- はじめに
- 第1章 「わらべうた」って何?遊びの種類
- 1 コダーイ音楽教育を始める前に
- 2 乳幼児6年間
- 3 「わらべうた」って なーに?
- 4 子どもの発達にそった,わらべうたの順次性
- 5 乳児の発達段階にそった「遊ばせ遊び」一覧表
- 第2章 「美的遊び」を目指して
- 1 「美的遊び」とは,どんなことでしょう?
- 2 「わらべうた」を子どもにする前に,大人同士で実践しましょう!
- ≪共に学び合う豊かさを≫
- (1) グループ実践の仕方
- (2) まず,自分自身の身体を感じ,人間の身体を知りましょう(実践)
- (3) 人間の身体の仕組みを知りましょう
- (4) 子どもの,発達曲線をみてみましょう
- 第3章 イラスト&解説でよくわかる!「遊ばせ遊び」
- 【実践の仕方と目的】A実践/Bポイント
- 1 触る遊び A/B
- ≪自己認知の始まり≫(知覚神経)
- 【顔遊びの原則】
- 2 見る遊び A/B
- ≪注視≫
- 3 身体を揺らす A/B
- ≪揺らす遊びの目的≫(運動神経)
- 4 舟こぎ A/B
- ≪腰の屈伸運動≫
- 5 歩き A/B
- ≪人になる≫
- 【人間の脳について】
- 付録 膝の屈伸
- 6 手を振る A/B
- ≪手はどこからどこまででしょうか?≫
- ≪手について≫
- 【身体発達を手助けする遊び】
- 7 模倣遊び A/B
- ≪大人とする遊び・子どもが真似する遊び≫
- 8a ミニ集団の遊び 2歳前半 A/B
- ≪人から人間へ≫
- 8b ミニ集団の遊び 2歳後半 A/B
- ≪ミニ集団について≫
- 【「わらべうた」の出発点 「役交代遊び」】
- 9 テーマ遊び A/B
- ≪テーマをもった 「ごっこ遊び」≫
- 10 鑑賞:文学(語呂合わせ・詩)/こもりうた A/B
- ≪音楽と文学≫
- 【「わらべうた」や「語呂合わせ」の,知的な要素】
- 11 実践曲の出典一覧表
- 第4章 まとめ「わらべうた」が子どもの財産となる為に
- 1 大人である私たちは,何を心にとめて,子どもの遊びを伝えていけば良いのでしょうか?
- 2 音楽的な美しさ
- 3 仕草を美しく,心地良さを伝えるには
- (1) 触る遊び
- (2) 見る遊び:学びの準備
- (3) 身体を揺らす:歩きの準備1
- (4) 舟こぎ:歩きの準備2
- (5) 歩き:運動認知の第1歩
- (6) 手を振る:運動認知の第2歩⇒身体認知
- (7) 模倣遊び:運動認知の第3歩/学びの第1歩
- (8a) ミニ集団の遊び:社会性の第1歩
- (8b) ミニ集団の遊び
- (9) テーマ遊び:社会性の第2歩
- (10) 鑑賞:文学(語呂合わせ・詩)/こもりうた⇒芸術・文化の入り口(社会性の第3歩)
- 4 テーマ遊びとファンタジー遊び
- 付録 音楽教室のために 佐賀コダーイ音楽教室カリキュラム
- 1 乳児クラスの目的とレッスンの概要
- 2 乳児クラスのレッスンの計画について
- 3 乳児クラスレッスンの計画用紙と記録用紙のサンプル
- おわりに
はじめに
コダーイ音楽教育の特徴は,一貫性と計画性です。
その基本は,子どもの身体・情緒・知性の成長段階によりそった,課題と方法論によるものです。
日本にコダーイ教育がもたらされて50年を迎えました。ハンガリーの優れた先生方から,多くの豊かな教えを受けてまいりました。多くの先生方の努力によって実践的なわらべうたの本が出版されてまいりました。そして今,コダーイの求めた「母国語のわらべうたから始める音楽教育」日本の言語と音楽と文化を基本にした一貫教育を始める時期を迎えたように思えます。
佐賀では40年前から「わらべうた」を遊び,「わらべうた」から音楽の読み書きを学び,「わらべうた」から合唱をし,「わらべうた」からピアノやヴァイオリンを学び始める音楽教室を実践してまいりました。その中で,子どもたちの成長に合わせ,子どもたちの必要に応じて作り行ってきたレッスンのカリキュラムと実践の方法,教科書などを,作ってまいりました。
「乳児のわらべうた」は,私自身が「わらべうた」による人格形成の豊かさを最も実感した部分です。子どもの発達にそった「わらべうた」を佐賀の先生方と分類して,初めての方もすぐ計画的に実践できるようにしました。保育園・子ども園・幼稚園の先生方も,これを参考に計画をたてて,「わらべうた」をいっぱい遊んでいただけるとうれしいです。一人一人違う子どもですから,計画どおりいかないのはあたりまえ!でも計画があると,何が違うか,何が必要かが見えて訂正ができますし,それによって変わってくる子どもたちがより可愛くなってきます。計画と実践と訂正を繰り返しながら,お一人お一人のカリキュラムができていくのを楽しみに,この本を作りました。
/十時 やよい
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- 明治図書