平成29年版
中学校新学習指導要領の展開 社会編

平成29年版中学校新学習指導要領の展開 社会編

BEST300

大改訂された学習指導要領本文の徹底解説と豊富な授業例

改訂に携わった著者等による新学習指導要領の各項目に対応した厚く、深い解説と、新学習指導要領の趣旨に沿った豊富な授業プラン・授業改善例を収録。圧倒的なボリュームで、校内研修から研究授業まで、この1冊で完全サポート。学習指導要領本文を巻末に収録。


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ISBN:
978-4-18-334214-0
ジャンル:
学習指導要領・教育課程社会
刊行:
対象:
中学校
仕様:
A5判 208頁
状態:
在庫あり
出荷:
2018年12月17日
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Contents

もくじの詳細表示

はじめに
序章 社会科改訂のキーポイント
1 改訂の基本的な考え方
2 目標の改善と分野の配当時間
3 学習内容,学習指導等の改善・充実
1章 「第1 目標」のポイントと解説
1 新学習指導要領と平成20年版学習指導要領との比較
2 中学校社会科の総括的な目標の特色
3 総括的な目標を実現するための三つの目標について
4 学習内容の改善・充実について
2章 「第2 各分野の目標及び内容」のポイントと解説
地理的分野
目標
A 世界と日本の地域構成
B 世界の様々な地域
C 日本の様々な地域
歴史的分野
目標
A 歴史との対話
B 近世までの日本とアジア
C 近現代の日本と世界
公民的分野
目標
A 私たちと現代社会
B 私たちと経済
C 私たちと政治
D 私たちと国際社会の諸課題
3章 「第3 指導計画の作成と内容の取扱い」のポイントと解説
1 指導計画の作成のポイントと解説
2 内容の取扱いのポイントと解説
4章 社会科の新授業プラン
地理的分野
「地域の在り方」の授業プラン
「地理的な見方・考え方」を育てる授業プラン
歴史的分野
「私たちと歴史」の授業プラン
「歴史的な見方・考え方」を育てる授業プラン
公民的分野
「現代社会を捉える枠組み」の授業プラン
「現代社会の見方・考え方」を育てる授業プラン
付録 中学校学習指導要領 第2章 社会
執筆者紹介

はじめに

 社会科ぐらい,指導に当たる教師と世間一般との間で,イメージや認識にギャップのある教科はないのではないか。おそらくほとんどの社会科教師は,日本や世界の地理,歴史,社会等について学習することで,主権者としての資質・能力=公民的資質を育成することを目指しているに違いない。だが,メディア等を含む世間で発せられる社会科観は,雑学的暗記教科ということで一致しているのではなかろうか。

 社会科誕生以来,70年の実践の成果がこのイメージだとすると,残念きわまりないが,このままでは小学校や中学校の教育課程での社会科の地位は,確実に低下していくだろう。現に,米英等の初等教育ではリテラシー(国語)とニューメラシー(算数)の時間数が増えるのと対照的に,社会科の時間数は限りなく減少しているし,日本でも言語能力の育成や理数教育の充実が図られているのは周知のとおりである。加えて,日本では道徳の教科化や外国語教育の充実が図られており,社会科の先細り感は否めない。

 だが,他方で選挙権年齢の引き下げに伴う主権者教育の充実,グローバル化や持続可能な社会づくりに対応する社会参画意識の醸成等,社会科ならではの課題や期待も少なくない。これらの期待に応えつつ,この先,社会科を学校教育の不可欠な教科として守り育てていこうとするならば,暗記教科と揶揄される現実から目を背けずに,自らその克服を図ることが必要だろう。その点で,資質・能力の育成に向けてドラスティックな改革・改善を目指した今回の学習指導要領の改訂は,社会科の再生にとっても絶好のチャンスといえるだろう。

 そのためのポイントの第一は,資質・能力の三つの柱を吟味することである。まず,知識・技能については,思考・判断・表現を通じてこそ確実に身に付くことを再確認したい。つまり,テストの前夜に暗記した知識はテストが終われば忘れてしまうが,自分で課題を追究したり級友と議論したりして習得した知識は,容易に消え去ることはない。仮に忘れたとしても,学び方が身に付いていれば必要に応じて習得し直すことができる。また,思考力・判断力・表現力等は,生徒の主体的・対話的で深い学びの中でこそ発揮されるし,思考・判断・表現の伴わない深い学びなどあり得ない。更に,学びに向かう力・人間性等は,一般論で捉えるのではなく,各分野の学習内容と結び付けて,具体的な行動(例えば,素朴な関心→異見への関心,文脈や根拠の重視→自己の見方の構築,等)として設定したい。そうすれば,自ずと指導と評価の一体化が可能となろう。

 ポイントの第二は,社会的な見方・考え方を働かせて,社会科(地理,歴史,公民)ならではの思考・判断・表現を体験させ,科学的な概念や確かな技能を習得させることである。見方・考え方を働かせるためには,まず単元の学習内容に即した見方・考え方を特定し,次にその見方・考え方に最適な問いの形式(どのように,なぜ,どうすべきか,等)を選択する。そして,生徒の関心や地域の課題等を見据えつつ,主体的な追究を促す課題(問い)に仕上げるのである。できれば,課題の設定は生徒自身に行わせたい。

 ポイントの第三は,教師ができるだけ口をつぐむことである。社会科の教師は説明し出すと夢中になり,つい生徒の思考や表現に水を差しがちである。仮に偏った予想や仮説でも,あるいは誤った資料読解でも,まずは自らチャレンジしてみることが大事である。最初からうまくいく例などありえない。試行錯誤する中から,徐々に資料の扱いや仮説の設定,検証等の仕方を学んでいくのである。また,空欄穴埋め式のプリント授業を止めることも重要である。そうした方式では,生徒の関心は空欄を補充することのみに向かい,思考の芽を摘んでしまう。代わりに,生徒の考えたことや資料から発見したことなどを記述するワークシートを活用したい。生徒の思考を促すだけでなく,評価のための客観的データともなり,教師にとって一挙両得であろう。


  平成29年9月   /原田 智仁

著者紹介

原田 智仁(はらだ ともひと)著書を検索»

1952年,愛知県に生まれる。

広島大学大学院修了後,愛知県の高校教員に(世界史担当)。

1990年,兵庫教育大学講師となり,助教授をへて教授に。

1997年,広島大学より博士(教育学)の学位を授与される。

2017年,兵庫教育大学を定年退職し現在に至る(名誉教授)。

この間,1997年〜2008年,文部科学省教科調査官を併任。

2014年〜2017年,全国社会科教育学会会長。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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      明治図書
    • 何が変わって、何を変えなければいけないのか、ポイントが明確になる。
      2018/8/230代・教委
    • 新学習指導要領の考え方や、それに基づいた実践例が示されていて、わかりやすかった。
      2017/12/1520代社会科教員
    • 新学習指導要領が何を求め、どのように授業改善していけば良いかが見えて来た。
      2017/10/2820代・中学校教諭
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