- はじめに
- 第1章 「うたのある」暮らし
- ◆人間になる
- 第2章 まず 実践しましょう! その為に
- (1) わらべうた遊びの分類表(年齢別)
- (2) 決めて,実践し,試してみましょう
- (3) 演習・実践・ポイント(この本の使い方)
- 第3章 各遊びの実践例とポイント
- (1) 役交代(社会生活の出発点=私と社会 2つの世界 3つの世界) 実践・ポイント
- 《役交代について》
- @役交代の基本ルール
- A年齢による課題
- B遊びの2つの段階的な順序
- A 異なる世界(2つ・3つ)の対立と往復
- B 鬼(1人・少数)と輪(多数)の動き
- 《遊びの一覧表》
- 《実践とポイント》
- 1 第一段階 はやし 鬼・輪止まり 鬼止まり・輪まわり 鬼まわり・輪止まり 鬼・輪まわり
- 2 第二段階 人当て 交互唱 問答つき
- 3 第三段階 減り増える 条件付 複数鬼
- (2) 門くぐり(人生の節目・階段) 実践・ポイント
- 《門くぐりについて》
- 《遊びの一覧表》
- 1 片手門(分断と継続)
- 《実践とポイント》
- A 一重輪
- B 2人組の輪
- 2 両手門(振り分け門)
- 《両手門について》(定位置・基本のルール)
- 《実践とポイント》
- 3 全員門(動き続ける門=宇宙の巡り)
- 《全員門について》
- 《実践とポイント》
- (3) 勝負遊び(気持ちの落とし所) 実践・ポイント
- 《遊びの一覧表》
- 《実践とポイント》
- 1 ジャンケン
- 2 個人戦
- 3 代表戦
- 4 減り増える
- (4) 隊伍を組んで(共動の喜び・形の想像力) 実践・ポイント
- 《隊伍を組んでについて》
- 《遊びの一覧表》
- 《実践とポイント》
- 1 円
- A 一重輪
- B 二重輪
- 2 円以外
- A 練り歩き
- B 2人組 交差した手の練り歩きと方向転換
- C 様々な隊伍
- 3 うずまき
- 4 ことろ
- 第4章 音楽教室での課業とカリキュラム
- ◆音楽教室での課業
- (1) 音楽の基礎は一緒 第一段階〜第三段階
- (2) 歌うこと 歌と共に遊ぶ 第四段階(数曲ずつ)
- (3) 歌うこと 歌と共に遊ぶ 第五段階(一曲ずつ)
- (4) 次のステップの準備としてする課業
- ア) 遊びの中でする言葉変え
- イ) モチーフ単位の真似っこ遊び
- ◆音楽教室のカリキュラム
- (1)幼児クラスのレッスンの概要
- 1 全体の流れと共通点
- 2 年齢別授業の形と内容
- 3歳クラス・4歳クラス・5歳クラス
- (2)各年齢のカリキュラムのサンプルとポイント
- 3歳前半の始まり 3歳後半の始まり
- 4歳前半の始まり 4歳後半の始まり
- 5歳前半の始まり 5歳後半の始まり
- 遊びの分類別索引
- あいうえお順索引
- おわりに
はじめに
「幼児のわらべうた」実践編の後半「人間になる」をここにお届けできること,嬉しく思います。
日々,子ども達と「わらべうた」を通して,遊び,教えられ「わらべうた」の深さ,豊かさ,を知っていたつもりでしたが,こうやってまとめた時「なんと無茶なことを始めたのか」と思いしらされました。理論と実践を,分けないととても無理,と先ず理論を書きました。さて実践を,と書きだしましたら限りがありません。「わらべうたの森」の中で,迷子になりそうでした。森の中から,少しずつ摘み取ってきた花々を花瓶ともいえない器に,とにかく挿して水をいれました。上巻と下巻に分けました。分けたことで「人になる仕上げ」と「人間になる準備」の違いが,見えてきました。
子ども達は,なんと賢いのでしょう。人間の作り出す世界の,社会の成り立ち,あり方,そのルールなど,根源的なものをしっかり感知して,そのモデルとなる遊びを作り出していました。そして,その様々なルールを遊びとして疑似体験し,生きて行く力や知恵を手にいれていたのです。現実では許されない失敗も,遊びのなかでは互いに笑い飛ばし,もう一度,もう一度と,繰り返して,その知恵や技術を習得する体験をしたり,時には自分には無理なことを納得したり。そう,そんな中で,どの子も凸凹なのをしっていき,「自分は自分」と前をむくのです。
そんな「わらべうた」を子ども達に手渡すために,幼児の遊び「理論編」「実践編上巻」と共に,この「実践編下巻」も活用していただけたら,とても嬉しいです。子ども達と遊んだ,その時の発見や喜びを,どこかでお会いして分かち合える日を,楽しみにしています。
/十時 やよい
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- 明治図書