平成30年版 学習指導要領改訂のポイント 高等学校 保健体育・体育

平成30年版 学習指導要領改訂のポイント 高等学校 保健体育・体育

大改訂の学習指導要領を徹底解説!

大改訂の平成30年版学習指導要領。培いたい資質・能力、見方・考え方、カリキュラム・マネジメントと学習評価などのキーワードと各領域の改訂点や授業に向けて押さえたいポイントを徹底解説。ICT活用や協同的学びの授業事例も紹介。巻末付録に「系統表」を収録。


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電子版予価: 1,944円+税

9/25刊行予定

ISBN:
978-4-18-330712-5
ジャンル:
学習指導要領・教育課程保健・体育
刊行:
対象:
高校
仕様:
B5判 120頁
状態:
在庫あり
出荷:
2019年7月18日
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目次

もくじの詳細表示

はじめに
提言 学習指導要領改訂で保健体育科が目指すもの
/菊 幸一
第1章 キーワードでみる学習指導要領改訂のポイント
学習指導要領のキーワードと保健体育
主体的・対話的で深い学びを実現するための指導
体育で培いたい資質・能力
保健で培いたい資質・能力
体育の見方・考え方
保健の見方・考え方
カリキュラム・マネジメントと学習評価
多様なスポーツの楽しみ方
共生社会の実現に向けた保健体育指導の充実
保健で求められる授業の工夫
領域改訂のポイント
体育
A 体つくり運動
B 器械運動
C 陸上競技
D 水泳
E 球技
F 武道
G ダンス
H 体育理論
保健
専門学科 体育
第2章 事例でみる学習指導要領改訂のポイント
体育
A 体つくり運動:ICT活用
B 器械運動:選択制授業
C 陸上競技:中学からの接続
D 水泳:多様に楽しむ授業
E 球技@:「主体的に学習に取り組む態度」に関する評価
E 球技A:カリキュラム・マネジメント
F 武道:協働的な学び
G ダンス:互いに認め合う指導
H 体育理論:オリンピック・パラリンピックを教材として
保健:主体的な学び
コラム
集団行動や組体操の取り上げ方
野外の運動の取り上げ方
付録 高等学校学習指導要領解説 保健体育編・体育編(平成30年7月)から系統表
執筆者一覧

はじめに

 『平成30年版 学習指導要領改訂のポイント 高等学校 保健体育・体育』をご高覧いただきありがとうございます。

 本書は,カリキュラム・マネジメント,主体的・対話的で深い学び,新たに示された観点での学習評価など高等学校保健体育科改訂で何が変化し何に取り組めばよいのかといった保健体育科の充実に向け,日々熱心に取り組まれている先生方の疑問に対する参考になることが願いです。

 まず,高等学校学習指導要領改訂を主導されてきた菊幸一先生に,本改訂で最も伝えたい意図を示していただいた後,第1章では,学習指導要領のキーワードや領域の改訂ポイントを簡潔に分かりやすく各領域の第一人者の先生方から解説していただきました。

 また,第2章の事例で見る学習指導要領改訂のポイントでは,全国の優れた授業実践や各県の指導を通して実践事例を多く見られてきた先生方から,新たな学習指導要領で求められる具体的な授業提案についてご寄稿いただきました。これらの情報を地域や各学校の実態に即してご活用いただくことで,全国の保健体育授業の充実にお役に立てるものと思います。

 さて,平成30年7月に公開された高等学校学習指導要領解説保健体育編・体育編では,総説の冒頭で,「今の子供たちやこれから誕生する子供たちが,成人して社会で活躍する頃には,我が国は厳しい挑戦の時代を迎えていると予想される」という書き出しから始まっています。

 日本のスポーツ界は,2020年に迎える東京オリンピック・パラリンピックに向けて,希望と夢を感じる報道が増加していますが,他方で,数十年後の日本は,総説で示された「厳しい挑戦の時代」への危機感があります。これからの教育は,30年後の日本をどのように支えるのかという問いでもあります。

