「学習力」を育てる秘訣 学びの基礎・基本

「学習力」を育てる秘訣 学びの基礎・基本

好評13刷

80有余年の歴史をもつ「奈良の学習法」

奈良の学習法で培われる学習力 学習力を育てる10の秘訣 学習力の育つ学びの展開など、奈良の新しい実践の提言


紙版価格: 2,600円+税

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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-265118-9
ジャンル:
授業全般
刊行:
13刷
対象:
小学校
仕様:
B5判 180頁
状態:
在庫僅少
出荷:
2019年11月15日
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目次

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刊行のことば
第1章 「奈良の学習法」で培われる「学習力」
1.学習力とは何か
2.学習法の実践と学習力の育成
3.今,なぜ「学習力」なのか
4.学習力を育む学校生活
5.学びを支える基礎・基本
第2章 「学習力」を育てる10の秘訣
子どもが創る学校生活の秘訣
1 生活を拓く「朝の会」
2 生活を見つめる「日記」
3 生活を深める「自由研究」
4 生活を創る「日直」
5 生活を支える「学習環境」
子どもが進める学習の秘訣
6 学習を進める「司会」
7 追究を始める「おたずね」
8 追究力を育てる「独自テーマ」
9 相互学習を広げる「板書」
10 授業最後5分の「先生の話」
第3章 「学習力」の育つ学びの展開
1 「しごと」「けいこ」「なかよし」という教育構造
2 自立した「しごと」学習
実践1 さんぽを中心とした低学年の「しごと」学習 /谷岡 義高
実践2 けいこの課題学習に融合した「しごと」学習 /太田 誠
実践3 自立に向かう中学年の「しごと」学習 /都留 進
実践4 子どもが見方考え方を太らせていく「しごと」学習 /廣岡 正昭
実践5 「食」からつながる「しごと」学習 /堀本 三和子
実践6 『きになる木』の『はっぱ』をふやそう――5年「電気をつくる・電気を使う,大研究」―― /小幡 肇
3 子どもが創る「けいこ」学習
実践1 子どもが生きる国語学習――2年「雨の詩を読もう」―― /椙田 萬理子
実践2 きっちり「わかる」きっちり「できる」算数学習 /日和 佐尚
実践3 新しい歴史学習の構想――『人物学習の構想』と『時代イメージの把握』―― /廣岡 正昭
実践4 論理的な思考力を育てる理科学習――6年「奈良公園の生き物のつながりをさぐる」―― /杉澤 学
実践5 子どもが生きる総合的な「忍者の体育」学習 ――2年「学習の里・忍術村の豆忍者修業」の巻―― /岩井 邦夫
実践6 子どもの遊びから創る総合的造形学習――3年「あわの造形」―― /都留 進
実践7 豊かな情操を養う音楽学習 /野ア 宣器
実践8 くらしを見つめる家庭科の学習 /堀本 三和子
実践9 学習に生かせる道具としてのコンピュータ学習 /阪本 一英
4 子どもが運営する 「なかよし」学習
実践1 子ども自治を生み出す「なかよし委員会」 /金津 琢哉
実践2 文化的奉仕的生活を創り出す「グループなかよし」 /岩井 邦夫
実践3 子ども文化を交流する「なかよし集会」 /日和 佐尚
実践4 生活を協働する「臨海合宿」 /杉澤 学
実践5 子どもがつくる「運動会」 /阪本 一英
実践6 徳性を陶冶する「学級なかよし」 /金津 琢哉
実践7 子どもたちの保健室利用術 /矢田 留美子
あとがき 「学習法のいのち」
コラム
我が校のホームページ
音楽室探検
「心一つに」

刊行のことば

 当附属小学校で実践している「奈良の学習法」は,さかのぼること80有余年前,大正時代にその礎が築かれた。

 大正8(1919)年3月から昭和16(1941)年1月までの,およそ22年間にわたって本校主事を務めた木下竹次は,大正自由教育の機運の中で「合科学習」の実践に踏み切り,合科主義の教育実践と研究の発展に尽くした。

 木下の合科学習は,児童中心,生活重視,自律的学習等を特色とするものであった。学校における教育的な営為を,子どもの自主性や主体性の視点からとらえ,「教授」を通念としていた当時にあって,「学習」の考え方を主張したのである。そして,その実践形態を「学習法」と称し,学習(合科学習)の実践的研究は,深化と発展を遂げていったのであった。

 不幸な戦争体験を経て,終戦後,当附属小では,さっそく民主主義の時代に即応した教育のあり方や方向を求めて,教育研究の取り組みが再開された。

 新教育の先導を,と乞われて4代目主事に就任したのが,文部省より下った重松鷹泰である。日本の教育に初登場した「社会科」の創設に奔走された重松鷹泰は,その新たな船出を見届けて,当附属小に来られたのであった。

 重松主事を迎えて,当附属小では,戦後の教育計画として「奈良プラン」を建てた。それは,先述の木下竹次唱導の「合科学習」の理念,学習法の精神や伝統を継承したものであったことは,言うまでもない。そして,当時の同人諸氏たちが考えに考えて,子どもの学習生活を「しごと」「けいこ」「なかよし」の3部面からとらえたカリキュラムを構築したのであった。

 この三つの柱で構造化された「奈良プラン」は,その後,「奈良の学習法」と呼び交わされて,戦後の日本の教育の先頭を歩み続けてきた。しかし,教育界では,学習指導の軸が右に,左にと揺れる経緯を経て現在に至っている。ただ,当附属小においては,いかなる状況の中にあっても,学習法を死守し,現在までその命脈を保ち続けてきている。

 近年,教育の軸が,当附属小の学習法に近づいてきたとの認識を強くしている。その大きな要因が,平成14年度より全面実施となった新学習指導要領に登場した「総合的な学習の時間」の創設にあることは,間違いないであろう。私たちの「学習法」は,元来,総合性に立つ実践であり,時の趨勢の中で,その関心の高まりを肌で感じている。

 先に,私たち学習研究会では,「しごと」「けいこ」「なかよし」の実践の蓄積を,「奈良の学習法―『総合的な学習』の提案」(1998年,明治図書)で世に問うている。そこでは,学習法の解説をはじめ,総合的な学習の実践事例を,あらゆる角度から紹介している。

 今回の著書刊行に当たり,私たちは,前掲著の編集方針と違った角度から,学習法による取り組みの姿を編もうとした。前掲著を正攻法による編集とすると,今回の試みは,学習法の「土台作り」の奥義に相当する部面を引き出そうとしている。特に,「学習力」の育成は,学習法の根底を成し,本源的な重要課題でもある。両著を併せて,私たちの取り組みを立体的に浮かび上がらせたいと念じている。

 もっとも,改善すべき点は多々あるものと思われる。読者諸氏の忌憚のないご叱正を賜りたい。


   奈良女子大学文学部附属小学校 校長 /内田 聖二

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