- はじめに
- 第1章 新しい音楽の学びを創るアクション
- 01 VUCA(ブーカ)時代の学校音楽教育を考える
- 02 「学校でともに音楽を学ぶ意義」を考える
- 03 「音楽授業にICTを取り入れる理由」を考える
- 04 音楽の学びをアップデート&クリエイトする
- 05 学校音楽教育SDGs〜未来の学校に音楽を残していくために
- 第2章 タブレット活用のアクション
- 06 音楽授業を支える4つのWebサービスを使いこなす
- 07 授業でタブレットを活用する @歌唱編
- 08 授業でタブレットを活用する A器楽編
- 09 授業でタブレットを活用する B音楽づくり編
- 10 授業でタブレットを活用する C鑑賞編
- 11 授業でタブレットを活用する D音楽行事練習編
- 12 音楽室のインターネット環境を把握する
- 13 タブレットのための授業環境を整備する
- 14 タブレットのための学習規律を考える
- 15 LMSを活用する
- 16 授業支援システムで思考を共有する
- 17 タブレットを活用して学習を評価する
- 18 「音楽科年間ICT活用資料一覧表」を作成する
- 19 学習者用デジタル教科書のこれからを考える
- 番外編 こなっしーはこう考える! タブレット活用に関するQ&A
- COLUMN 01 こなっしーの学校&音楽室探訪
- 第3章 オンライン学習実現に向けたアクション
- 20 タブレットを活用して学習を評価する
- 21 教科の特性を活かした「音楽のオンライン授業」を考える
- 22 音楽の「ハイブリッド型授業」を構築する
- 23 オンライン学習動画をつくる @シンプル撮影編
- 24 オンライン学習動画をつくる Aプレゼンソフト活用編
- 25 オンライン学習動画をつくる B動画編集アプリ活用編
- 26 既存コンテンツを利用する @情報サイト編
- 27 既存コンテンツを活用する AWebアプリ編
- 28 オンライン学習と著作権 @SARTRAS理解編
- 29 オンライン学習と著作権 A著作物オンライン活用編
- 番外編 こなっしーはこう考える! オンライン学習に関するQ&A
- COLUMN 02 「明日の音楽室」よりこんにちは!
- 第4章 学びを進める感染症対策アクション
- 30 感染症禍で音楽授業を進める @対策の基本的な考え方
- 31 感染症禍で音楽授業を進める A感染対策指針提示術
- 32 感染症禍で音楽授業を進める B指導計画の弾力的運用
- 33 感染症禍で歌唱活動を進める
- 34 感染症禍で管楽器活動を進める @ハイブリッド型学習編
- 35 感染症禍で管楽器活動を進める A飛沫防止グッズ活用編
- 番外編 こなっしーはこう考える! 感染症流行時のアクションQ&A
- COLUMN 03 自分が感染! さあ,どうする?!
- 第5章 音楽行事継続に向けてのアクション
- 36 感染症禍で音楽行事を計画する
- 37 感染症禍で対面音楽会を実施する @人員構成編
- 38 感染症禍で対面音楽会を実施する A実施方法編
- 39 テレビ(オンライン)音楽会を実施する
- 40 テレビ(オンライン)音楽集会を実施する
- 41 テレビ(オンライン)ミニコンサートを開く
- 番外編 こなっしーはこう考える! 音楽行事実現に向けたアクションQ&A
- COLUMN 04 3年ぶりに開かれた音楽会
- 第6章 音楽教師の働き方改革アクション
- 42 音楽教師のテレワーク @機器準備編
- 43 音楽教師のテレワーク Aオンラインサービス活用編
- 44 音楽教師のテレワーク Bオンライン会議・研修参加編
- 45 音楽科の「ペーパーレス化」を進める
- 46 音楽教師向けの最新教育情報を集める
- 47 音楽教師の「伴奏」を考える
- 48 音楽教師の時間割を管理する(感染症禍編)
- 49 音楽教師の危機管理 @行事やりくり編
- 50 音楽教師の危機管理 A保護者クレーム対応編
- 番外編 こなっしーはこう考える! 働き方改革に向けたアクションQ&A
- COLUMN 05 悩み多き,こなっしーの働き方改革
- おわりに
はじめに
皆様,こんにちは! こなっしーこと,小梨貴弘です。
本書をお手に取っていただき,ありがとうございます。
本書は,私にとって3冊目の単著となります。前作から2年半,新型コロナウイルス感染症によるパンデミックやGIGAスクール構想の実現を経て,初めて出版する本となりますが,この間に起こった様々な出来事は,私にとってもまさに青天の霹靂,教師としての常識を覆す巨大なインパクトとなりました。特に,パンデミックによって様々な教育活動が制限されたことで,今まで子供たちとともに実現してきた様々な音楽活動ができなくなったことには,教師として無力なことに心が病みそうにもなりました。
しかし,これは日本中の教師が同じように行動されてきたことですが,様々な制限によってできなくなってしまったことにいつまでもくよくよしているのではなく,「今」を生きる子供たちのために何ができるのかを,今まで以上に必死になって考え,実現してきたように思います。学校が臨時休校になったときは,家庭にいる子供たちと何とかつながることができないかと頭をひねり,オンラインでの遠隔学習にも取り組みました。また,GIGAスクール構想により1人1台端末が配付されてからは,制限されている楽器の代替物としてアプリを活用したり,録音機能を使って学校と家庭の分散学習を進めたりもしてきました。
こうした取組の一つ一つは,我々教師が様々な制限がある中で何とか学びを前進させようと苦し紛れに行ってきたアクションですが,今から考えれば,それらは全て令和時代のスタンダードとなる,音楽の新たな学び方を創り出していた,ともいえます。パンデミックによる教育活動の制限は悲しむべきことでしたが,逆にプラスに捉えるならば,昭和時代から続いてきた「学校音楽教育のマンネリズム」を見つめ直し,新しい価値を見いだすきっかけになったとも思うのです。
本書は,令和の日本型学校教育のスタート,そして感染症によるパンデミックを経て,私が日々思い悩みながらも,「今を生きる子供たちのために,何ができるか」を考えて起こした様々なアクションの記録です。50に及ぶアクションの中には,皆様がこれからの音楽の授業を考えていくうえで必要だとお感じになるものがあろうかと思います。
逆に,本書に記されているアクションのうち,パンデミックが急拡大していた中で行われたものについては,平時には必要ないと感じられるものもあるかもしれません。しかし,パンデミックがまだ十分に収束したとは言いきれない中,また,世界情勢の急激な変化で日常生活においても先が見通せなくなってきている中で,これら非常時におけるアクションも,まだまだ知識として必要なものであり続けるのではないかと思います。
先ほど「思い悩みながら」と書きましたが,まだ誰も経験したことがない新たなアクションを起こすことは,とてもワクワクすることでもありました。本書を手に取ってくださった皆様が,それぞれの学校でワクワクしながら,令和時代の新しい音楽授業づくりのアクションを進めていただければ幸いです。
/小梨 貴弘
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- 明治図書
- おすすめの本、おすすめのアプリ、授業実践など2023/7/1740代・小学校教員