社会科「個別最適な学び」授業デザイン 理論編

社会科「個別最適な学び」授業デザイン 理論編

総合35位

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社会科で「個別最適な学び」を実現する14のポイントを徹底解説

社会科で「個別最適な学び」を実現する14のポイントを、徹底解説。子どもの見取りから単元の授業デザイン、問いの吟味から学習の複線化、自己調整学習からICT活用、学習評価まで。「個別最適な学び」を社会科授業で実現するための、はじめの一歩となる手引書です。


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ISBN:
978-4-18-333137-3
ジャンル:
社会
刊行:
3刷
対象:
小学校
仕様:
A5判 192頁
状態:
在庫あり
出荷:
2024年9月2日

目次

もくじの詳細表示

はじめに
1 社会科と「個別最適な学び」
1 「個別最適な学び」とは
@「個別最適な学び」と「協働的な学び」は手段
A社会科の目標
B主体的・対話的で深い学びの視点
C「個別最適な学び」
D「協働的な学び」
E履修主義と修得主義
F学習者理解
2 「個別最適な学び」の歴史的背景
@「個別」概念の歴史的展開
A個別化教育導入の理由
B「個別最適な学び」はメッセージ
2 「個別最適な学び」を実現する!14の勘所
1 発想の転換
@子どもは学ぶ存在
A「子ども観」の転換
B教師は伴走者
C一斉授業がすべてではない
D個別学習は「発想」
E子どもの裁量権
F「当たり前」を疑う
G二項対立から抜け出す
H学びほぐし
2 「個」をさぐること
@子ども理解
A子どもをさぐるための教師の記録
B子どもの個性があらわれる子どもの記録
C教師は子どもの学びのパートナー
D書くことは人を確かにする
E「個」を位置づけ,願い,待つ
3 単元の授業デザイン
@「一斉授業」と「個別学習」で単元をデザインする
A「学習の個性化」を意識する
B「一斉」と「個別」の見極め
C有意味学習か機械的学習か
D「個別学習」での教師の役割
E「個別」と「協働」の学習組織
4 「問い」の吟味
@「問い」を意識する
A「社会的な見方・考え方」を働かせる
B「問い」を子どものものにする
C知識を明示的に示す
D子どもも発問者にする
E仮説を立てる
F転移する知識
G批判的思考力
5 学習の複線化
@複線型の学習とは
A「選択」を取り入れた学習
B「学習の複線化」を成功させるポイント
C教科書を活用した「学習の複線化」
6 学習形態の工夫
@一斉授業を見直す
A個人差に応じた学習
B様々な学習モデルの実践
C教材と個別最適な学びを意識する(教材の力)
D小手先の対応で終わらないために
E教科としての「学び方」
F割合を考える
7 学びのユニバーサルデザイン(UDL)
@UDLとは
AUDL三原則
BUDLの理解
CUDLを支える足場的支援
Dフィードバック
E教師の役割
F授業UDとUDL
G個別最適な学びとUDL
8 学びの自己調整
@自己教育力
A自己学習力
B自己調整学習
C自律的に学習を進めるようになるためのポイント
D子どもの学び方を考える
E内発的動機づけ
F興味の4段階発達モデル
G知的好奇心の喚起
H社会的相互交渉への動機づけ
9 学習評価
@いつでも,どこでも,だれでも
A見えにくいものを「見取る」
B評価規準作成のポイント
C自己評価
10 非認知能力
@非認知能力と社会情動的スキル
A非認知能力を育むために
Bふり返りの習慣化
Cふり返りの上達方法
11 ICT端末の活用 1人1台端末
@1人1台端末時代
A学習支援アプリ
B文字言語で共有する
C一人ひとりを大切にする
D検索と学習材の収集
E時間と空間を超える
12 学習材の工夫
@学習パッケージ
A学習材としての資料
Bねらいがあってこその「材」
13 学習環境
@オープンエデュケーション
A学習環境はよりよい小宇宙
B個別化・個性化を支える条件
C空間の持つ教育力
14 学級の支持的・自治的風土
@ルールとリレーション
A学級集団育成の手順
B教師のリーダーシップ
C子ども同士をつなげる
D協働的問題解決能力
おわりに

はじめに

 そもそも「個別最適な学びとは何か?」という問いからのスタートでした。答申や指導要領,関係書籍を読み漁り,自分なりに解釈し,実践を繰り返しました。実践しては悩み,また考え実践する。それの繰り返しでした。

