実践教育工学シリーズ1インターネットが教育を変える

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わが国のインターネットの教育利用の課題と展望、インターネット活用の教育実践、学校でのインターネット利用促進の条件、総合・情報の実践課題他。


復刊時予価: 2,904円(税込)

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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-261923-4
ジャンル:
その他教育
刊行:
2刷
対象:
小・中
仕様:
B5判 208頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

もくじ

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発刊のことば
T わが国のインターネットの教育利用の課題と展望
1 インターネットと教育実践の研究
1 知識が情報となるとき
2 モンキータッチングとネットサーフィング
3 変質する知識の価値
4 魚の目,鳥の目,鷹の目
5 情報が知識になるとき
6 学習する権利とインターネット
7 教育実践と実践理論の研究
8 実践理論の試み
9 実践理論と学会の役割
2 インターネットを利用した共同学習カリキュラムの開発と支援ツール
─「こねっと・プラン」モデルプロジェクトの研究成果─
1 共同学習のための素材提供のシステム
2 共同学習のためのカリキュラム開発
3 子どもによる情報発信
〜「メディアキッズ」の実践から〜
1 メディアキッズの概要
2 具体的な実践事例から〜ソフトクリエータプ口ジェクト
3 課題として
4 子どもが科学者に出会う
〜湧源サイエンスネットワークの活用
1 はじめに
2 研究背景
3 湧源サイエンスネットワーク
4 参加者にとってのYSNの意味
5 コミュニケーションとは
6 YSNの現在
7 参加者とシステム
8 活動概要とこれまでの結果
9 教師の内省と授業デザイン
10 生徒の変容の分析視点
11 科学者の変容
12 学校におけるコミュニケーション活動の問い直し
13 最後に
5 インターネットの教育利用を促進する施策
1 文部省の施策
2 主な答申書
3 地方交付税措置
4 文部省と郵政省のプロジェクト
5 文部省と通産省のプロジェクト
6 バーチャルエージェンシー
7 今後の課題
6 我が国の学校におけるインターネットプ口ジェク卜
─日本人学校プ口ジェクトを中心に─
1 はじめに
2 日本人学校プ口ジェクト
3 学校をベースにしたプロジェクトの意義
4 まとめ
U インターネットを活用する教育実践
1 インターネットを用いた地域間交流学習
1 学校プロフィール
2 インターネット利用のねらい
3 実際の活動例
4 実践を支えるネットワーク環境
5 新たな交流の方法
6 メールの問題点
7 成果と課題
2 生活環境の異なる学校との共同学習
1 単元名「食べ物があぶない」
2 はじめに
3 育てたい資質・能力
4 活動の構造図
5 活動の実際
6 児童の変容
7 最後に
3 ホームページに対するメッセージを活用した国際理解教育の試み
〜小学6年社会「世界の中の日本」での実践を通して〜
1 はじめに
2 教育実践の目的と学習活動の構成
3 児童が学んだこと
4 まとめ
4 高度情報通信社会における生きる力の育成
〜ネットワークの有効活用を通して〜
1 はじめに
2 研究の仮説と手だて
3 研究の構想
4 研究の内容
5 おわりに
5 インターネットを活用する学校間交流
1 はじめに
2 川島中学校の学校間交流の歩み
3 交流から得たものから今後に向けて
6 インターネットを用いた国際交流学習
〜インターネット,テレビ会議を用いたドラマコラボレーション〜
1 はじめに
2 インターネットを用いたMlDlコラボレーションからスタート
3 姉妹校とのドラマコラボレーション
4 テレビ会議の内容とドラマコラボレーションの経過
5 「互いの違いに学びあい,互いの違いを生かし合える場面」での生徒の様々な「思い」
6 これまでの成果と今後の課題
7 課題学習のためのネットワーク活用
1 はじめに
2 実践の背景
3 システムの概要
4 ネットワークアンケート【社会科学分野】
5 まとめ
8 地域ネットワークを活用する教育研修
1 石川県における教育用ネットワークシステム(スクールネット)の特色
2 スクールネットを活用するための教員研修プログラム
3 スクールネットで資源を活用する教員研修
V 学校でのインターネットの利用を促進する条件
1 最初は行動力・サポート・イベント,継続には全教科・全教員・全教室
1 はじめに
2 導入期は行動力・サポート・イベント
3 継続には全教科・全教員・全教室
4 おわりに:教育工学研究者からの貢献
2 コミュニケーションが変われば利用が変わる
1 電話・ファックスとインターネット
2 コミュニケーションと授業
3 教師自身の問題として
3 対等な立場での共同研究
〜理解ある上司の存在と成果の発表〜
1 はじめに
2 インターネットへの接続
3 教育実習への利用
4 今後の展望
4 教育委員会の支援がカギ
1 はじめに
2 馬橋小学校でのコンピュータ活用
3 インターネット利用促進の条件
4 おわりに
5 教師一人に「1台+ID」の環境を
1なぜ教師一人に1台のパソコンが必要か
2 なぜ教師一人一人にメールlDが必要か
6 教師のマルチタレント性が生きる
〜総合的な学習におけるインターネットの活用〜
7 子どもが自由に日常的に使えるインターネット学習環境が大切
1 はじめに
2 子どもによるネットワーキング
3 人が見えるインターネット学習環境
4 インターネット利用を広げていくために
8 新しいカリキュラムと重層的なサポート体制の必要性
1 はじめに
2 総合的な学習とインターネットの教育利用との接点の開拓
3 学校内外のサポート体制の確立
9 確かな理念を持ち校内の共通理解のもとに
1 ホームページ作成にあたっての考え方
2 指導にあたっての教師の役割
3 教師の啓発
4 ネットワークによる教師間の情報交換
10 これからの教育と高度情報化通信社会
は じめに
1 学校とインターネットの始まり
2 インターネットは学校を変える
3 教育現場の体制づくり
4 インターネットは教育に役立つのか
資料 インターネットの教育利用を考えるための参考資料
1 単行本・雑誌
2 インターネット(WWWサイト・ページ)
W 今日の教育課題「総合的な学習(情報)」の実践の課題
1 総合的学習と「情報」の課題
1 はじめに
2 総合的学習の内容構成は
3 情報教育からの総合的学習への接近
2 総合的学習の時間のための新たな授業づくり
1 総合的学習のためのカリキュラム開発
2 総合的学習のための授業づくり
3 小学校での情報教育の実際
〜何をどうするか〜
1 小学校における情報教育の意味と意義
2 総合的な学習と情報教育
3 情報通信機器の視聴覚的活用の推進
4 児童に対する情報教育の実際
5 課題
4 中学校での情報教育の実際
〜何をどうするか〜
1 総合的な学習の時間と情報教育
2 中学校における情報教育の指針
3 実践から体系化への一貫教育
4 実践事例データベースの構築
5 実践に当たっての課題
5 高等学校での情報教育の実際
1 はじめに
2 総合的な学習の時間の確保
3 情報教育と生きる力
4 実践事例
コンピュータの中の自分史40年に思う 〜情報インフラの進む中で〜
あとがきに代えて─インターネットと自由な学習
執筆者一覧

