道徳授業改革シリーズ
山下 幸の道徳授業づくり 社会につながる道徳授業

道徳授業改革シリーズ山下 幸の道徳授業づくり 社会につながる道徳授業

新刊

あなたの授業が革命的に変わる!山下流「社会派」の道徳づくり

オリジナル教材で、22の道徳内容はこう教える!自分の生き方を考え、社会につなげる道徳授業づくりが、子どもたちに力を育みます。身近な社会から切り抜いたオリジナル教材でつくる、山下幸流の道徳授業づくりがぎゅっと詰まった1冊です。


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ISBN:
978-4-18-296617-0
ジャンル:
道徳
刊行:
対象:
中学校
仕様:
A5判 144頁
状態:
在庫あり
出荷:
2020年8月18日
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もくじ

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まえがき
第1章 目指す道徳授業と学習活動を重視した展開
1 「特別の教科 道徳」をめぐって
2 道徳の読み物資料の何が問題なのか
3 価値観の思い込みや押しつけを排除する
4 主体的に思考・判断・表現できるような学習活動を取り入れる
5 刺激することで深い思考につなげる
6 学習活動として具体的に工夫する
7 教材開発と学習活動の工夫の未来像
《本書の構成》
第2章 学習活動を重視した道徳授業22の展開
A 主として自分自身に関すること
1 [中学1年](自主,自律,自由と責任) 言葉を定義する「お節介」
2 [中学1年](節度,節制) 自分を救う方法を考える「悪口」
3 [中学3年](向上心,個性の伸長) 心の鏡に映してみる「ひとりじゃなかよ」
4 [中学2年](希望と勇気,克己と強い意志) 決心の重さを読み解く「コンプレックス」
5 [中学1年](真理の探究,創造) 過程と結果を比べてみる「愛される職場」
B 主として人との関わりに関すること
6 [中学2年](思いやり,感謝) ランキングを読み解く「恋愛幻想」
7 [中学1年](礼儀) あたりまえを見直す「ありがとう」
8 [中学1年](友情,信頼) 名言からイメージ化する「絵はがきと切手」
9 [中学3年](相互理解,寛容) 歌詞の意味を問う「漂流郵便局」
C 主として集団や社会との関わりに関すること
10 [中学3年](遵法精神,公徳心) 判断基準を考える「1/13,500」
11 [中学3年](公正,公平,社会主義) 実名公表の意味を検討する「報道の使命」
12 [中学2年](社会参画,公共の精神) 開拓を支える功罪を考える「鎖塚」
13 [中学1年](勤労) 支える力の大きさを知る「裏方」
14 [中学3年](家族愛,家庭生活の充実) ポスターから広げる「誰がために安心はある―出生前診断の真実―」
15 [中学2年](よりよい学校生活,集団生活の充実) 架空の相談を引き寄せて考える「傍観者」
16 [中学2年](郷土の伝統と文化の尊重,郷土を愛する態度) 郷土の歴史を受け止める「魔獣」
17 [中学3年](我が国の伝統と文化の尊重,国を愛する態度) 片づけで見つめ直す「ときめき」
18 [中学2年](国際理解,国際貢献) ディベートを取り入れる「2つのハート」
D 主として生命や自然,崇高なものとの関わりに関すること
19 [中学2年](生命の尊さ) 絵日記に描く「おもかげ」
20 [中学3年](自然愛護) 社会問題の対策を考える「彩りの丘」
21 [中学1年](感動,畏敬の念) 孤独を味わう方法を考える「空」
22 [中学3年](よりよく生きる喜び) 動画の背景を探る「The Challenged」
第3章 道徳授業の課題と価値
1 道徳授業と専門教科との結びつきをどう捉えたらいいのだろうか
2 1時間の中で教師の悪癖をどう乗り越えたらいいのだろうか
3 裏側に潜む本質に気づくために何を心がけたらいいのだろうか
4 無意識の問題を意識化するにはどうしたらいいのだろうか
5 価値観を共有するためには何を心がけたらいいのか
6 他人事から自分事に近づけるにはどうしたらいいのか
7 生徒指導・進路指導と道徳授業の狭間で気をつけることは何だろうか
8 「内面的資質」をどのように見取るのか
9 道徳授業を通して行動の喚起をどこまで期待するのか
10 「考え,議論する道徳」へ向けてどのように出発するのか
あとがき

