- はじめに
- 本書の使い方
- 我が国や世界の遊びうた,伝統的な音楽で
- 低学年
- 1 楽しいよ! 「えかきうた」
- 2 「おちゃらか」でお手合わせ
- 3 「なべなべそこぬけ」で踊って歌って奏でよう
- 4 リズムあそびだ! 「小犬のビンゴ」
- 5 「山のポルカ」で合いの手あそび
- 6 重なるかねの音「かねがなる」
- 中学年
- 7 音がつながる「かりかりわたれ」
- 8 「ゆかいなまきば」でゆかいな合奏
- 9 速度を変えて「Head, Shoulders, Knees And Toes」
- 10 「いろんな木の実」でのりのりリズム
- 11 古いが新しい!?「こきりこぶし」
- 12 「Sing a Rainbow」で色イロな歌い方
- 高学年
- 13 「ソーラン節」で民謡づくり
- 14 リズムで,音でIn and Out!
- 15 つなげて重ねて「アリラン」と「赤とんぼ」
- 16 「ロックマイソウル」でそれぞれの旋律を感じ合おう
- 魅力ある歌唱共通教材で
- 低学年
- 17 おはなになって「ひらいたひらいた」
- 18 「かたつむり」であそぼう
- 19 「うみ」で3拍子のお手合わせ
- 20 「ひのまる」はドレミLove
- 21 呼びかけあそび「かくれんぼ」
- 22 「春がきた」で歌あそび
- 23 「虫のこえ」ってどんな声?
- 24 「夕やけこやけ」で拍やフレーズを感じよう
- 中学年
- 25 どんな「うさぎ」にしようかな?
- 26 「春の小川」はミ・ソ・ラが決めて
- 27 「茶つみ」に合いの手や副次的な旋律を入れよう
- 28 「ふじ山」で富士山を描こう
- 29 「さくらさくら」和の空間をつくりだそう
- 30 声の強さによって情景が変わる「とんび」
- 31 「まきばの朝」で歌詞の様子に合わせて歌おう
- 32 「もみじ」音を重ねよう
- 高学年
- 33 「子もり歌」心地よくウトウトと
- 34 「こいのぼり」で歌い方アップ!!
- 35 スピード感をもって「スキーの歌」
- 36 私たちの「冬げしき」を歌おう
- 37 「越天楽今様」と雅楽「越天楽」
- 38 歌詞を大事に「おぼろ月夜」
- 39 歌って楽しい「われは海の子」
- 40 私の「ふるさと」は心の故郷
- 声や楽器,身の回りの音や音楽で
- 低学年
- 41 「おさらにだんご」で歌あそび
- 42 声でよびかけっこ
- 43 キラキラ音色を「きらきらぼし」で
- 44 和太鼓のリズム ドンドコドン
- 45 なにしてあそぶ?
- 46 ほしぞらをおんがくで
- 47 紙の音を楽しもう
- 48 まねっこで鍵盤名人
- 中学年
- 49 歌って合わせて楽しもう!
- 50 お返事ゲームで声あそび
- 51 「あそびましょ」でリコーダーでおはなししましょ
- 52 「陽気な船長」タンギングアラカルト
- 53 つつでミュージック
- 54 今日のメニューは何にする?【ボイス・アンサンブル】
- 55 リズム どう重ねる?
- 高学年
- 56 「うめとさくら」で声あそび
- 57 ドレミをまねしてドレミすき
- 58 旋律が,楽器が,重なる呼びかけ合う
- 59 イ短調の響きもかっこいっイ!
- 60 High & Lowゲーム〜「基準の音」に重ねよう
- 61 5音で広がる 日本の響き
- 見て聴いて体を動かして
- 低学年
- 62 ステップ&ターン「セブンステップス」
- 63 聴いて,感じて,表そう「行進曲」
- 64 「たまごのからをつけたひなどりのバレエ」を聴こう
- 中学年
- 65 「かね」の音が聞こえる?
- 66 王の行進と馬のダンスの協演「ファランドール」
- 67 動いて踊って「ノルウェー舞曲 第2番」
- 高学年
- 68 音楽の仕組みでフォーメーション・ダンス!
