートBOOKSパフォーマンス課題を位置づけた中学校歴史の授業プラン&ワークシート

新刊

BEST300

いつでも使える実践的なパフォーマンス評価の事例が満載!

新3観点を総括的、一体的に見取る「パフォーマンス評価」を現場目線で捉え、歴史的分野全単元の授業プランをまとめた一冊。生徒の学習意欲を高める様々な設定を生かしたパフォーマンス課題&ルーブリックの具体例と、コピーして使えるワークシートを収録しました。


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ISBN:
978-4-18-350716-7
ジャンル:
社会
刊行:
対象:
中学校
仕様:
B5判 144頁
状態:
在庫あり
出荷:
2021年4月13日
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CONTENTS

もくじの詳細表示

はじめに
本書の使い方
1 A 歴史との対話 (1) 私たちと歴史
これからの歴史学習に役立つ時代の扉絵を作成しよう
2 A 歴史との対話 (2) 身近な地域の歴史
身近な地域の歴史的なよさを紹介する3分CMをつくろう
3 B 近世までの日本とアジア (1) 古代までの日本
古代国家の王となって,日本の中に古代国家を成立させよう
4 B 近世までの日本とアジア (1) 古代までの日本
古代国家の王となって,古墳をつくる理由を説明しよう
5 B 近世までの日本とアジア (1) 古代までの日本
古代日本の主役は誰?
6 B 近世までの日本とアジア (1) 古代までの日本
古代日本文化のキーワードはこれ!
7 B 近世までの日本とアジア (2) 中世の日本
なぜ日本は強大な元軍を撃退できたのだろうか?
8 B 近世までの日本とアジア (2) 中世の日本
混乱の室町時代,武士は勢力を強めたか?
9 B 近世までの日本とアジア (2) 中世の日本
なぜ中世に庶民は力を伸ばしたか?
10 B 近世までの日本とアジア (3) 近世の日本
信長・秀吉,彼らは社会をどう変えたのか?
11 B 近世までの日本とアジア (3) 近世の日本
江戸幕府が平和をもたらした理由とは?
12 B 近世までの日本とアジア (3) 近世の日本
主役は町人? 武士じゃないの?
13 B 近世までの日本とアジア (3) 近世の日本
江戸時代の通知表! 誰が一番?
14 C 近現代の日本と世界 (1) 近代の日本と世界
西洋変身! なぜ西洋は強いのか?
15 C 近現代の日本と世界 (1) 近代の日本と世界
明治政府の人々は何を目指して急速な変革を行ったのか?
16 C 近現代の日本と世界 (1) 近代の日本と世界
世界に認められた!? 日本の何が評価された?
17 C 近現代の日本と世界 (1) 近代の日本と世界
明治日本は幸せな国?
18 C 近現代の日本と世界 (1) 近代の日本と世界
なぜ大正にデモクラシーだったのか?
19 C 近現代の日本と世界 (1) 近代の日本と世界
なぜ戦争は起きるのか?
20 C 近現代の日本と世界 (2) 現代の日本と世界
戦後の日本をテーマにした歴史トーク番組に参加しよう
21 C 近現代の日本と世界 (2) 現代の日本と世界
歴史フォーラムに参加して,日本や世界の在り方を議論しよう

はじめに

 いよいよ中学校でも,新学習指導要領の完全実施である。移行期間中は,多くの先生方が新学習指導要領を念頭に置いた単元指導計画や授業の開発を行ってきたかと思う。

 ご承知の通り,新学習指導要領では,育成すべき資質・能力を「三つの柱」で示している。このことは,「知識・技能の習得」「思考力・判断力・表現力等の育成」そして「学びに向かう力・人間性等の涵養」をこれからの時代に必要となる資質・能力として,その育成を目指していることを意味する。この資質・能力を育成するために,日々の授業を「何を学ぶか」といった内容面と,「どのように学ぶか」といった方法面の両方から工夫・改善していくことが明確に示されたのである。

 日々の授業開発では,この「大きな三角形」を意識しつつ,知識の伝達に偏ることはもちろんのこと,アクティブ・ラーニングの言葉が独り歩きした授業展開にならぬよう,そして,「学びに向かう力・人間性等の涵養」も忘れない,時代の変化を意識した単元指導計画の立案,そしてそれに基づく授業の展開が求められる。


平成20年版学習指導要領・改訂の経緯:21世紀は,新しい知識・情報・技術が政治・経済・文化をはじめ社会のあらゆる領域での活動の基盤として飛躍的に重要性を増す,いわゆる「知識基盤社会」の時代であると言われている。このような知識基盤社会化やグローバル化は,アイディアなど知識そのものや人材をめぐる国際競争を加速させる一方で,異なる文化や文明との共存や国際協力の必要性を増大させている。

