- はじめに
- 本書の使い方
- Chapter1 高等学校学習指導要領解説から読み解く指導の在り方
- 1 目標と育成を目指す資質・能力
- 2 目標から読み解く指導の在り方
- Chapter2 高等学校外国語の学習評価の考え方
- 1 高等学校外国語の学習評価の考え方
- 2 学習評価の在り方(概要)
- 3 適正で充実した学習評価を行うために
- 4 評価の観点(詳細)
- 5 評価の3つの観点
- 6 評価規準の設定方法
- 7 評価の進め方
- Chapter3 高等学校外国語の新3観点の学習評価の実際
- 1 「聞くこと」の学習評価
- 2 「読むこと」の学習評価
- 3 「話すこと[やり取り]」の学習評価
- 4 「話すこと[発表]」の学習評価
- 5 「書くこと」の学習評価
- Chapter4 新3観点のペーパーテスト&パフォーマンステスト例
- 1 [基礎]「聞くこと」の評価例
- 2 [基礎]「読むこと」の評価例
- 3 [基礎]「話すこと[やり取り]」の評価例
- 4 [基礎]「話すこと[発表]」の評価例
- 5 [基礎]「書くこと」の評価例
- 6 [標準]「聞くこと」の評価例
- 7 [標準]「読むこと」の評価例
- 8 [標準]「話すこと[やり取り]」の評価例
- 9 [標準]「話すこと[発表]」の評価例
- 10 [標準]「書くこと」の評価例
- 11 [発展]「聞くこと」の評価例
- 12 [発展]「読むこと」の評価例
- 13 [発展]「話すこと[やり取り]」の評価例
- 14 [発展]「話すこと[発表]」の評価例
- 15 [発展]「書くこと」の評価例
はじめに
高等学校において,2022(令和4)年4月より,新しく改訂された学習指導要領のもとで授業が行われることとなった。今回の改訂は,戦後から続く学習指導要領の改訂の中でも大きな変革となっている。それは,従来の知識偏重型と教師主導型からの決別を意味している。前者は知識・技能中心から思考・判断・表現中心の授業への転換であり,後者は主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)の考え方に基づく授業への転換である。これらについて,まず理解することが大切である。つまり,「未だに文法・訳読の授業?」「未だに生徒より先生の話している時間の方が長いの?」などと揶揄されないためにも,今,英語教師に求められていることが何かを知る必要がある。平成28年12月の中央教育審議会答申を踏まえ,『高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 外国語編 英語編』(以下「学習指導要領解説」とする)には,以下の記述がある。これから,高等学校での課題が明確にされている。
高等学校の授業においては,依然として外国語によるコミュニケーション能力の育成を意識した取組,特に「話すこと」及び「書くこと」などの言語活動が適切に行われていないこと,「やり取り」や「即興性」を意識した言語活動が十分ではないこと,読んだことについて意見を述べ合うなど複数の領域を結び付けた言語活動が適切に行われていないことといった課題がある。
また,指導のみならず,評価も大きく変わった。ペーパーテスト中心の評価から脱却する時が来たのである。これからは,ペーパーテストとパフォーマンステストなどを加味した評価が求められる。しかし,これらは以前から求められていたことである。本来は,高等学校でも,小・中学校同様,観点別学習状況の評価を行うことになっていたが,高等学校の現場では遅々として進まず,今に至っている。そこで,今回,全面的に観点別学習状況の評価を行うこととなった。今までペーパーテストに頼っていた教師にとっては,観点別学習状況の評価は煩雑で面倒であると思う。しかも,さまざまな教育課程の説明会などから更に混乱状態に拍車をかけ,さまざまな書籍でも混乱の度を増す。「害あって益なし」と考える教師も出てくる始末だ。
そこで,本書では,誰にとっても分かりやすく,具体的な例を示しながら提示することに努めた。これにより,スッキリと腑に落ちた状態で指導と評価に取り組むことが可能になると考えている。教師の指導と評価が,次世代の子ども達に求められている知識や技能,思考力や判断力,そして表現力を向上させ,社会で英語を活用しながら活躍できる生徒の育成につなげるためにも,本書を活用いただけたら幸いである。
2022年2月吉日 /菅 正隆
-
- 明治図書
- 具体的事例がたくさんあり、大変わかりやすかった。2022/12/9m
- 実際の検定教科書を使って、展開や評価基準の例を取り上げておられるので、中学校から高校に送り出すという意識で、中高一貫した英語教育を行うための大変重要な書籍だと思います。2022/2/2340代中学校教諭J