まえがき

 特別の教科として道徳が全面実施されてから1年,不平や不満,なかにはアレルギー反応とも思えるような拒否感を口にしない同僚はいなかった。

 思い起こせば,2002(平成14)年から実施された学習指導要領においては,「生きる力」の育成が宣言され,「総合的な学習の時間」が創設された。それは教科書がないことで五里霧中の状態からスタートしたが,中学校においてはその多くがキャリア教育へと収斂されていくことで,内容も方法もある種パターン化されるに至った。

 一方,教科書に掲載されている読み物資料を中心に,「道徳性」という名の道徳的な判断力,心情,実践意欲と態度を育てていく道徳科においては,まだ指導の材も方法も確立していない。「総合的な学習の時間」のようにパターン化してしまえば,現場に立つ教師の戸惑いは小さくなるかもしれないが,同時にマンネリ化との相克を頭に入れる必要がある。

 中学校は教科担任制である。専門とする教科を,小学校よりもより深く,突き詰めて指導する場であるとも言える。よってその専門教科に対する関心や知識,思考や技能といった専門性が,中学校教師の確固たる存在証明にもなっている。

 ところが,道徳においてはその専門性が通用しない。というより,専門性を結びつけて指導するところにまで至らず,単なる読み物の読解で終わったり,指導書通りの発問で流したり,日常生活と結びつけないまま人ごととして扱ったりしている授業が散見される。道徳とは何であるかを,いまだ多くの教師が説明できるところにまでは至っていない。

 なぜ,こうした状況が生まれてしまうのだろうか。一つには,自身の専門教科と道徳科との違いが認識されていない点が挙げられる。道徳科は他の教科の知識や技能とは異なり,知識として理解すること自体が目的ではない。1単位時間のなかで,思考を深めて「道徳性」を養うことが目標である。

 また,一つの材を「自分」との関わりとして考え,「自分」の生き方の手がかりとして,深く考えさせることができるかという問題点もある。いわば,道徳的諸価値についての理解をもとに,自己を見つめ,物事を広い視野から多面的・多角的に考え,人間としての生き方についての考えを深めるような授業が構成できるかどうかが教師に問われるのである。

 まずは教師自身が,一つの材を幅広い視点から分析できるかどうか。それができるようになったなら,ほんの少しでいいので,より深い材をもとに自主的に開発できるようにしてみてはどうか。私の主張はこの2点である。


 本書は,道徳科の学習活動に焦点を当てつつ,中学校の22の道徳科内容項目すべてにわたってオリジナル自主教材を1実践ずつ取り上げた。学習活動そのものの価値と,道徳教材としての価値,さらに教材開発のきっかけと授業実践への手立てという観点に分けて読者にわかりやすく提示したつもりである。

 ただし,文章技術が未熟なため,意図が伝わらない面が多く出てくるかと思う。その場合は忌憚なくご意見やご批判をいただければ幸いである。

 そもそも私は,国語教師として専門性を高めることを念頭に,これまで所属している研究集団ことのはを中心に学び続けてきた。したがって,道徳科の実践においても自ずと国語的な発想をもとにして,国語的な問いを構成し,国語的な表現を求め続けてきたことは否めない。その結果,ある意味クセの強い道徳授業づくりとなっていることも理解しているつもりである。

 道徳授業づくりにおいて,みなさんの一つの参考になれば幸いである。


   /山下 幸

著者紹介

山下 幸(やました みゆき)著書を検索»

1970年北海道留萌管内苫前町生。北海道教育大学岩見沢校卒。1992年に北海道空知管内にて小学校教員としてスタートを切る。1995年「研究集団ことのは」に入会。2006年より札幌市公立中学校に勤務する。国語教師として実践を積み重ねつつ,道徳教育やインクルーシブ教育にも研鑽を深める。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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