- はじめに
- 1章 「音楽」のユニバーサルデザインの考え方とポイント
- 音楽授業のユニバーサルデザインとは?
- 今までの音楽授業をチェンジする視点
- 多様な子どもと音楽授業での困難さ
- 全体学習,グループ学習,個別学習のポイント
- 音楽科の評価と特別支援教育
- Column UDL「学びのユニバーサルデザイン」
- 2章 ユニバーサルデザインの視点でチェンジする授業づくり15のポイント
- 学習環境をチェンジする
- 教材や教具をチェンジする
- グループ学習をチェンジする
- 教師と子どものコミュニケーションをチェンジする
- 教師のパフォーマンスをチェンジする
- 指示や説明をチェンジする
- 発表の仕方をチェンジする
- 発問をチェンジする
- 常時活動をチェンジする
- 〔共通事項〕の指導をチェンジする
- 音楽科における道徳教育をチェンジする
- ワークシートをチェンジする
- 板書や掲示物をチェンジする
- 音楽会をチェンジする
- 評価の声かけをチェンジする
- Column 教師の多様な音楽の楽しみ方
- 3章 ユニバーサルデザインの視点でつくる新しい授業プラン
- 歌唱の授業をチェンジ
- 第1・2学年
- 第3・4学年
- 第5・6学年
- 器楽の授業をチェンジ
- 第1・2学年
- 第3・4学年
- 第5・6学年
- 音楽づくりの授業をチェンジ
- 第1・2学年
- 第3・4学年
- 第5・6学年
- 鑑賞の授業をチェンジ
- 第1・2学年
- 第3・4学年
- 第5・6学年
- Column 同じ楽器の演奏者でも
はじめに
「音楽好き,音楽の授業はもっと好き!」
子どもたちが目を輝かせて取り組んでいる音楽授業。そのような授業をつくっていきたい。本書を手にとっていただいた先生方,共通の思いではないだろうか。
しかし,現実は厳しい。
「前の先生の教え方は自分に合っていた。今の先生になってから最悪!」
「前の先生は何を言っているかわからなかったけど,今度の先生はすごく素敵!」
音楽を担当する教師の教え方によって,子どもが「音楽好き」や「音楽ギライ」になってしまうことがある。
授業者の数だけ,指導法が存在する。それが音楽授業の魅力であるかもしれない。しかし,子どもにとってはわかりにくさの原因でもある。
もう一つ注目すべきは,子どもの多様性である。
例えば,目で見て理解することが得意な視覚優位な子どもには,リズムを手で打っているところや,楽器を弾いているところを見せるとよい。聴いて理解することが得意な聴覚優位な子どもには,お手本となる音を聴かせるとよい。子どもによって,得意な理解の仕方が異なる。子どもによって大きく左右される。それが音楽科の宿命ともいえる。
本書は,音楽科のねらいを達成することを第一義としながら,ユニバーサルデザインの視点から音楽授業の改善を図ることを目的としている。音楽授業のユニバーサルデザインとは,より多くの子どもにとって,音楽科のねらいに沿った学習がしやすくなることである。
音楽室の学習環境や教材や教具などについて,本書では15のチェンジのポイントを示した。それは,子どもが学習しやすくなるためのちょっとした工夫である。本書をヒントにチェンジして,音楽室にいる多様な子どもたちが,授業のねらいを達成できれば本望である。
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- 明治図書