粘り強くともに学ぶ子どもを育てる
教材と深く対話する「教科する」授業の理論と実践

粘り強くともに学ぶ子どもを育てる教材と深く対話する「教科する」授業の理論と実践

アクティブを超えた「教科する」授業を創る!

教材と子どもたちとの厳しく粘り強い対話を追求し、教科の本質に迫る魅力的で挑戦的な教材で授業における「学び深め」を大切にし、クラスみんなで教材と格闘しゆさぶりを伴って思考を深める「教科する」授業のエッセンスを具現化する熊大附属小の練り上げ型授業を紹介。


紙版価格: 2,200円(税込)

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ISBN:
978-4-18-293014-0
ジャンル:
授業全般
刊行:
対象:
小学校
仕様:
B5判 128頁
状態:
在庫あり
出荷:
2024年4月22日

目次

もくじの詳細表示

はじめに
第1章 今求められる学力と授業づくりの方向性―深い学びをどう捉えるか―
1 「主体的・対話的で深い学び」をどう捉えるか
2 教科の本質を追求する授業とは
3 「教科する」授業を創る
4 「見方・考え方」をどう捉えるか
―高次であることと学びの深さ,重さの同時追求へ
5 教材と深く対話するとはどういうことか
6 熊本大学教育学部附属小学校の実践の可能性
7 新学習指導要領のさらに先へ
第2章 粘り強くともに学ぶ子どもを育成する授業づくり
1 今,なぜ「粘り強くともに学ぶ」力が必要なのか
@「令和」の時代を生き抜くことのできる子どもの姿
A「粘り強さ」の価値には,人間にしかできない「人間としての強み」がある
B「粘り強さ」を身に付けるのは,どの教科のどの領域・分野なのか?
2 研究主題の「粘り強さ」と今求められる学びの姿
@「粘り強さ」と「主体的・対話的で深い学び」
A「粘り強さ」と「見方・考え方を働かせた学び」
3 「粘り強さ」を育てる授業づくりの3つの視点
@主体的な学びを生みだす単元構成と課題設定の工夫
A豊かな対話を生みだし,深い学びに誘う教師の働きかけ
B自らの粘り強さをメタ的に捉え直す振り返りの工夫
第3章 3つの視点でつくる粘り強くともに学ぶ子どもを育成する授業事例24
【視点1】主体的な学びを生みだす単元構成と課題設定の工夫
1 2年音楽科 あらわそう!場面の様子
2 2年図工科 並べて,積んで,広がる世界〜ウッドブロックを使って〜(造形遊び)
3 3年算数科 長さに目をつけて三角形を調べよう(三角形と角)
4 3年体育科 ダブルアタックゲーム(ネット型ゲーム)
5 4年国語科 登場人物の気持ちの変化を想像し,副音声付ドラマを作ろう(ごんぎつね)
6 4年社会科 自然災害から人々を守る〜くまもとを守る,子ども防災士になろう!〜
7 4年理科 探れ!水のすがた〜透明な氷を作り出せ〜
8 4年保健 健康すくすくプロジェクト〜ぼく・わたしの未来予想図〜(育ちゆく体とわたし)
9 5年家庭科 めざせ!かしこい消費者〜上手に使おう お金と物〜
10 5年外国語 He is wonderful! He can cook delicious omelets!〜友達の新しい素敵な一面を紹介しよう〜(We Can!1 Unit5,9)
【視点2】豊かな対話を生みだし,深い学びに誘う教師の働きかけ
11 1年道徳科 すてきなじぶんとであうために(単元型学習: A 個性の伸長)
12 2年生活科 ふゆもたのしく〜ふしぎな木のみ「ムクロジ」であそぼう!〜
13 5年社会科 国土の自然とともに生きる〜川や海のプラスチック汚染と私たちの生活〜
14 5年算数科 自分だけのきれいなしきつめもようを作ろう(図形の角)
15 5年理科 探れ!とけているものは何だろう?
16 6年国語科 文章を読んで理解したことに基づいて,自分の考えをまとめ,私と太一の対談記を創ろう(海の命)
17 6年算数科 1枚の紙から図形の仕組みについて探究しよう(特設単元)
18 6年音楽科 つくろう!オリジナルBGM〜循環コードにのせて〜
19 6年体育科 ダイナミックボックス〜跳び箱運動〜(器械運動)
【視点3】自らの粘り強さをメタ的に捉え直す振り返りの工夫
20 1年算数科 どちらがひろいかな(広さ)
21 2年国語科 臨場感あふれる『オノマトペ人形劇』で,人物の様子や気もちを語りつごう(スーホの白い馬)
22 3年総合的な学習の時間 世界に誇る地下水都市・熊本
23 4年外国語活動 This is my happy day!〜絵本を通して家族にメッセージを伝えよう!〜(Let’s Try!2 Unit9)
24 6年理科 解き明かせ!てこのひみつ
おわりに
研究同人・執筆者一覧

