中学校社会科授業のユニバーサルデザイン

中学校社会科授業のユニバーサルデザイン

ユニバーサルデザインの視点でわかりやすい社会科授業をつくる

社会科授業で誰一人取り残さない授業を実現するために、UDの視点を取り入れることを本書では提案。学習環境、発問、板書から振り返り場面での活動まで、どのようにUD視点を取り入れればよいか詳しく解説。分野別に実際の授業例も掲載しており実践にすぐ生かせます!


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PDF
ISBN:
978-4-18-335826-4
ジャンル:
社会
刊行:
対象:
中学校
仕様:
四六判 208頁
状態:
在庫あり
出荷:
2024年10月8日

もくじ

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はじめに
第1章 「UDの視点」でつくる社会科授業
1 「UDの視点」とは
2 社会科授業で誰一人取り残さない授業を実現するために
第2章 「UDの視点」でつくる社会科授業の工夫32
学習環境の工夫
1 「視覚化」+「継続性」で学ぶ環境づくりをルーティン化する
2 棚の中、机周りを整理する
3 黒板周りや掲示物、清掃道具等を整理する
4 落ち着いて過ごすための学校生活のルールを提示する
課題の工夫
5 単元づくりのための「UDパーツ」を意識する
6 1時間の授業をスムーズに進めるための「15分UDパーツ」をつくる
7 生徒の日常生活、これまでの学習から課題を提示する
8 生徒にとってわかりやすい「めあて」を掲示する
発問の工夫
9 どの生徒も参加できる発問をする
10 「知識・技能」を身に付けさせる発問をする
11 「思考・判断・表現」を高める発問をする
12 生徒が「選択・判断」できる発問をする
板書の工夫
13 板書の書き方の基本的なスタイルを提示する
14 「知識・技能」を身に付けさせる板書にする
15 「思考・判断・表現」を高める板書にする
16 自分の考えを提案できる板書にする
ノート・ワークシートの工夫
17 ノート・ワークシートの基本的なスタイルを提示する
18 ノート・ワークシートに自分の考えを「焦点化」して記入できるようにする
19 ノート・ワークシートが単元で一つのまとまりになるようにする
20 ノート・ワークシートに評価・振り返りの場面を提示する
資料提示・活用場面での工夫
21 生徒が2項(賛成・反対)で考えることができる資料を提示する
22 複数の視点から考えることができる資料を提示する
23 授業内容の理解を深める資料を提示する
24 ICT機器を有効に活用して資料を提示する
調べ活動・話合い活動場面での工夫
25 「タブレット」「パソコン」を活用して調べ活動をする
26 話合い活動がスムーズに進む「話合いマニュアル」を活用する
27 話合い活動の議題について教師が論点整理をする
28 どの生徒も自分の考えを表現できるようにホワイトボードの活用を工夫する
学習のまとめ・振り返り活動場面での工夫
29 教師によるまとめの場面と生徒によるまとめ・振り返りの場面を設定する
30 個人とグループによるまとめ・振り返りの場面を設定する
31 アウトプット・発表の場面を設定する
32 身に付ける観点を確認できる「単元テスト」「定期テスト」を作成する
第3章 「UDの視点」でつくる社会科授業の指導案づくり
1 「UDの視点」を取り入れた指導案のスタイルを決める
2 単元計画を「焦点化」する
3 単元計画・評価規準を「視覚化」する
4 自分の考えを「共有化」する活動を入れる
5 単元、1時間の授業を評価するための場面を設定する
第4章 「UDの視点」でつくる社会科授業の実践例
1 タブレットを活用して「焦点化」されたまとめをする「UD」の授業
地理的分野「日本の諸地域」の「九州地方」
2 ホワイトボードによる「視覚化」でまとめをする「UD」の授業
地理的分野「地域の在り方」
3 課題を追究するために「視覚化」した資料を活用した「UD」の授業
地理的分野「世界の諸地域」の「アジア州」
4 タブレットを活用し、「視覚化」「共有化」する「UD」の授業
歴史的分野「古代までの日本」
5 「ポジショニングマップ」を活用した「UD」の授業
歴史的分野「武家政治の動き」
6 生徒が考えを問い直す「UD」の授業
歴史的分野「条約改正と日清・日露戦争」
7 2段階のディスカッションで「主体的に学習に取り組む態度」を評価する「UD」の授業@
公民的分野「法に基づく公正な裁判の保障」
8 2段階のディスカッションで「主体的に学習に取り組む態度」を評価する「UD」の授業A
公民的分野「財政および租税の役割」

はじめに

 学校現場ではインクルーシブ教育、合理的配慮などの特別支援教育に関する用語が飛び交っています。しかしながら、それらが必要であることはわかっていても、通常の公立中学校では様々な業務に追われ、研究を積み重ねながら実践することは困難な状況です。

 「UD(ユニバーサルデザイン)の視点」(以下、「UDの視点」)を取り入れた授業に関しても、これまでに多くの学校で研究され、それぞれの学校、学級で実践され、研究会や書籍等で紹介されています。しかし、「UDの視点」を取り入れた授業をしたいと思っていてもなかなか実践できずに困っている教師も多いと思います。

 そのような状況の中で「よく考えてみると『UDの視点』をもって取り組んできたこと」等について、必要なことをできるだけ簡潔かつ実践的に、多忙な教師に向けて提案できないか、という問題意識から本書を執筆しました。

 昨今、多くのベテラン教師が退職し、若い教師が増えています。若い教師だけでなく、経験のある教師も「働き方改革」に意識を向けていく必要があります。

 その中で、教師側の授業等の研究を「UD化」する必要もあります。例えば、研究授業の指導案などの資料作成に多くの時間を費やしてしまうことで、時間外労働が増えてしまっている教師も少なくないと思います。

 本書はそんな教師のためにちょっとした時間で、わかりやすく気軽に実践できるような内容を紹介したつもりです。

 多忙な中でも何か前に進みたいと考えている教師の参考になってくれたらと願っています。


  2022年12月   /鬼木 勝

著者紹介

鬼木 勝(おにき まさる)著書を検索»

横浜市立寺尾中学校副校長。特別支援教育士。

上越教育大学大学院学校教育研究科修了。福岡県、横浜市で中学校教員、横浜市教育委員会北部学校教育事務所主任指導主事を経て、現職。

日本社会科教育学会、日本授業UD学会、日本LD学会会員。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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