- まえがき
- 構造学習法の基礎
- 1 構造学習法のすすめ /佐藤 隆博
- 2 構造学習の認知心理学 /佐藤 隆博
- 3 構造学習法の実践とコンピュータの活用 /佐藤 隆博
- 4 ブルーナーの教科の構造と「構造学習法」 /平野 利治
- 構造化教材の開発
- 5 STD法によるテキスト開発と授業設計―自己学習力の育成を目指して― /長谷川 勝久
- 6 教科内容の構造分析に基づいた教科書準拠テキストの開発―CD-ROMをガイドに使った指導書とテキスト― /村松 久
- 7 教科内容の構造チャート上に演習問題・テスト問題をマッピング―教材内容の構造分析に基づく問題バンク― /佐藤 隆博
- 8 コンセプトマップを活用した構造学習―ISM教材構造化法による高校数学の戦略的教材利用を通して― /笹川 清喜
- 構造学習の授業設計と授業展開
- 9 英文法の授業の設計とその展開―直説法と仮定法の学習のためのコンセプトマップの活用― /諸岡 義次
- 10 児童による重要キーワードを用いた学習内容の構造化―小学校社会科『歴史分野』― /松橋 明英 /比留間 守
- 11 コンセプトマップをつくらせる学習の実践―中学校数学科「一次関数」の指導― /斎藤 昇 /佐々木 孝志
- 12 中学校数学科「図形」領域における課題探究型構造学習の実践 /斎藤 昇 /糸瀬 善人
- 13 生活科学習の構造化と授業設計 /菱田 清和
- 14 個別指導と家庭学習―コンセプトマップとS−P表を活用して― /多田 昭寛
- 15 論説:マルチメディア時代の学習指導と教材開発はどうあるべきか /川村 史記
- ○ 「情報文化教育研究会」について
- ○ 通巻目次
まえがき
これからの学校教育においてコンピュータ等の活用による[情報活用能力」の育成が重要であるとして,その育成の考え方等の指針となる解説書『情報教育の手びき』(ぎょうせい)が平成2年に文部省より発行された。そして,教育現場でのコンピュ一夕整備が進められてきている。このように,学校にコンピュータ等のマルチメディア導人が急速に進められてはいるが,コンピュータ等のマルチメディア学習環境をどのように活用していけばよいか,情報活用能力を身に付けさせるには生徒にどのように使わせればよいか,となると学校現場では戸惑いが多いようである。
それは,指導する教師自身が体験してこなかったことを教えなければならないからであり,また,コンピュータ教育,教育とマルチメディアに関する解説書の内容や教師研修コース等の内容がコンピュータ等の操作法・活用の具体的方法・実践例の紹介にいたるまで技術的な機能の使い道に偏っていて,教育の側からの必要を感じさせる内容が少ないことにも起因している。しかし,ここ10数年来教育現場での実践研究や教育実践の場を直視した研究のなかには,教育の側からの必要の論理にたった研究活動が推進されているところも多くあり,成果をあげている。本シリーズでは,そのような成果を組み入れながら教育現場におけるマルチメディア学習環境の活用のあり方とその具体的方法を提言し,そして教師研修・教科教育等にも焦点をあてた編集を行っている。
本シリーズの第1巻では「子どもの思考力育成」を,第2巻では「情報作成ソフトの活用」と「パソコン通信の教育利用」,そして第3巻では「教師の情報活用能力の向上」をテーマに,解説と実践例の紹介を行ってきた。
シリーズ第4巻である本書では,学ぴ方を身に付けていくベく学習法として,「構造学習法」をテーマに,その考え方,方法,および情報文化教育研究会の会員の実践の成果を編集している。構造学習とは,教科の知識構造をしっかりと学習することであり,構造を学習するということは,物事がどのように関連しているかを学習することである。構造学習を実践していくうえで,教師による教科内容の知識構造の分析と把握,授業設計,構造学習教材の開発,および生徒による構造化の様々なフェーズにおいて,コンピュータは,それぞれの場面での教師,および生徒の思考活動を支援する,重要な道具となっている。
1997年7月 企画編集委員長 /佐藤 隆博
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- 明治図書