- 69 いろんな気分の「パッフェルベルのカノン」を
- 70 詩と音楽が織りなす「日本歌曲」
はじめに
学びを深める音楽あそび!
小学校音楽科の目標及び内容は,令和2年度より完全実施された新学習指導要領の趣旨に基づき,資質・能力の三つの柱に整理されて示されるようになりました。「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて,これらの目標及び内容を子供たちが身に付けられるように活発な授業改善が行われています。
ア 何を理解しているか,何ができるか
(生きて働く「知識・技能」の習得)
イ 理解していること・できることをどう使うか
(未知の状況にも対応できる「思考力・判断力・表現力等」の育成)
ウ どのように社会・世界と関わり,よりよい人生を送るか
(学びを人生や社会に生かそうとする「学びに向かう力・人間性等」の涵養)
本書は,そうした現在の音楽科教育の動向を踏まえ,前著『準備らくらく! アイデア満載! 小学校音楽あそび70』の第2弾として「音楽あそび」の事例を掲載いたしました。「音楽あそび」とは,子供の興味・関心を引き出すだけでなく,楽しみながら音楽を表現したり,鑑賞したりするために必要な基礎的な能力や,思考力・判断力・表現力等を培っていく活動のことです。
本書では,前著に引き続き,短い時間で行え,無理なく続けられる活動,題材の中で常時活動として扱うと,子供の主体的な学び,協働的な学びが得られる事例を掲載しました。それに加えて,「主体的・対話的で深い学び」につながるような題材の展開に音楽あそびを入れ込むようにしました。歌唱共通教材から伝統音楽,各分野の教材に至るまで,様々な音楽あそびを紹介することで,多くの先生方が「私もしている」「こうすればいいのか」「なるほどやってみよう」と思われ,毎日の音楽科授業に自信をもって取り組んでいただいたり,子供たちが主体的・協働的に音楽学習に取り組めたりし,子供たちにとっても指導者にとっても互いの学びが深まるヒントとなればと考えています。
その一例が,「我が国や世界の遊びうた,伝統的な音楽で」のパートです。ここでは,グローバル化した社会に生きる子供たちのために,日本人として知っておきたい日本の伝統的な子供のうたや音楽,世界の音楽文化の一端にふれる子供のうたや音楽を扱います。それらの音楽は,子供の遊びや地域の仕事,生活に根ざしたものです。「音楽あそび」を楽しみながら,無理なく多様な音楽に親しむ中で,音楽の基礎的な能力を培い,自己や他者のよさを見いだし,ともに生きる力を育んでいきたいと考えました。
また,「歌唱共通教材」24曲全曲を取り上げました。「音楽あそびに,歌唱共通教材?」と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。歌唱共通教材は,世代を越えて歌い続けていきたい曲,季節や自然等の風情や美しさを感じられる曲として,日本人の感性が息づく「音楽の継承」という意味合いで取り上げられています。それらを大切にしながら,歌唱共通教材がもつ音楽としてのよさや面白さ,美しさを感じ取るのが,「魅力ある歌唱共通教材で」のパートです。
「音楽あそび」で日常的に歌ったりその旋律やリズム等にたっぷりと親しんだりすることにより,子供にとって身近な歌となり,おうちの方と一緒に歌える歌,他国の人に「日本の歌です!」と自信をもって紹介できる歌として,学ぶ意味を実感できるようになります。
まとめに,各事例の目標についてふれておきます。本書では,始めに述べた資質・能力の三つの柱を押さえながら,各事例で特に育てたい資質・能力に焦点を当てて,1つか2つの目標を「ねらい」として示しました。三つの柱に示された資質・能力は,別個に育てていくものではありませんが,1つの事例の中ですべて育まれるものでもありません。ここに記載した目標は,各事例を題材の中に取り入れて展開されるときに参考にしていただき,様々な題材の中で三つの柱に整理された資質・能力がバランスよく育てられていくように実践していただけたらと考えています。
音楽科の学びをみんなで深める「音楽あそび」です。
様々な場面でご活用ください。
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