- はじめに
- T 今、授業をどう変えなければ
- 1 先生、結局答えは何なの
- 2 学力は高いが
- 3 今、授業を変えなければ
- 4 キーワードは「実感」「共感」
- 5 実感のある学習
- (1) 学習を生活や体験とつなぐ/ (2) 出力型の学習を作る/ (3) 学習したことを生かす
- 6 共感のある学習
- (1) 伝えることを大切にする/ (2) しっかり受け止める/ (3) 自分や友達のよさを評価する
- U 授業をどう変えるか
- 一 表現することで理解を深める国語の授業
- 1 物語作家になろう(三年)
- (1) 作るために読み深める/ (2) 物語作家になって/ (3) 情景描写を豊かに
- 2 登場人物と対話をしよう(五年)
- (1) 物語の続きは?(わらぐつの中の神様)/ (2) インタビュー記録の交流
- 二 今を見つめ、未来を語り合う社会科学習
- 1 「熊本市火災ゼロプラン」を立てよう(四年)
- (1) 被害が減らない原因は?/ (2) そこで提案!「火災ゼロプラン」/ (3) 未来を語り合う学習を成り立たせるもの
- 2 「日本を紹介するホームページ」をつくろう(六年)
- (1) 日本のことを知っていますか?/ (2) 「日本ってどんな国ですか」/ (3) 「えっ、分からないよ」「答えられない」/ (4) 「もっとたくさんの人に伝えたい」
- 三 魅力ある教材で算数を学ぶ
- 1 サッカーに角を見いだす(四年)
- (1) 子どもと角/ (2) 量としての角/ (3) シュートを教材に/ (4) 入りやすさの秘密/ (5) 実感を通した理解
- 2 運動能力向上のよろこびを統計学習で味わう(六年)
- (1) 運動能力と統計学習/ (2) 運動能力アップをテーマにする/ (3) 楽しくトレーニング/ (4) 統計処理に取り組む/ (5) 結果報告会/ (6) よさを味わう
- 四 使える理科っておもしろい
- 1 『パウーアップ装置』付きロボットを作ろう(四年)
- (1) ロボット登場/ (2)『パワーアップ装置』の秘密を探る/ (3) ロボット作りで『パワーアップ装置』を使う/ (4) ロボットショーをしよう
- 2 つかんだきまりを生かした「おもしろ!物の溶け方 科学館」
- (1) 「自然てすごいな、不思議だな」という感動を/ (2) 一人一人を追求の主人公に/ (3) 「おもしろ!物の溶け方 科学館」をしよう
- 五 生活に生きてこそ生活科
- 1 「お芋の楽しい商店街」をつくろう(二年)
- (1) 芋が生活に生きた/ (2) まず、食べちゃおう(「活動のめあて」をもつ)/ (3) お芋の商店街をつくろう(かかわりを強め、気づきを深める)/ (4) これまでの活動を自分の生活に生かす
- 六 音楽物語づくりで教材をより深く味わう
- 1 「夕やけこやけ」物語をつくろう(二年)
- (1) 子どもの体験や重いが生きる音楽物語づくり/ (2) イメージをふくらませる/ (3) 音やせりふをつくる/ (4) つくった音やせりふをつなぐ/ (5) 音やせりふを練り上げる/ (6) 「夕やけこやけ」を歌い味わう
- 七 図工は鑑賞がおもしろい!
- 1 自画像とは何か(六年)
- (1) 何のために描くのか/ (2) 鑑賞〜これ全部ピカソ?/ (3) 材料は何でもありだ!/ (4) 自画像を味わおう/ (5) 鑑賞は見方・感じ方を広げる
- 2 鑑賞あそびって楽しい!
- (1) 鑑賞遊びとは?/ (2) 名画パズルで遊ぼう(三年)/ (3) 構図を考えよう(三年)/ (4) 名画カルタをしよう(二年)
- 八 家族を意識した活動が生活する力と心を培う
- 1 家族のためのみそしる作り(六年)
- (1) まずは、試し実習で/ (2) 家族のために作る本実習
- 2 家族の健康を考えたふりかけ作り(六年)
- (1) ふりかけ作りに挑戦/ (2) ふりかけの品質表示ラベルを作る/ (3) 友達の工夫に学ぶ
- 九 楽しさの質を高める体育学習
- 1 大きく・高く・リズミカルに 〜五歩助走跳び〜(三年)
- (1) ぼくのフォームはどうかな/ (2) いろいろな練習の場で跳ぶ感覚や動きを高めよう/ (3) 五歩助走でリズミカルに跳ぼう
- 十 価値の自覚を深める道徳の授業
- 1 ありがとう おかあさん(二年)
- (1) 自分のこととして価値を受け止める/ (2) 取材活動を取り入れる/ (3) 取材活動と資料のつなぎ/ (4) 取材活動が生きる/ (5) 心に価値を
- あとがき
はじめに
本校での長年の授業に関する工夫と創意の成果を、研究書としてではなく、誰にでも親しみをもって、気軽に読むことのできる冊子にしてみました。
子どもたちの教室ではどのような授業が行われているのか、私たち教師が考えているよい授業、目指している授業とはどのような授業なのか、学校教師だけでなく関心のある方々に、ご理解いただけたらという願いが込められています。
幸い本校の研究発表会には、毎年全国各地より二千名前後の関係者においでいただいています。多くの小学校の先生方や教育学関係の先生からもご指導をいただき、それなりの評価をいただいております。
校内でも週一回を定例の研究の日と決め、全員で一人の教師の授業を見て、それについて徹底して意見を出し合い、お互いに理解し合い、それを各自の授業に生かしております。
こういったことから、授業を中心とする教育実践研究では、最前線にいるという意気込みをもっております。
近年、授業の実践研究も科学的で実証的研究であることが多くの人から求められています。
科学的、実証的研究とは易しく言ってみれば、子どもたちにとってよいと考えられた授業を、多くの先生方に、その内容について具体的なご理解をいただき、先生方にも同じ授業を経験していただくことだと考えます。
ここに書かれた内容についても、より高い見識をおもちの方々には、この程度が教育実践研究かとお叱りを受けるかも知れません。
しかし、これが現時点で本校教師の到達している成果なのです。
願わくは、皆様にもご指導なりご指摘をいただき、授業研究の更なる進展ができればというのが本校教師の率直な思いであります。
平成十年二月 熊本大学教育学部附属小学校校長 /桃井 凡夫
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- 明治図書