 ↓

前提となる社会状況が大きく変化し,学習指導要領も背景が大きく変容

 ↓

平成29年版学習指導要領・改訂の経緯:今の子供たちやこれから誕生する子供たちが,成人して社会で活躍する頃には,我が国は厳しい挑戦の時代を迎えていると予想される。生産年齢人口の減少,グローバル化の進展や絶え間ない技術革新等により,社会構造や雇用環境は大きく,また急速に変化しており,予測が困難な時代となっている。また,急激な少子高齢化が進む中で成熟社会を迎えた我が国にあっては,一人一人が持続可能な社会の担い手として,その多様性を原動力とし,質的な豊かさを伴った個人と社会の成長につながる新たな価値を生み出していくことが期待される。

  大きな社会の変化に対応して改訂された新学習指導要領


 このように新学習指導要領では,劇的に変化する予測不可能な社会情勢の中で,たくましく生きていくための資質・能力としての三つの柱や,主体的・対話的で深い学びを実現する授業改善が求められている。これからはこのことを意識した単元構成を考える必要があるだろう。1つの単元は,社会や学習に対する関心や意欲を土台として,必要な知識や技能を習得し,それを活用しながら社会的な課題解決を思考・判断し表現する中で,よりよい社会を築こうとする態度を養っていくという流れが考えられる。こうした学習を一体的に評価することは,もはやペーパーテストでは不可能である。学習指導が変われば学習評価も変わるということで,今,新しい学習に適した新しい学習評価の研究が始まっているのである。

 これからの学習は,知識や技能の習得のみならず,これを活用して思考・判断・表現し,よりよい社会や世界の実現に向けての主体的な態度を育成していくのであるから,特定の部分だけを見取って評価する方法ではなく,単元構成全体を反映した総括的な評価方法が必要になる。平成28年12月に出された中央審議会答申では,「資質・能力のバランスのとれた学習評価を行っていくためには,指導と評価の一体化を図る中で,論述やレポートの作成,発表,グループでの話合い,作品の制作等といった多様な活動に取り組ませるパフォーマンス評価などを取り入れ,ペーパーテストの結果にとどまらない,多面的・多角的な評価を行っていくことが必要である」としており,評価方法の転換とパフォーマンス評価の有効性を示している。

 ここで,改めてパフォーマンス評価とは何か,ということについて確認しておきたい。パフォーマンス評価については,京都大学大学院の西岡加名恵先生を始め,尊敬すべき先生方の素晴らしい研究が進められているが,ここでは,それらの研究の成果に生徒を直接指導する現場教師としての私の経験からの解釈を交えながら論じていきたい。

 パフォーマンス評価は,パフォーマンス課題とルーブリック(評価の指標)を生徒に示して課題に取り組ませ,示したルーブリックに基づき評価する評価方法の総称である。それぞれの言葉の解釈は,以下の通りである。


「パフォーマンス評価」

 観察・対話・実技テスト・自由記述による筆記テストなどを手がかりとして,知識や技能の活用を含めた思考力・判断力・表現力及び態度などを総括的に評価する評価方法。

「パフォーマンス課題」

 パフォーマンス評価を実施する際に提示する,具体的な事例を設定して構成された学習課題。習得した知識や技能を総合して活用する要素を含む。

「ルーブリック」

 パフォーマンス課題に含めた知識や技能の活用を見極めるための要素を含む記述から構成されている評価の指標。(先行研究をもとに,筆者が解釈)


 ここで注意してほしい点は,パフォーマンスという言葉である。パフォーマンスという言葉からは,生徒の活動を連想してしまいがちだが,この言葉に込められた意味は,それだけでなない。パフォーマンスとは,知識や技能の活用を含めた思考力・判断力・表現力や態度を総括的,一体的に発揮した生徒の活動を意味すると,筆者は解釈している。

 つまり,パフォーマンス評価とは,体育や音楽などの実技教科で行われているような実技テストとは異なる,学習活動の総括的な評価ということである。例えば,音楽における歌唱の実技テストは,生徒の歌唱の技能や歌唱による表現力を見取るテストであり,音楽の授業における総括的な評価ではない。しかし,ここでいうパフォーマンス評価は,その単元やこれまでの学習の成果を生かし,知識や技能の活用を含めた思考力・判断力・表現力や態度を総括的,一体的に評価する評価方法なのである。新学習指導要領が完全実施となった今こそ現場での評価方法を大きく見直し,パフォーマンス評価を導入していくときである。


歴史的分野のパフォーマンス課題

 歴史的分野は総時数135時間を,歴史との対話2,古代までの日本4,中世の日本3,近世の日本4,近代の日本と世界6,現代の日本と世界2の計21単元で構成した。パフォーマンス課題の設定に関しては,各単元で様々な工夫を凝らしている。以下にその一部を紹介する。

 歴史学習の導入となる単元1及び2では,「教科書の扉絵を描く」「3分CMをつくる」など,文章ではない形で歴史を表現させる課題とした。これらの課題によって歴史学習に対しての興味・関心を高め,これから始まる通史の授業への導入とする。また,通史最初の単元では,歴史好きの中学生を主人公として,実際の授業風景を連想させるような場面設定とした。課題の主人公に生徒自身が自分を重ね合わせ,実感を伴った学習が進められるよう配慮した。