 今,社会の中心を支えている私たち大人は,日本の復興と高度経済成長を支えた推進世代が徐々に退き,その後の安定した時代を過ごしてきた戦後第2世代ともいえます。

 かつてのベストセラー「Japan as Number One: Lessons for America」(1979)アメリカの社会学者であるエズラ・ヴォーゲル(Ezra Feivel Vogel)氏は,高度経済成長は,「日本人の学習への意欲と読書習慣」がこれらの原動力であったと述べています。

 それから40年を経て,安定した社会がもたらす恩恵と価値観の変化,新聞や文庫本の販売部数の減少と同時に,グーグル,フェイスブックなどのインターネットやスマートフォンへの情報源へのシフトと大量の情報氾濫などの変化の中で,日本らしさは保てるかという危機感とも捉えることができます。また,超高齢化社会の到来は,社会保障費の増大や労働力不足といった課題が顕在化し始めています。

 世界に目を向けると,イギリスのEU離脱や,米中の貿易戦争といった経済覇権や格差を要因として,刻々と変化する国際社会の中で,将来予測の難しい時代にすでに突入したともいえます。今後,加速度的に進むであろうグローバル化や「Society5.0とも呼ばれる新たな時代の到来」と総則で記されたAIの進化などの変化が,教育界に及ぼす影響として,これらの予測不能な状況に対応する資質・能力重視の改訂が求められたのだと著者は考えます。

 果たして,保健体育科は,こうした教育界全体の変化にどのように貢献していけばよいでしょうか。こうした視点から今回の改訂を捉えていく必要があるのではないでしょうか。

 改善の具体的事項では,

 「生涯にわたって豊かなスポーツライフを継続し,スポーツとの多様な関わり方を状況に応じて選択し,卒業後も継続して実践することができるよう,『知識・技能』,『思考力・判断力・表現力等』,『学びに向かう力・人間性等』の育成を重視する観点から内容等の改善を図る。また,『保健』との一層の関連を図った内容等について改善を図る」

と示されています。

 新たなキーワードとして,「スポーツとの多様な関わり方」という視点の背景には,「スポーツは世界共通の文化である」としたスポーツ基本法の理念も取り入れながら,「する,みる,支える,知る」といった全ての国民にとって享受できるスポーツを文化として親しむ国民の育成に向けて,高等学校段階における保健体育科の方向性が具体化されたものともいえます。

 また,「体力や技能の程度,年齢や性別及び障害の有無等にかかわらず,運動やスポーツの多様な楽しみ方を社会で実践することができるよう配慮する」と示されたように,競技力としての狭義のスポーツの技能に留まらず,スポーツを通して積極的に社会に参画できる力やスポーツを通して人とつながるコミュニケーション力や調整力,フェアプレーの意義と向き合い,主体的に規範的行動を実践する高潔さなどの育成が求められています。また,多様にスポーツを楽しむための自らの課題を発見し,解決策を考え,実行することのできる論理的思考力や状況判断力や課題解決力なども含めた思考力・判断力・表現力等,学びに向かう力・人間性等のバランスの良い育成の先にあるものが,「生きる力」であり,保健体育科の目標である「スポーツとの多様な関わり」ができる国民ともいえます。これらの資質・能力を,さらに実社会で生かしていくためには,保健と体育の学習が相互に関連し有意義な教科であると生徒が感じる授業づくりを進めることも,保健体育科が資質・能力育成を主とした本改訂への答えとなるといえるのではないでしょうか。

 本書では,これらの理念を具体化するための様々な示唆が示されているものと考えています。

 「スポーツとの多様な関わり方」を目指したよい授業の創造に向けて,また,全国の保健体育科教育の充実に向けて本書がお役に立てることを願っています。


  平成30年3月   /佐藤 豊

著者紹介

佐藤 豊(さとう ゆたか)著書を検索»

桐蔭横浜大学教授

高等学校教諭,県指導主事を経て,国立教育政策研究所(文部科学省)教科調査官として,平成20年版学習指導要領及び解説の作成編集を担当した。平成23年鹿屋体育大学教授を経て,平成28年より現職。

体育科教育,野外教育,体育・スポーツ行政,国内,海外カリキュラム開発支援等を実践。体育・保健体育ネットワーク研究会を通して,養成段階,現職教員研修等のアクティブ・ラーニング型研修の開発,単元構造図による授業設計,体つくり運動アプリ開発などを行っている。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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