実践と理論に基づく
「わらべうた」から始める音楽教育 幼児の遊び 理論編

実践と理論に基づく「わらべうた」から始める音楽教育 幼児の遊び 理論編

3歳から始める!イラストでよくわかる「わらべうた」遊び入門

「わらべうた」は、音楽教育につながるだけでなく、運動能力、知的能力、コミュニケーション能力までも育む、無限の可能性を秘めています。そんな力を育む幼児の遊びのポイントを、40年の実践と理論に基づきわかりやすくまとめた「わらべうた入門書」理論編です。


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ISBN:
978-4-18-321624-3
ジャンル:
幼児教育
刊行:
対象:
幼児・保育
仕様:
A5判 144頁
状態:
在庫あり
出荷:
2024年4月26日

もくじ

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はじめに
第1章 人間の一生 そして幼児期
1 「人」から「人間」へ そして「子ども」から「大人」へ
1◆「人」から「人間」へと育つ基本の時期=幼児期
2◆子ども時代 学びについて
3◆生きていく力とは
@身体的・情緒的・知的 3つの基礎
A全体を捉える力+部分に分けてそれを分類する力
B「良い耳・良い頭・良い心・良い手」の順序
4◆グループ学習の力(わらべうたから)
2 「乳児」から「幼児」=「学びの基礎」へ
1◆乳児の世界と幼児の世界は,まるで違う
2◆乳児「遊ばせ遊び」 と 幼児「わらべうた」の違い
3◆乳幼児の身体発達とわらべうたのテンポ
@Scammonの各器官系の発育模型図より,各器官の変化
A体温・脈拍・呼吸の変化
B乳幼児身体発育平均値
C身体発育の変化とバランスの変化
D年齢によるテンポ
第2章 幼児の世界
1 幼児期とは
1◆3歳から5歳
2◆幼児の体感による財産
3◆わらべうた遊びの体感による財産
2 幼児の発達段階のまとめ(分離と統合の時期)
3 「わらべうた」遊びでの発達段階 一覧表
4 「聞こえない音楽」を見せてくれる「わらべうた」
@musica mundana
Amusica humana
Bmusica instrumentalis
5 「わらべうた」を「わらべうた」として遊ぶために
1◆「わらべうた」はどんな形で遊ばれていたのでしょう
2◆私たち大人が,子どもたちに伝えるには,どうするのが良いでしょう
3◆わらべうたは,「真似」模倣遊びです
4◆遊びが,うまくいかない時,考えてみましょう
6 人間として幼児期に,身につける事
1◆ルールと,その多様性を同時に伝える
2◆ルールでなく,法則を示し,体感するのを,助ける
3◆全ては,体感による学び(人の学びの法則)
第3章 各遊びの世界・基本の形と段階的発展
1 「日本のわらべうた」の遊びによる分類
1◆計画性と一貫性の元となる「遊びによる分類」
2◆遊びの分類と各遊びに含まれている要素
2 各遊びの世界観 及び ルールと遊びの種類と段階
A 遊びのルール
B 大人のルール
C 体感する世界
D 遊びの種類と段階
○全ての遊びの 共通ルール
@鬼きめ…3つの種類 四段階
Aしぐさ遊び…6つの種類 三段階
B歩き…3つの種類 年齢別
C役交代…11の種類 三段階
D門くぐり…3つの種類 四段階
E勝負遊び…4つの種類 年齢別
F隊伍を組んで…4つの種類 三段階
G昔遊び…4つの種類 五段階
H鑑賞曲…5つの種類 年齢別
I文学
―語呂合わせ・詩 年齢別
―絵本・3つの世界 年齢別
第4章 課業について
1 課業とは,何でしょうか?
2 コダーイ音楽教育における 教授法と目的
1◆コダーイ音楽教育の特徴は,一貫性と計画性
2◆「幼児」以降のコダーイ音楽教育の,学びの形
3◆教授法は 全体から部分 ⇒ 部分から全体 の法則
4◆良き聴衆を育てる
3 音楽の数学的な世界と情緒的世界のつながり
1◆音の数学的関係性の世界
・倍音 ・調性と和音 ・調性と5度圏 ・5度圏の転調と,曲調の違い ・ソナタ形式 ・ソナタ
2◆リズムの規則的で規則的でない世界
3◆人間の数学的世界
4◆人間の情緒
4 音楽とは何か
1◆自己表現の世界
2◆共感の世界
5 音楽の課業
1◆拍感
2◆内的聴感
3◆大小
4◆速い遅い
5◆音の高低
6◆音色
7◆歌う力
8◆リズム
9◆形式感
10◆多声
6 わらべうたの課業のあり方
○課業の一覧表
○学童になって行う音楽の授業の方法(幼児の課業を基礎として)
○わらべうた 年齢別遊びの分布表
○使用し,参考にしたわらべうたの本
おわりに

はじめに

 「遊ばせ遊び」を通してしっかりと触られ,自分の身体を感じ,自分が大切で愛されている存在だと感じて育った子どもたち。自分自身で,食べたり排泄したり眠ったり歩いたり,自分の思いを言葉で表せるようにもなった,「人」となった子どもたち。社会的な人「人間」となる準備が始まります。子どもたち自身が大人の世界や自然の中から,見出し感じ,遊びの中で作り出してきた,歌い継いできた「わらべうた」を手渡していきましょう。

 ルネッサンス時代のヨーロッパの人たちは,音楽には3つの音楽があり,それも「聞こえない音楽」と「聞こえる音楽」があると,考えていたそうです。

 第一は「世界・宇宙の音楽」。太陽や月の巡り,星たちの巡り,季節の移り変わりや,月日の繰り返し。その規則正しい繰り返しのリズムは,宇宙の音楽。

 第二は「人間の音楽」。人間の鼓動や呼吸の,規則正しい繰り返し。精神と肉体のバランスの上に持続している精神性・倫理性・論理性。人間の音楽。

 この第一と第二の音楽は,音として聞こえてこない,しかしその規則性・持続性からうまれる美しさは,音楽そのもの。

 第三は「楽器の音楽」。これが,聞こえる音楽。一番初めの楽器は人間の声,歌声です。次に同じ息を使う管楽器。言葉がわりにもなる打楽器。そして,弦楽器。息の代わりに空気を送り込んでならすオルガンができ,そこから鍵盤楽器が発展してきたのです。

 「わらべうた」これは,宇宙や世界,人間の中にある「聞こえない音楽」を子どもたちが感じ,その心の内から身体の内からわいてくる音楽をほとばしるように,声と身体を使って表したものだったのです。ですから子どもたち自身の「わらべうた」遊びは,終わることがないのでしょう。


   /十時 やよい

著者紹介

十時 やよい(ととき やよい)著書を検索»

桐朋女子高校音楽科・桐朋学園大学演奏学科ピアノ専攻卒業後福岡でコダーイを学ぶ。1980年に佐賀で音楽教室を始め,佐賀コダーイ芸術教育研究会を設立。Ugrin Gabor・Arany Janos・Rozgonyi Eva・Kocsarne Herboly Ildiko・陣内直氏を招いてのソルフェージュ・合唱セミナーを毎年開催。


ピアノ教育の教材と方法論「メヌエット」,ピアノ教師の演奏グループ「Sinfoniaひびき」,弦楽教師中心のアンサンブル演奏グループ「Corda vuota」などの各種教師の勉強会設立。


「日本コダーイ協会全国大会in佐賀’97」実行委員長。

元日本コダーイ協会理事・国際コダーイ協会会員。

佐賀コダーイセンター主宰。

「佐賀わらべうたセミナー」「佐賀保育セミナー」主催。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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