- まえがき /大森 修
- 第1章 高橋佳子氏は特別支援教育の校内体制をどう作り上げていったのか
- 1 コーディネーターは何人必要か?
- 2 これが1年間に行うコーディネーターの仕事だ
- 3 これらの問題をコーディネーター1人で抱え込むのではない
- 4 このようにして全体的な取り組みに変えていく
- 5 LDの子を1年生のうちに見つけ出せ!
- 6 保護者への説得をこのようにした
- 7 親に努力の仕方を教えるのもコーディネーターの仕事である
- 8 担任の配慮を保護者に解説せよ
- 9 もっと詳しく! 月別コーディネーターの仕事
- 10 コーディネーターとしてこれだけはやってほしい
- 11 就学の判断に悩む保護者にどう支援したか?
- 第2章 特別支援コーディネーターは模範授業ができて一人前
- 1 すぐれた授業案,すぐれた授業システムがあるからさりげない支援ができる
- 第3章 診断が出た後の学級づくり
- ソーシャルスキルトレーニングのポイント
- 1 3つの問題をどのように解決していくか
- 2 自分の抱えている問題を子どもに自覚させる
- 3 クラスに告知するときは注意が必要である
- 4 親のすべきこと
- 5 担任の接し方を子どもたちは見ている
- 6 ソーシャルスキルはクラス全体に指導する
- 7 クラス運営で大切なこと
- 8 失敗させない工夫はみんなも育てる
- 9 ソーシャルスキルトレーニングは学校現場でやるのが一番よい
- 第4章 高橋佳子氏が語るグレーゾーンの子どもへの対応や指示のポイント
- 1 ADHDよりもLDをもつ子どもの方がはるかに多い
- 2 ADHDの子どもってどんな子?
- 3 薬物療法なしでの対応,教育的配慮だけで,ADHDの子どもをよくすることは不可能である
- 4 対応の仕方を考えるために,WISC−VやK−ABCの知能検査で,その子の特性を知ることが必須となる
- 5 LDの子の指導のキーポイントは,「動機付け」「レディネス」「学習のスピード」「その子が学習を習得する手段の理解」だ
- 6 TOSSの指導法がLDの子にとってやさしいのはなぜか
- 7 学級経営をする上で何を考えればよいのか
- 8 高橋佳子氏が学級経営に持ち込んでいるアイテムとは?
- 9 ヒーロー,ヒロインになれる係活動を通して,経験的に量や数を分からせる
- 10 ソーシャルスキルをトレーニングせよ
- 11 子ども同士のつきあい方をコーディネートせよ
- 12 子どものよき手本となれる大人,教師でありたい
- 13 苦しんでいる保護者にかけてほしいこの言葉
- 14 お互いに授業を見せ合うことが第一歩になる
- 第5章 グレーゾーンの子ども役としての高橋氏の授業批評
- 1 教師は意図を持って座席を決めているか
- 2 先生より重要な隣の子の行動
- 3 範読の際も子どもから目を離すな
- 4 言葉だけの理解なので止まってしまう
- 5 子どもは教師がどのように対応するかを試している
- あとがき 大森塾編集委員会
まえがき
大森塾は,当初,新潟塾として出発をした。新潟塾は,さまざまな教育問題を最先端の講師を迎えて指導を受ける会であった。
例えば,宇佐美寛氏からは「論理的な思考」の指導を受けた。
小森茂氏からは,国語科の諸問題への取り組みの指導を受けた。
こうした一方で,サークルのメンバーが自らの実践を公表し,授業をして見せた。
新潟塾から多くの教師が巣立った。彼らは行政や各地区で指導的な役割を果たしている。主立った者が巣立ったことで,会としての役割も一段落をしたのを契機に,会の在り方を一新することとなった。
そして,大森塾が誕生した。
大森塾が発足と同時に取り組んだのが,特別支援教育である。
大森塾の記録は冊子としてまとめられて,多くの教師にも届けるようにした。特別支援教育にかかわるさまざまな課題が緊急なものであったからである。
参加者数や冊子の数は,教師の数からするとたかだか0.1パーセントにも満たない。たかだか,それくらいの数でしかないが,大森塾に参加した教師が,地元で特別支援教育の重要性と緊急性を訴えるセミナーを次々に開催するようになった。
大森塾の種はまかれ,育ったのである。
大森塾のこれまでの冊子をテーマごとに編集をして,特別支援教育への実践的な提案をしてはどうかという依頼を受けた。提案者は江部満明治図書相談役である。ありがたいことである。
本書が特別支援教育の充実に資することがあれば望外の喜びである。
なお,「大森塾」は「OMORI塾」と改称してバージョンアップをした。毎年,8月の第3週の土曜日に開催している。
平成19年4月 /大森 修
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- 明治図書