- はじめに
- 第1章 人間の一生とその基礎となる幼児期
- ◆人間の一生を 木にたとえたら
- 第2章 「幼児のわらべうた」は「遊び」
- (1) 幼児の「わらべうた」とは?
- (2) 子どもたちが,「わらべうた」の遊びで自ら気付き,自ら育て,自ら成長させてきたこと
- (3) 「子どもから子どもへ」 伝えるように
- 第3章 まず 実践しましょう! その為に
- (1) わらべうた遊びの分類表
- (2) 決めて,実践し,試してみましょう(保育園・幼稚園・子ども園での実践)
- (3) 計画を立てて,実践してみましょう
- (4) 計画どおりにならないのは,当たり前! そこからが楽しい!
- (5) 演習・実践・ポイント(この本の,使い方)
- 第4章 各遊びの実践例とポイント
- 「人になる,仕上げ」
- ◆ファンタジー遊び(想像と現実を行ったり来たり)
- 1 ファンタジー遊びのポイント
- 2 ファンタジー遊びの計画
- 3 ファンタジー遊びの実践
- A 1つの遊びで,ファンタジーを広げる
- B 幾つかの遊びを積み重ねて,「私」の物語にしていく
- (1) 鬼きめ(他己認知・数の基本)演習・実践・ポイント
- 1 比較遊び 第一〜四段階
- 2 選択遊び 第一〜四段階
- 3 数の体感 第一〜四段階
- (2) しぐさ遊び(観察と模倣=学びの基本)
- 演習・実践・ポイント
- 1 第一段階 ◆1人遊び ◆2人以上の遊び
- 《立体的な身体認知について》
- 2 第二段階 ◆2人組 ◆3人組(釜おくり)
- 3 第三段階 ◆二重輪 ◆一重輪
- 《二重輪・一重輪の世界》
- (3) 歩きの遊び(人になる=身体機能の基礎)
- 演習・実践・ポイント
- ☆大人のために=良きモデルとなる為に
- 《歩きについて》
- ☆子どもと共に
- 1 歩き
- 1) 重心移動
- 2) 練り歩き
- 3) 先頭交代
- 4) 手つなぎ歩き
- 5) 円歩き
- 6) しゃがみ歩き
- 7) 回転
- (4) 昔遊び(身体の様々な機能を開く)演習・実践・ポイント
- 1 手・足遊び
- 1) 手の開閉
- 2) 指あわせ
- 3) 指さし
- 4) 手遊び
- 5) おはじき
- 6) 靴なげ
- 2 お手玉
- 1) 投げ上げ
- 2) 投げ玉式
- 3) 突き玉式
- 4) お手玉まわし
- 3 まりつき
- 1) 両手つき
- 2) 片手つき
- 4 縄跳び
- (5) 鑑賞曲(美的体験・民俗の継承)演習・実践・ポイント
- (6) 文学(詩・語呂合わせ 絵本)演習・実践・ポイント
- 第5章 課業について
- (1) 課業とは,何でしょうか?
- 1) あなたは,なぜ音楽を聴きますか?
- 2) 音楽は,心動かされる喜び!
- (2) 幼児の課業一覧表
- (3) 幼児の課業
- 1) 遊びの中で,身についていく課業
- @ 拍感 A 内的聴感
- 2) 遊びを豊かにする時,自然に行っている課業
- B 大小 C 速い遅い D 高低 E 音色
- 3) 歌うこと 歌と共に遊ぶ課業
- @ 歌うこと A 歌と共に遊ぶ課業
- 第6章 保育園・子ども園・幼稚園のカリキュラム
- 1 わらべうたの役目(保育の中で)
- 卒園までにしておきたい 基本的な遊び
- 2 カリキュラムのサンプルと記録用紙のサンプル
- 3歳・4歳・5歳
- (T) 年間カリキュラム
- (U) 月案のカリキュラム
- (V) 年齢別 4月のカリキュラムの例
- A案=毎日 B案=週に1〜2回
- (W) 日案の記録
- 3 「今月のわらべうた」年間計画の年齢別サンプル
はじめに
0歳から「遊ばせ遊び」をしてもらった子どもたち。大人への信頼で愛着関係が育ち,自分とこの世界への安心感を手に入れたでしょうか?
全ての五感が,しっかりと開かれたでしょうか? 開かれた五感で,周りへの興味が芽生えているでしょうか? ある子は飛びつくように,ある子はじわじわと,近づいて,きらきらとした瞳で,目にするもの,出会うものを,見ているでしょうか?
そんな子どもたちは,この幼児期の3年間で,生きていくのに必要な全ての基礎を手に入れるでしょう。そして,自分を知り,友達を知り,この社会を知り,動物や植物・風や雨・空や雲・香りや肌触り・森羅万象の地球を知り,地球の動きを司る宇宙の中にある命の脈動を体感するのでしょう。
「わらべうた」を通して子どもだけが理解できる宇宙の音楽・人間の音楽を声と身体で表現し,体感し,体験し,意気揚々と大人の世界へと旅立っていくのです。
そんな豊かな子ども時代を,しっかりと手渡す為に,大人である私たちは,何を知り,何を考え,何を身につけたら良いでしょうか? それらを,どんな形で子どもたちに手渡したら,伝わるのでしょうか?
子どもたちに,《豊かな子ども時代》を手渡したいと願って,「わらべうた」を遊び,「わらべうた」を探究してきた中から生まれた本です。
同じように,周りの子どもたちに《豊かな子ども時代》を手渡したいと願っている大人の方々に,是非手にとって一緒に手渡していただけることを願っています。そして,「もっと豊かなわらべうた」になるように,皆さんの提案や実践を教えていただけたらうれしいです。
/十時 やよい
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- 明治図書