体育科授業サポートBOOKS
主体的・対話的で深い学びをつくる!体育授業「導入10分」の活動アイデア

体育科授業サポートBOOKS主体的・対話的で深い学びをつくる!体育授業「導入10分」の活動アイデア

新刊

たかが10分でも小中9年間で140時間!

毎時間、何の疑いもなく行っている体育授業の準備体操。その準備体操は、主運動での学びに生きていますか?当たり前のようにやっている準備体操を見直し、効果的な導入に転換することで、主運動の内容までが充実してきます!小中全領域の36のアイデアを収録。


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ISBN:
978-4-18-275214-8
ジャンル:
保健・体育
刊行:
対象:
小・中
仕様:
B5判 128頁
状態:
在庫あり
出荷:
2019年9月24日
新学習指導要領解説書籍
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目次

もくじの詳細表示

はじめに
Chapter1 準備体操・準備運動が効果的に変わる!
1 具体場面で即診断!〈よくある導入―問題と原因をチェック〉
2 「主体的・対話的で深い学び」における授業の導入
3 導入の10分間の組み立てのヒント
4 導入の改革が新しい体育カリキュラムを支える!
5 導入が体育の指導マインドを変える!
Chapter2 体育授業が魅力的に変わる!導入10分のアイデア36
1 体育・保健体育を大改革するための導入のアイデア
2 体育・保健体育を大改革するための導入の活用アイデア
3 領域別 導入10分の実践プラン
体つくり運動(体つくりの運動遊び)
1 いろいろなリズム・タイミングでウォームアップ!
小学校低学年
2 動きの「わかる」が「できる」につながる!
小学校中学年
3 障害物をドリブルしながら越えよう!
小学校中学年
4 運動感覚を高める動物歩き
小学校高学年
5 ウォームアップで,楽しく歌おう「郵便屋さん」
小学校高学年
6 あなたの隣,あなたの後ろ,みんなで丸くなって,あわせて動く
中学校
器械運動(器械・器具を使っての運動遊び)
7 動いて!かかわって!色んな動きで遊ぼう!
小学校低学年
8 楽しい導入!たくさんの経験から基礎感覚づくり!
小学校中学年
9 「〇〇な感じ!」を大切にした,運動感覚づくり!
小学校高学年
10 私の技は,楽しい「ウォームアップ」から!
小学校高学年
11 みんなで動くって楽しい!仲間を感じるシンクロ!
中学校
陸上運動・陸上競技(走・跳の運動・運動遊び)
12 しっぽと追いかけっこ!全力で走ろう
小学校低学年
13 「楽しく走る!」「楽しく競う!」
小学校中学年
14 楽しい!音楽にあわせてリズム走♪
小学校高学年
15 リズムから誘われる心地よい走り!
中学校
16 3歩のリズムをみんなで感じよう!
中学校
17 仲間との“ちょうど良い”を感じるパシュートラン
中学校
水泳運動・水泳(水遊び)
18 心も体も笑顔もパッ!
小学校低学年
19 「なんちゃってシンクロ」で踊ろう!
小学校中学年
20 自分のリズムを感じて!
小学校高学年
21 プールに入ったらスイッチオン!心も体もウォーミングアップ!
小学校高学年
22 水中ならではの特別な感覚を全身で感じよう!
中学校
ボール運動・球技(ゲーム)
23 「鬼ごっこするものこの指と〜まれ」笑顔と笑いの鬼ごっこ!
小学校低学年
24 伝承遊びでウォームアップ!
小学校中学年
25 「どこにうごけばよいかな?」ボールを前線に運ぼう!ウォームアップ・ゲーム!
小学校高学年
26 連携プレイでウォームアップ! ラリーの続くやさしいゲーム
小学校高学年
27 チームでつなごう!
中学校
28 “やさしい”ゲームでウォームアップ!
中学校
29 見て,感じて,やってミラー!
中学校
30 仲間とあわせる・仲間とずらす
中学校
表現運動・ダンス(表現リズム遊び)
31 なりきって動こう!ピタッと止まろう!
小学校低学年
32 8421魔法のリズム―だんだん早くなるリズムの変化を楽しもう!
小学校中学年
33 いろいろな曲の世界を楽しもう―聞いたらぱっと
小学校高学年
34 「ぎゅっと―ぱっと」の感じで遊ぼう―群の課題「集まる―跳び散る」の前に
中学校
35 からだを捻じるってどんな感じ?―運動課題「捻じる―回る―見る」の前に
中学校
武道
36 からだとこころの構えをつくる
中学校
おわりにかえて
執筆者一覧

はじめに

 「1・2・3・4……」と大きな声を出しながら,準備体操をする光景は,今も昔も典型的な体育授業の風景といえるのではないでしょうか?