 そういう意味で,本書は「挑戦の書」と言っても過言ではありません。実践したことをまとめていくと,膨大な量となりました。はっきりと分けることは難しいですが,便宜上〈理論編〉と〈実践編〉の2冊に分けました。本書はその〈理論編〉となります。〈理論編〉とはいえ,多くは実践を通して論じ,できるだけ実践紹介も含めて説明します。


 第1章では,「個別最適な学び」の全体像を概観します。「個別最適な学び」が目指しているところ,社会科との関わり,協働的な学びとの関わりなどについて説明します。また,「個別最適な学び」がなぜ今言われるようになったのか,個別概念を巡る歴史について説明します。個別の概念は今にはじまったわけではありません。ずっと昔から脈々と受け継がれてきているものであることが見える内容にしています。

 第2章では,「個別最適な学び」を考える上での14のポイントを挙げました。これだけで十分とは言えませんが,私が現時点で考える内容を網羅しました。実際に私が実践したことや理論立てたことだけでなく,各参考資料の中から紹介しているものもあります。「個別最適な学び」の理論や実践は,過去から積み上げられてきた遺産であることも確認していただけます。できるだけ多くの書籍にあたり,その中から「原資料」として記している部分もあります。

 また,本章はどの項からも読んでいただけるように構成しています。読者の皆様が気になる項からお読みください。それぞれの項が関連し合い,密接に結びついている内容もあります。行きつ戻りつ,内容のつながりや差異を楽しんでいただけると幸いです。


 本書の執筆にあたって,本文中に紹介した文献並びに,数多くの資料を参考にさせていただきました。多くの知見をいただけたことに対する感謝の意を表します。参考にした資料の中から,200近くの資料を本書の中で紹介しています。気になる箇所,さらに深く追究したい箇所があれば,各項末の〈参考資料〉をご覧になり,原典にあたってください。きっと本書がそのナビゲート役になるはずです。


 「『個別最適な学び』ってどうするの?」

 「子どもたちを個別に学習させればいいの?」

 このような声が多く聞こえ,方法論が先に立つような感じがします。しかし,大切なのは「誰一人取り残さず全員の学習権を保障すること」「自立した学習者を育てる」という理念です。理念を実現するための方法は無数にあります。どのようにアプローチしていくのかを模索し続けることが重要です。ですので,きまった型や「こうすればうまくいく!」というようなものはありません。今まで積み上げられてきた理論や実践に敬意をもち,自ら実践を繰り返すしかありません。自分自身が大切にしてきたことを再確認し,「観」や「技」をアップデートしていくことが重要です。本書がそのきっかけになれば,これ以上の喜びはありません。


 事例は社会科を中心に書いていますが,その他の教科教育にも適用しながら考えていただければ幸いです。

 本書が,社会科を通した教科教育における「個別最適な学び」を考える上での「はじめの一歩」となることを願います。


   /宗實 直樹

著者紹介

宗實 直樹(むねざね なおき)著書を検索»

関西学院初等部教諭。授業研究会「山の麓の会」代表。

1977年兵庫県姫路市夢前町に生まれる。

大学では芸術系美術分野を専攻し,美学と絵画(油彩)を中心に学ぶ。卒業論文は「ファッションの人間学」。大学卒業後,兵庫県姫路市の公立小学校,瀬戸内海に浮かぶ島の小学校を経て,2015年より現任校へ。

様々な場所でフィールドワークを重ね,人との出会いを通じて独自の教材開発を進めている。社会科教育,美術科教育,特別活動を軸に,「豊かさ」のある授業づくり,たくましくしなやかな子どもの育成を目指して,反省的実践を繰り返す。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
    • この商品は皆様からのご感想・ご意見を募集中です

      明治図書
    • 読んだことが指導案作りの裏付けになりました。
      2024/2/2840代・小学校管理職
    • 理論が分かりやすい。
      2024/1/540代・教委
    • 社会科の中で個別最適な学びをどのように実現させるかについて、ヒントをたくさんいただけた。
      2023/12/25ゆずも
    • 理論が大変わかりやすくまとめられており、思考がスッキリと整理されます。
      2023/11/1730代・中学校教員
    • 今後も興味の湧く内容を出してほしいです
      2023/6/20をんてぃ
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