はじめに

 熊本大学教育学部附属小学校は本年度,創立145周年を迎えます。明治7年(1874年)に熊本仮師範学校附属学校として創立され,その後,昭和26年(1951年)に附属小学校と改称し今日に至るまで,長い歴史と伝統を誇ります。当時から,教育研究・実習指導を両輪として,先導的研究や教師教育(人材育成)の在り方を教育現場に常に発信し続けてきております。この度,平成最後の研究発表会を迎えるに当たり,次の新しい時代に,現在に至るまで途切れることなく脈々と受け継がれてきたこのバトンを繋いでいく責任の重さやその大きな節目に居合わせためぐり合わせに,職員一同大きな使命とやりがいを感じているところです。

 さて,本校は,昨年度より2ヶ年,文部科学省より「教科等の本質的な学びを踏まえた主体的・対話的で深い学びの視点からの学習・指導方法の改善の推進」事業を委託され,「粘り強くともに学ぶ子どもの育成」という主題(1年次)のもと研究を進めてまいりました。私たちは,子どもたちが課題と正面から向き合い,それぞれの教科等の見方・考え方を駆使して,主体的に解決していくような学習の文脈をいかにしてつくり出していくかということについて焦点化し実践研究を行っているところです。その中で,少しずつではありますが,授業実践を通じて成果も見えてまいりました。昨年度の研究発表会では,「主体的・対話的で深い学び」に,子どもの姿で迫ることができたかを話題にしていただくことができました。

 また,昨年度は,新学習指導要領に位置付けられました「プログラミング学習」の授業も公開しました。今,求められている新たな領域の授業を実現していくことも本校の使命であると考えての公開でした。これまでの本校の歩みについて,忌憚のないご意見をいただき,さらなる研究の深化を目指していきたいと考えております。

 最後になりましたが,本書の第1章を京都大学大学院 教育学研究科 准教授 石井英真先生にご執筆いただくことができました。ご多用の中にお引き受けいただきましたことに,心よりお礼申し上げます。さらに,昨年度の研究発表会でも,石井先生に「今求められる学力と授業づくりの方向性〜「深い学び」をどう捉えるか〜」というテーマで,午前中に行いました公開授業も踏まえてのご講演をいただきました。研究発表会にご参会いただいた皆様の「深い学び」を生みだすことができました。今回の第1章「今求められる学力と授業づくりの方向性―深い学びをどう捉えるか―」は,昨年度のテーマにつながる,今求められるとても意義深い提案であると感じています。たくさんの先生方に本書が届きますことを願っております。


  2020年2月   熊本大学教育学部附属小学校 前校長 /島田 秀昭

著者紹介

石井 英真(いしい てるまさ)著書を検索»

京都大学大学院教育学研究科准教授

〈略歴〉

1977年兵庫県洲本市生まれ。京都大学大学院教育学研究科博士後期課程修了。博士(教育学)。専攻は教育方法学(学力論)。

熊本大学教育学部附属小学校(くまもとだいがくきょういくがくぶふぞくしょうがっこう)著書を検索»


※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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      明治図書
    • 「教科の本質」を校内研で、どのように進めていけばよいかわかりました。
      2021/9/440代・教務
    • 人として物事とどう向き合うかを,授業と教材を通して考える ということを実践してみたくなる。
      2020/9/540代 教育サークル事務局
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