- まえがき
- T なぜ「考える習慣」づくりがいるか
- 1 「考える習慣」とは何か?
- 2 なぜ「考える習慣」づくりがいるか
- U 高学年「考える習慣」づくりの決め手
- 1 「見る」技能を鍛える
- 2 「読む」技能を鍛える
- 3 「調べる」「書く」技能を鍛える
- 4 「話す」技能を鍛える
- 5 高学年「考える習慣」づくりの決め手
- V「考える習慣」づくりの年間の見通し
- 1 二つの基本方針
- 2 年間の見通しをどう作るか
- W「考える習慣」を育てる上手なほめ方、励まし方
- 1 新しい場面ごとにほめる
- 2 言葉をヒントにしてほめる
- 3 書かせることでほめる
- 4 調べてきたことをほめる
- X「考える習慣」が身につかない子へのアドバイス
- 1 「自信を持たせて」考えさせる
- 2 「ほめて」考えさせる
- 3 「得意科目で」考えさせる
- 4 「まねをさせて」考えさせる
- Y 授業で「考えさせる」追い込み方のテクニック
- ◆国語授業で「考えさせる」追い込み方
- 1 言葉にこだわることが考える力を伸ばす
- 2 考える習慣づくりは、まず「おもしろいな」と思わせること!
- 3 「討論」と「卒業論文」で全員に考えさせる
- 4 四つのテクニックで追い込め
- 5 二分法による討論の連続で「考えさせる」追い込みをせよ
- ◆社会科授業で「考えさせる」追い込み方
- 1 クイズで「考えさせる」追い込みをせよ
- 2 四つのステップで「考えさせる」追い込みをする
- 3 身近な題材「宅配便」で考える習慣を
- 4 もう一歩の突っ込みで「考えさせる」追い込みをせよ
- 5 『四つの対比』で追い込む
- ◆算数授業で「考えさせる」追い込み方
- 1 考える習慣づくりは、まず自信を持たせること!
- 2 知的好奇心問題が考える力を伸ばす
- 3 ちょっとした工夫で、やる気満々。頭をひねって考える
- ◆理科授業で「考えさせる」追い込み方
- 1 キーワードは五つのテクニック
- 2 五つのステップで「考えさせる」追い込みをする
- 3 追究心に火をつける発問で考える力を!
- 4 「考えさせる」追い込みは、『なぜだろうなぜかな?』から始めよう
- 5 自らも追究する中で、「考えさせる」布石の連打を!
- Z サークルからの提案「考える習慣」はこうすれば身につく
- 1 サークルの結論
- 2 「考える習慣」づくりの原則
- 3 「考える習慣」の身につけ方、こうすれば身につく
- あとがき
まえがき
意識は行動をつくり
行動は習慣をつくり
習慣は性格をつくり
性格は運命をつくる
これは、ある会社で見つけた社訓である。
この通りであると考える。
本書は、この前半部分が対象となる。「意識化段階から行動化段階へ。行動化段階から習慣化段階へ」ということになる。
子どもが「考える習慣」を持つにあたって、意識化し、行動化し、習慣化という手順を経ることを示している。
意識化を図るには、「考える習慣」の必要性を教える必要がある。
行動化を図るには、「発問・指示」で「考えさせる」追い込みが必要である。
そして、その行動化の連続により習慣化するようになる。
本書では、意識化は前提条件と考え、そのうちの「行動は習慣をつくり」の部分、つまり、行動化、習慣化を中心に述べたつもりである。
本書の特徴は、粗く言って三つある。
@理論、実践、提案と三部構成にした。
A実践はどこからでも読めるように、雑誌風の構成にした。
Bささやかなサークルの提案を盛り込んだ。
それぞれについて、若干の説明をつけ加える。
@理論、実践、提案と三部構成にした
理論編はT章からX章までである。
と言っても、実践を通しての理論編である。
そのため、理屈でがんじがらめの理論ではない。このようにすべきであるという基本的な考えを実践を通して示したに過ぎない。
実践編は、Y章である。
授業で「考えさせる」追い込み方のテクニックを示した。
国語、社会、算数、理科の四教科を通して、「考えさせる」追い込み方にどのようなものがあるかを示した。
提案編は、Z章である。
これまで取り組んだ中から、「考える習慣」をつけるには、「考えさせる」追い込みの連続が「考える習慣」をつくると結論づけ、そのためにはこうすべきであると、サークルの考えを示した。
A実践はどこからでも読めるように、雑誌風の構成にした
Y章の実践は、国語、社会、算数、理科と、それぞれ三から五本の実践を雑誌風にまとめて示した。
それによって、この実践編はどこからでも読めるように工夫している。
見出しを見て、読みたいところから読むのが可能である。
Bささやかなサークルの提案を盛り込んだ
「考える習慣」づくりに取り組んで見えてきたことから、サークルとしての提案をささやかであるが述べてある。
ここから、読んでもさしつかえがない。
このような本書であるが、低学年、中学年、高学年の三部構成のうち、高学年の「考える習慣」づくりの書である。
できるなら、低学年編、中学年編も合わせて読んで下されば幸いである。
本書によって、少しでも「考える習慣」づくりのヒント、テクニック等をつかめることになれば、望外の喜びである。
1999年1月 /柏木 英樹
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- 明治図書