発刊のことば

   日本教育工学会 会長 /水越 敏行


 「日本教育工学会」という看板をみると,皆さんはどんなものを連想されるであろうか。例えば,コンピュータ,インターネット,情報教育,CD-ROM,マルチメディア,WWW,といったものが,まず列挙されるのではなかろうか?コンピュータ関連のハードやソフトが真っ先に連想されるのは,もちろん当節のメディアの動向からみれば,有り得ることだと思う。しかしその反面,大きな歪みというか,問題を感じる。人間の姿や問題が連想されてこない。特に子どもの学びや遊びの姿が浮かび出てこない。新しい学力形成と,メディア環境の現状の狭間にあって,苦闘し続ける教師の顔が,浮かばない。これでは「教育」という名詞を前に付ける資格がないと言われても仕方がない。

 それはどこに原因があるのか。まず考えられるのは,教育工学が15〜20年前に発足した当初は,文字通りハード先行の雰囲気があった。ハードといっても当時はまだコンピュータは視野になかったが「私の学校は,まだOHPもアナライザーもないので,教育工学に関心を持てません」というような声に代表されるような発想が,確かにあった。やがてコンピュータが導入され,大学や中学・高校で数学や理科のCAIが始まると,当時の巨大なコンピュータ装置が,頭から覆い被さってくるような錯覚を覚えたものだ。このイメージがその後,尾を引いているように思う。

 が実際はそうではない。その証拠の一つを上げると,1998年函館で開いた第14回大会では,教育メディア,教育評価,教師教育,授業研究・授業実践,インターネットを利用した授業実践,高等教育とメディア,等が,一般研究や課題研究の大半を占めている。学会機関誌でも,新たにショートレターを加えて,時の教育の実践的課題を取り上げるように努めてきた。全国各地での研究会を定期的に開いて,ご当地の教育課題を掘り下げ,比べ合う企画も拡充してきた。

 しかし,である。教育工学会の会員は,増加し続けているとはいえ,まだ2000人に充たない。教員の数は136万人である。この第一線の教師達に,学会の垣根を越えて直接に訴え,また教師や生徒の生の声を載せる機関誌が,どうしても必要なのだ。これが会長を引き受けてからの一貫した私の願いであった。中野照海・池田 央ら編集委員の献身的な努力と,明治図書のご協力とで,私を含めた会員の願いがやっと結実する日を迎えられた。一人でも多くの購読者を得て,内容の充実を計っていきたい。

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