- まえがき
- 中学校生徒指導要録・様式
- 様式1 学籍に関する記録
- 様式2 指導に関する記録
- 生徒指導要録改訂の概要
- 指導要録記入の実際
- 学籍の記録
- 学校名及び所在地,校長・学級担任者氏名印
- 各教科の学習の記録
- ○観点別学習状況○
- 国 語
- 社 会
- 数 学
- 理 科
- 音 楽
- 美 術
- 技術・家庭
- 保健体育
- ○観点別学習状況(選択教科)○
- 外国語(共通)
- 選択教科
- 評 定
- 評 定(選択教科)
- 総合的な学習の時間の記録
- 特別活動の記録
- 行動の記録
- 出欠の記録
- 総合所見及び指導上参考となる諸事項
- 指導要録取扱い上の注意
生徒指導要録改訂の概要(冒頭)
改訂の趣旨
平成13年4月27日付13文科初第193号「小学校児童指導要録,中学校生徒指導要録,高等学校生徒指導要録,中等教育学校生徒指導要録並びに盲学校,聾学校及び養護学校の小学部児童指導要録,中学部生徒指導要録及び高等部生徒指導要録の改善等について」(通知)をもって,小学校児童指導要録の様式等が大幅に改訂された。その改訂の改善の趣旨は次のとおりである。
その中で,学力と評価については以下のように示されている。
学力については,知識の量のみでとらえるのではなく,学習指導要領に示す基礎的・基本的な内容を確実に身に付けることはもとより,それにとどまることなく,自ら学び自ら考える力などの「生きる力」がはぐくまれているかどうかによってとらえる必要があります。これからの児童生徒の学習状況の評価に当たっては,このことを適切に評価できるよう,工夫することが必要となります。
この考え方は,学力の捉え方を適切にしていくことであり,点数主義,結果主義から脱していき,生徒の日常の評価の積み上げを重視した取組が各学校で必要となる。その土台となるのが学習指導要領であり,各教科で示された指導事項の重点的・系統的・総合的な展開が求められる。
そして,「生きる力」の育成に向けた総合的な捉える手だてを明確にした評価の工夫が欠かせない。また,評価の要諦としてはさらに次のように示されている。
指導要録は,1年間の学習指導の過程や成果などを要約して記録するものであり,その記録を確かなものにするためには,そこに至るまでの継続的な評価の充実が重要です。このため,これからの評価においては,各学校において,観点別学習状況の評価を基本とした現行の評価方法を発展させ,学習指導要領に示す目標に照らしてその実現状況を見る評価が一層重視されるとともに,児童生徒一人一人のよい点や可能性,進歩の状況などを評価するため,個人内評価が工夫されるようお願いします。それとともに,各学校において,指導と評価の一体化,評価方法の工夫改善,学校全体としての評価の取組が進められるとともに,学習の評価の内容について,日常的に児童生徒や保護者に十分説明し,共通理解が図られるようお願いします。
ここで示されている評価の工夫については,個人内評価に代表されるように一人一人のよい点や可能性を重視した各学校の取組が欠かせない。そして,指導と評価の一体化が示すように,各学校での指導の在り方そのものが問われてくることになる。また,指導の在り方として,学習指導要領で示されている2学年でまとまりで示された指導事項の内容を,学校としてどのように指導していくかという重点化が一層求められる。
各学校に共通する事項について
指導要録は,児童生徒の学籍並びに指導の過程及び結果の要約を記録し,その後の指導及び外部に対する証明等に役立たせるための原簿となるものであるが,今回の改善においては,中央教育審議会答申「今後の地方教育行政の在り方について」(平成10年9月21日)の趣旨等を踏まえ,各設置者等において,地域に根ざした主体的かつ積極的な教育の展開の観点から様式等が定められるよう,「指導要録に記載する事項等」を示し,簡素化を図るとともに,「参考様式」を添付する。
これによると指導要録には,
・生徒の指導に役立てること
・外部に対する証明に役立てること
というように「指導資料」と「証明原簿」の役割があり,二重の性格がある。このことは,これまでと同じ性格をもつものである。
今回の指導要録の様式を考える観点として各設置者が様式を定められるように,そして,簡素化の方向が一層進むことになる。この簡素化は,地域に根ざした主体的,積極的な教育の展開という各教育委員会の主体性によるものである。当然,今回の学習指導要領の示している基礎・基本の徹底,特色ある学校づくり等が関連してくる。
小・中学校の指導要録について
(1)各教科の評定について,学習指導要領に示す基礎的・基本的な内容の確実な習得を図るなどの観点から,学習指導要領に示す目標に照らしてその実現状況を評価することに改める。
学習指導要領に示されている指導事項は,生徒が身に付けるべき内容を示している。そのことがどの程度まで定着が図れているか,各学校で独自のカリキュラムの策定のもとに定着度を判断していく必要がある。実現状況とは,学習指導要領がどのような手だてで工夫改善されて,一人一人の生徒が1年間でどう変容したかを十分把握したい。
(2)「総合的な学習の時間」について,各学校で評価の観点を定めて,評価を文書記述する欄を新たに設ける。
評価の観点を設けるとは,総合的な学習の時間の2つのねらいに即して考えなければならない。
・自ら課題を見付け,自ら学び,自ら考え,主体的に判断し,よりよく問題を解決する資質や能力を育てること。
・学び方やものの考え方を身に付け,問題の解決や探究活動に主体的,創造的に取り組む態度を育て,自己の生き方を考えることができるようにすること。
こうしたねらいとともに,学校が定めた目標や内容に合わせて考えることと,各教科の特性に合わせることもある。
観点例:情報活用能力の育成
情報発信能力の育成
学び方,ものの考え方
学習活動の関心・意欲・態度
コミュニケーション能力の育成
問題解決能力の育成
(3)「生きる力」の育成を目指し,豊かな人間性を育てることが重要であることを踏まえ,「行動の記録」の項目を見直す。
現行の指導要録においての行動項目との対比をすると以下のようになる。
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