高校教師のための「探究学習」ガイドブック

高校教師のための「探究学習」ガイドブック

総合77位

生徒が自走する持続可能な「探究」へ

生徒を主体とした探究学習の授業デザインから、探究のプロセス別のチェックリストや指導のポイント、アップデート法や評価まで、押さえておきたい理論と実践例をわかりやすく解説した1冊。すぐ役立つ生徒の悩みごとの乗り越え方、課題設定シートなどの実物資料も満載!


紙版価格: 2,376円(税込)

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電子版予価: 2,138円(税込)

7/24刊行予定

ISBN:
978-4-18-288220-3
ジャンル:
授業全般
刊行:
対象:
高校
仕様:
A5判 192頁
状態:
在庫あり
出荷:
2024年5月16日

CONTENTS

もくじの詳細表示

まえがき
1章 探究学習ガイダンス
1 「探究」とは?―生徒を主体とした学びの新しい形
2 探究学習はなんのため?―目的と目標
3 探究学習の特徴とキーワードは?
4 学習プロセス上の探究の位置づけは?
5 探究プロセスの進め方のイメージは?
2章 探究学習のデザイン
1 探究の内容・カリキュラムの作り方
2 探究学習の条件とガイドラインの検討
3 探究テーマ・課題の設定
4 探究のレベルとのバランスの決定
3章 探究プロセス別のチェックリスト
1 探究プロセスとは?
2 「課題の設定」の「チェックリスト」
3 「情報の収集」の「チェックリスト」
4 「整理・分析」の「チェックリスト」
5 「課題解決策の実行」の「チェックリスト」
6 「まとめ・表現」の「チェックリスト」
7 「振り返り」の「チェックリスト」
4章 「課題の設定」の指導のポイント
1 「課題の設定」のポイント―どうやって生徒の関心を引き出すか?
2 「課題の設定」で「教師が困ること」と「解決テクニック」
3 [指導事例@]「問題」と「課題」の違いは?
4 [指導事例A]問いの「種類」から「具体的な問い」をどう設定?
5 [指導事例B]課題の設定のサポート方法は?
5章 「情報の収集」の指導のポイント
1 「情報の収集」のポイント―信頼性の高い情報の収集のために必要なこと
2 「情報の収集」で「教師が困ること」と「解決テクニック」
3 [指導事例@]「一次資料」と「二次資料」の違いとは?
4 [指導事例A]「フィールドワーク」(現地調査)成功のポイントは?
5 [指導事例B]「インタビュー」の効果的な準備とは?
6章 「整理・分析」の指導のポイント
1 「整理・分析」のポイント―情報を整理し,分析する方法とは?
2 「整理・分析」で「教師が困ること」と「解決テクニック」
3 [指導事例@]思考ツール,使いこなせていますか?
4 [指導事例A]「浅い考察」と「深い考察」の違いとは?
7章 「課題解決策の実行」の指導のポイント
1 「課題解決策の実行」のポイント
2 「課題解決策の実行」で「教師が困ること」と「解決テクニック」
3 [指導事例@]課題解決策の実行をどう促すか?
8章 「まとめ・表現」の指導のポイント
1 「まとめ・表現」のポイント―まとめ・表現を行う際に気をつけること
2 「まとめ・表現」で「教師が困ること」と「解決テクニック」
3 [指導事例@]本番発表前に全体の底上げをするには?(スライド内容)
4 [指導事例A]本番発表前に全体の底上げをするには?(発表方法)
5 [指導事例B]校内発表後,次のステップは?(企業発表+全校発表まで)
9章 「振り返り」の指導のポイント
1 「振り返り」のポイント―評価を正確に行い,改善の方向性を見出す
2 「振り返り」で「教師が困ること」と「解決テクニック」
3 [指導事例@]振り返りの授業は,どう進める?
10章 高度化・自律化を目指した探究学習のアップデート
1 地域・企業と連携して「社会の創り手」を育む
2 解決策への飛びつきは避けよう―問題の「本質的な原因」が鍵
3 社会で役立つ持続可能な解決策を考える2つのヒント
4 探究を高度化・自律化するための具体例
5 入門期にオススメの活動―ケースメソッドで商店街の活性化問題に挑む
6 探究に3年間取り組んだ生徒が感じた「探究の良さ」と「課題」とは?
11章 生徒同士&教員同士のチームワークのアップデート
1 グループや集団には形成過程がある
2 グループ形態別探究のメリット・デメリットは?
3 探究学習を指導する教師の悩みと克服法
4 同僚との協力体制の築き方
5 探究学習における教師の具体的な役割は?(伴走とは?)
12章 探究学習の日常への応用
1 教科で探究学習を取り入れるコツ
2 修学旅行もプチ探究に(オリジナルガイドブックづくり)
3 身近な場面(校内や生活場面)でも課題解決を図る生徒に
4 探究学習と進路指導―2つはどうリンクするのか?
13章 探究学習の評価
1 「総合的な探究の時間の評価」のポイント
2 探究の評価マニュアル―指導要録の記述術
参考文献