 通史のパフォーマンス課題は,「なぜ日本は強大な元軍を撃退できたのだろうか?」「混乱の室町時代,武士は勢力を強めたか?」など「なぜ?」を含めた課題設定となっている。このパフォーマンス課題を軸として単元の学習を進めていくと,単なる歴史的事項を覚えるだけでなく,歴史的事象の背景や影響を探る授業となっていく。また,ワークシートでは,「フィッシュボーン」「ピラミッドストラクチャー」などの思考ツールを活用して事象を分析しながら思考を進めていく流れをつくっている。生徒の思考が自然と深化,発展していくよう活用いただきたい。そして最後の単元では,歴史好きの中学生が大学で歴史を学び大きく成長していくストーリーの上にパフォーマンス課題を設定した。この課題に挑戦する生徒の皆さんの成長を,主人公の成長と重ね合わせながら学習を進めてほしい。パフォーマンス課題も,3年間にわたる歴史学習のすべてを投入して考えさせる課題となっている。

 歴史的分野の学習では,歴史的な見方・考え方を働かせながら,各時代における特色や課題を追究していく流れをつくれるよう,様々なパフォーマンス課題を設定した。これらのパフォーマンス課題に取り組みながら,各時代の本質的な特色や課題,そして,時代の変化を整理・考察していく学習が進められることを望んでいる。


本書をお手にされた先生方へ

 前書『パフォーマンス課題を位置づけた中学校社会の単元&授業モデル』の発刊から2年,多くの先生方にご拝読いただき,また多数のご反響,ご要望も寄せていただきましたことに,厚く御礼を申し上げます。パフォーマンス評価については,各種の学会や研究会でもさらに議論が深まっております。それだけ先生方の関心が高いものなのだろうと考えます。それゆえにパフォーマンス評価について,「パフォーマンス評価とはどのようなものなのか」「パフォーマンス評価を普段の授業の中でどのように実施したらよいか」といった声も多く聞かれます。本書は今,話題となっているパフォーマンス評価を現場目線で捉え,学校現場の状況に即した授業プランを提示したものであります。本書の特色の一つとして,今回は三分冊にして地理,歴史,公民3分野の全単元を網羅いたしました。本書をお手に取った先生方の,思うがままの単元からご覧いただきたいと思います。今,先生方が実践されている単元のパフォーマンス課題を生かして,本書を実践的活用本としてお使いいただけたならば幸いです。

 また,ワークシートについても,各単元2ページを当てて示しました。このワークシートは,単に設定されたパフォーマンス課題に回答させるだけではなく,課題を考察するために必要な知識を整理・分析し,そこから課題の解決に迫れるような流れを意識して作成しています。生徒の思考の流れを見取る手立てとなるよう工夫しました。パフォーマンス課題は,単元の学習をまとめ上げる総括的な課題であります。回答を表現する部分だけでなく,パフォーマンス課題に回答するまでのプロセスの部分もぜひご活用いただきたいと思います。

 また,本書は,教育についての研究者ではなく,毎日生徒の前に立って実際に授業を行っている現場教師が執筆したという点も,特色かと考えております。様々な研究の視点から見れば拙い部分や簡略化した部分も多いかと思いますが,一人の授業者が,現場の中で実際に授業を行うことを前提として執筆いたしました。明日の授業で,すぐに使えるものを集めました。多忙な中でも教材研究を熱心に行う全国の先生方のお役に立てることを願っております。

 最後に,本書の発刊にあたりましては,豊島区立千登世橋中学校主幹教諭の鈴木拓磨先生,港区立高松中学校主幹教諭の藤田淳先生,中野区立第七中学校主幹教諭の千葉一晶先生に多大なるご尽力をいただきました。これまで多くのご実践やご発表の経験をもち,中学校社会科教育の分野ではまさに最前線に立つ新進気鋭の3人であります。中学校社会科教育のみならず,所属校や所属地区のお仕事も多忙な中,玉稿を頂戴することができましたことを,この場をお借りいたしまして厚く御礼を申し上げます。

著者紹介

中野 英水(なかの ひでみ)著書を検索»

1970(昭和45)年,東京生まれ。東京都板橋区立赤塚第二中学校主幹教諭。1993(平成5)年,帝京大学経済学部経済学科卒業。東京都公立学校準常勤講師,府中市立府中第五中学校教諭を経て,2013(平成25)年から現職。東京都教育研究員,東京都教育開発委員,東京教師道場リーダー,東京方式1単位時間の授業スタイル作成部会委員,東京都中学校社会科教育研究会地理専門委員会委員長を歴任。現在,東京都中学校社会科教育研究会事務局長,全国中学校社会科教育研究会事務局次長,関東ブロック中学校社会科教育研究会広報副部長,東京都教職員研修センター認定講師,日本社会科教育学会会員。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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      明治図書
    • 授業づくりや評価規準作成に参考になった。そのパフォーマンス課題に至るまでの指導過程や内容がわかるワークシートがあるとなおありがたい。
      2021/4/420代・中学校教員
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