 私が25年前に小学校の教師として勤務をスタートしたばかりの頃,体育の授業では,「整列・挨拶・準備体操」は大前提として実施し,その後から実際の単元の学習として教材研究を工夫していたように思います。すなわち,「準備体操」は疑いもせずにやることと考えていたのが現状だったと思います。

 私が特別というわけではなく,伝統的に「安全な運動実施」「運動パフォーマンスの向上」を名目として体育の授業の導入部で体操が実施されてきたのではないでしょうか? 近年では,スポーツ科学研究の進展によって,その実施への疑いが強調され,新しい取り組みもなされてきています。しかし,今なお,やらなければいけない強迫観念にかられている教師は少なくないと思います。

 導入部の準備体操・準備運動にかける時間は,45分あるいは50分の授業の中では,たった5分―10分程度の取り組みかもしれませんが,仮に10分間の活動として105回の授業でカウントすれば,1,050分もの時間となります。実に1年間の体育の授業の中で,17時間30分もの時間を導入に費やしていることになります。そして,小中学校をトータルすると下記の表のようになります。なんと総時間で,8,400分もの時間を準備体操・準備運動として経験していることになります。


表1 義務教育で経験する準備体操の総時間(省略)


 8,400分とは,140時間であり,6日間弱の時間を準備体操・準備運動の時間にあてているわけです。高校も体育は必修ですから,この時間よりもさらに多くの時間を準備体操・準備運動するという時間にあててきたといってもよいと思います。私たちは,これほどの時間を本当に有効に使えているでしょうか? こんなにも多くの時間を費やしておきながら,それが学びに生きていないのだとしたら,これは大きな問題ではないでしょうか? 私は,自分で授業実践をしながら,疑いの気持ちをもちながらも,半ば義務的に決まりきった準備体操・準備運動を実施してきました。大学に異動してからも,授業を参観する度に,不必要感を感じながらも,触れてはいけない視点のように感じ,思いを語らずにきたのも事実だと思います。

 時代の変化の中で,体育の学びも変化してきているように思います。しかし,体育には他教科と異なり,授業の進め方の手がかりとなり,教材となる教科書が存在しません。したがって,それだけ創造性が求められる教科です。そうなると,自分の考えに自信がなければ,「今までどおり」やっていくことが,最も問題のない選択肢にもなっていきがちです。そして,「変わらない」ことを選択してきたのだと思います。これは,「フツー」であることに居心地のよさを感じる日本人の特徴かもしれません。しかし,子どもにとって重要な一時間一時間をよりよいものにしていくには,時代に対応した変化なしには成功はありえません。よりよく変化したものにのみ,この機会は訪れるのです。そこで,本書は,「当たり前」という価値観の中で,教師が十分に検討をすることなく,なんとなく行ってきた導入部の5―10分程度に位置づく,「準備体操・準備運動」をよりよく変化させる為の手がかりを提示するものです。

 2017年には,予測が難しいといわれる未来を生きる子ども達にとっての学びという視点から学習指導要領が改訂されました。そこでは,「主体的・対話的で深い学び」が強調されるようになり,「何を学ぶか」だけでなく,「どのように学ぶか」を問題にするようになりました。編著者達は,このような問題の解消を,長い期間景色が移り変わることのなかった導入に注目し,この場面を再検討していく中で,未来の体育を考えていくきっかけを創り出そうと考えました。そこで,授業の導入で実施されることが多かった準備体操や準備運動について確かな根拠に基づきながら,考え直し始めました。編著者である鈴木・大熊は,「ウォームアップ・ゲーム」と称して,ボールゲームを中心に実践的研究を深め,中村は「スリーアップ」と称し,運動領域毎に実践を積み重ねてきました。これらの研究をベースにしながら,実践者と協働し,創り上げたのが本書です。

 儀式的な準備体操・準備運動を乗り越え,主運動と密接に関連した効果的な導入を実現するということが私たちの強い思いでした。そして,そのことが結果的に主運動の内容も充実したものにしていくと信じて実践研究を進めて参りました。すなわち,準備体操・準備運動の時間を有効なものにできるのだとすれば,およそ6日間分の,価値ある学びを子ども達に提供できるようになります。たかが10分ではなく,この重要な10分に注目し,授業改善を行っていくことが,体育授業全体のメッセージを書き換えることにつながると考えるのです。

 すなわち,未来の体育を支えるキーポイントは,授業の導入部の内容であると考え,そのアイデアを共有することで,体育・保健体育の大改革を目指そうとするのが,本書のねらいです。導入が変わる,それを取り入れることで,授業自体が変わる……そんな未来志向の書が本書です。


 2019年3月

編著者代表 鈴木 直樹

著者紹介

鈴木 直樹(すずき なおき)著書を検索»

埼玉県で9年間小学校教員を経験後,埼玉大学での勤務を経て,2009年から東京学芸大学の准教授。専門は,体育科教育学であり,体育の学習評価と構成主義的な授業づくりの研究に取り組んでいる。また,2008年にニューヨーク州立大学,2017年にメルボルン大学で客員研究員を経験している。

中村 なおみ(なかむら なおみ)著書を検索»

東海大学 体育学部 教授。筑波大学附属中学校に20年,その後仙台大学を経て現職。専門は体育科教育学,舞踊教育学で,ダンス領域の「問いかける−子供が動きで答える」という授業づくりの考え方を基盤とし,体育授業の実践的研究を現場と共に進めている。「動きの質感とその多様性」「両極の質はお互いを生かし合うこと」を相互に学びあう子どもの姿に着目している。

大熊 誠二(おおくま せいじ)著書を検索»

2019年4月より帝京大学 医療技術学部 スポーツ医療学科 助教。神奈川県出身。川崎市立中学校の教員,東京学芸大学附属竹早中学校の教員を経て,現職。中高の体育授業づくりを研究する民間研究団体に所属し,体育授業の実践研究に取り組んでいる。大学では教員養成に尽力しながら,実践者としての経験を生かした中高の体育授業づくりの研究に取り組んでいる。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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