まえがき

 この本に興味を持ってくださり,ありがとうございます。学習指導要領で注目を浴びている探究学習。皆さんの学校では,探究の取組は順調でしょうか。

 探究学習は,これまでの一斉授業とは異なる方法も多く,戸惑う部分もあるかもしれません。例えば,こんな疑問が浮かんだことはありませんか。


 ・「そもそも探究学習って何? 本当はよく分かっていない」

 ・「なぜ探究をしないといけないの? 意義や目的は?」

 ・「生徒が問いを作れていない。どうしたらいい?」

 ・「生徒の探究が進んでいない。どんなサポートをしたらよいの?」

 ・「探究は労力がかかる。もっと生徒が自走できる方法はない?」

 ・「探究の評価はどう行うの?」


 このように,「探究学習って,何それ?」と首を傾げた経験は誰しもあると思います。私自身もそうでした。

 しかし,校内で探究の担当になってからは,研修会に参加したり,関連書籍を読んだり,さらには生成AIにアドバイスまで求めたり。年々,実践しながら毎年100ページ以上の記録を積み重ね,翌年の実践を改善してきました。一言で言えば,探究学習について熱心に「探究」してきたのです。

 この本は,先のような悩みをお持ちの先生方に向けて,以下の2つの特長を持つ「探究のお悩み解決アイデア」をまとめた現場のための実践書です。


 ・特別な学校ではなく,どの学校にも役立つ内容に(基本から発展まで)

 ・労力のかかるガチ探究ではなく,取り組みやすい持続可能な探究に


 この本は,これまで得てきた知見を全13章に凝縮しています。探究学習を少しでも持続的に,成果を上げるためのエッセンスが詰まっています。


 ・探究学習について

  1章 探究学習ガイダンス

  2章 探究学習のデザイン

 ・探究プロセス別のチェックリストとポイント

  3章 探究プロセス別のチェックリスト

  4章 課題の設定

  5章 情報の収集

  6章 整理・分析

  7章 課題解決策の実行

  8章 まとめ・表現

  9章 振り返り

 ・探究学習のアップデート

  10章 アップデート策

  11章 チームワーク

  12章 日常への応用

 ・探究学習の評価

  13章 探究学習の評価


 なお,本書における「探究」とは,総合的な探究の時間を中心に示していますが,国は現在,「総合的な探究の時間」と「教科における探究的な学習」の両方の充実を目指しています。この点から,本書の内容は,教科の探究にも役立つヒントを提供しています。

 私は,探究学習を通じて「課題発見・解決力」を身に付けることが,人生や社会の向上につながると信じています。困りごとに直面したとき,本質的な問題を特定し,取り組む課題を明確化し,解決策を検討し,他者と共にその解決策を実行する力は,人生や社会を主体的によくするために必要です。

 本書の完成には,多くの方の支援がありました。勤務校の生徒,田芳幸校長先生,大町司教頭先生,教育研究部や同僚の先生方,さらには校外の多くの方々。そして,米田謙三先生,紀平武宏先生,藤原亮治先生,蒲生諒太先生,山口隆志さんには探究プロジェクトで特にお世話になりました。

 本書はどの章から読んでいただいても大丈夫です。先生方の悩みや疑問をサポートする手引き(ガイド)としてご活用いただければ幸いです。

 それではさっそく,探究学習の冒険を一緒に始めましょう!


  2024年1月   /上山 晋平

著者紹介

上山 晋平(かみやま しんぺい)著書を検索»

1978年広島県福山市生まれ。広島県立福山誠之館高等学校卒業後,山口大学教育学部入学。2000年からオーストラリア・キャンベラ大学に交換留学。その後,庄原市立東城中学校,中高一貫校の福山市立福山中学校に勤務。2009年から同校の高校教諭となる。英語教育・達人セミナーや研究会,校内研修,学会,ALT研修会等で発表を行う。文科省「ESD(持続可能な開発のための教育)の手引(令和3年5月改訂)」有識者。ESDやSDGsを取り入れ,校外機関と連携を行い,タイのバンコクでのユネスコの国際会議でプレゼンを行うなど,新しい教育,学校づくりに励んでいる。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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      明治図書
    • 上山先生の著者は全て拝読させていただいています。どの本よりも、現場の教員に使いやすい内容で書かれています。
      2024/2/4福島 英語教員
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