平成29年版
中学校新学習指導要領の展開 理科編

平成29年版中学校新学習指導要領の展開 理科編

好評2刷

大改訂された学習指導要領本文の徹底解説と豊富な授業例

改訂に携わった著者等による新学習指導要領の各項目に対応した厚く、深い解説と、新学習指導要領の趣旨に沿った豊富な授業プラン・授業改善例を収録。圧倒的なボリュームで、校内研修から研究授業まで、この1冊で完全サポート。学習指導要領本文を巻末に収録。


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ISBN:
978-4-18-334412-0
ジャンル:
学習指導要領・教育課程理科
刊行:
2刷
対象:
中学校
仕様:
A5判 208頁
状態:
在庫あり
出荷:
2024年12月11日

Contents

もくじの詳細表示

はじめに
序章 理科改訂のキーポイント
1 社会に開かれた教育課程と理科改訂三つのポイント
1章 「第1 目標」のポイントと解説
1 三つの柱と理科で育成する資質・能力
2章 「第2 各分野の目標及び内容」のポイントと解説
第1分野
1 第1分野の目標のポイントと解説
2 (1)身近な物理現象
3 (2)身の回りの物質
4 (3)電流とその利用
5 (4)化学変化と原子・分子
6 (5)運動とエネルギー
7 (6)化学変化とイオン
8 (7)科学技術と人間
第2分野
9 第2分野の目標のポイントと解説
10 (1)いろいろな生物とその共通点
11 (2)大地の成り立ちと変化
12 (3)生物の体のつくりと働き
13 (4)気象とその変化
14 (5)生命の連続性
15 (6)地球と宇宙
16 (7)自然と人間
3章 「第3 指導計画の作成と内容の取扱い」のポイントと解説
1 学習過程を重視した指導計画の作成
2 学年ごとの重点と単元計画 第1学年
3 学年ごとの重点と単元計画 第2学年
4 学年ごとの重点と単元計画 第3学年
4章 理科の新授業プラン
第1学年 生物分野
1 生物の特徴と分類の仕方
2 生物の特徴と分類の仕方
第1学年 化学分野
3 身の回りの物質
第1学年 地学分野
4 身近な地形や地層,岩石の観察
第2学年 物理分野
5 電流と磁界
第3学年 物理分野
6 運動とエネルギー
第3学年 化学分野
7 化学変化とイオン
8 化学変化と電池
第3学年 生物分野
9 自然環境の調査と環境保全
付録 中学校学習指導要領 第2章 理科
執筆者紹介

はじめに

 現代は,「第4次産業革命」とも呼ぶべき急速な技術革新,知識基盤社会の本格化,情報化社会の高度化,グローバル化など,社会の変化はかつてないスピードとインパクトで進行し,複雑で予測困難な時代であると言われている。このような時代だからこそ,変化を前向きに受け止め,社会や人生を,人間ならではの感性を豊かに働かせながら,未来を創っていくために,社会や人生をよりよいものにしていくことが求められる。そのためにも,一人一人が,予測できない変化に受け身で対処するのではなく,主体的に,自らの可能性を発揮し,よりよい社会と幸福な人生の創り手,未来の創り手となる力を身に付けられるようにすることが重要である。

 新学習指導要領では,これら変化の中で生きる力を確実に身に付けることが求められ,「社会に開かれた教育課程の実現」を目指している。この実現のためにも,幼・小・中・高・大・社会で段階を踏まえつつ,系統的に継続し,一貫して社会との関係を重視すること,さらには,学校全体,地域全体,社会全体,一体として子供を育成することを重視している。そして,このような現状や動向を踏まえ,教育の質的転換を目指したものとなっている。学習者が中心であることを据えて,学習者の資質・能力(学習者が身に付けるべき力)を重視した教育が特徴であり,いわば「構造の抜本的な変革」であり,「戦後最大の教育改革」と指摘されている。資質・能力の育成の目指すところは,「何を知っているか」だけではなく「何ができるか」への教育の質的転換である。これらの育成の実現に向けて,学校教育の根幹をなす授業において,学びの質に着目して,授業改善の取組を活性化する必要があろう。「何を教えるか」という知識の質や量の改善はもちろんのこと,「どのように学ぶか」という,学びの質や深まりを重視することが必要であり「主体的・対話的で深い学び」が実現できているかについて検証し続けること(アクティブ・ラーニングの視点からの授業改善)が求められているのである。

 中学校理科は,その先導的な役割を果たすことが期待される教科である。中学校理科では,問題の把握,課題の探究,課題の解決といった学習過程を重視している。具体的には,「見通し」と「振り返り」を大切にしながら,「自然事象に対する気付き→課題の設定→検証計画の立案→観察・実験の実施→結果の処理→考察・推論→表現伝達」を繰り返し行うことが求められている。

 また,中学校理科では,学習過程の中で学年ごとに特に重点を置く学習過程を焦点化しているところに特徴がある。第1学年では,「自然事象に対する気付き→課題の設定」に係る「見いだす」過程,第2学年では,「検証計画の立案」,第3学年では,「振り返り」の過程である。これらを通して授業が単に内容の伝達にとどまるようなことがないように,課題について一人一人が自分の考えをもって,その考えを基に他者と対話し,考えを比較吟味して統合し,よりよい答えや価値を創り出すような学習過程,すなわち「主体的・対話的で深い学び」の実現が期待される。学習過程において,「見方・考え方」を働かせ,基本的な知識と技能の習得を通じた概念の獲得,科学的に探究する力を養うことによる科学的リテラシーの獲得,自然の事物・現象に進んで関わり,科学的に探究する態度を養いたい。学びを通じて,理科の有用性に気付くとともに,さらなる問いを見いだし,学び続ける力,健やかで豊かな未来を創る力の育成を目指していくことが期待される。中学校理科で育む力は,これからの社会を生き抜く資質・能力につながると考えられ,実践を重ねていくことが求められる。

 本書を作成するに当たり,新学習指導要領の理論的な部分の作成に詳しい関係者にお願いした。また,新しい学習指導要領の趣旨をいち早く取り入れ,これからの学びの授業モデルを構想できるような授業事例を全国の中学校の先生方に執筆していただいた。本書が新学習指導要領を進めるに当たり,指針となる書となることを切に願うとともに,我が国の中学校理科がさらに深化,発展することを願ってやまない。


  平成29年10月   編者一同

著者紹介

後藤 顕一(ごとう けんいち)著書を検索»

東洋大学食環境科学部教授

田代 直幸(たしろ なおゆき)著書を検索»

常葉大学教育学部教授

小林 辰至(こばやし たつし)著書を検索»

上越教育大学大学院教授

江崎 士郎(えざき しろう)著書を検索»

東京都世田谷区砧南中学校長

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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