支援の技術シリーズ42子どもが変わる「よい助言・わるい助言」 高学年

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授業展開中の助言、道徳での助言、特活での助言など、子どもの成長に助言はどうかかわるかを実際例で解説。良い助言の方法を事例で詳細に示す。


復刊時予価: 2,475円(税込)

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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-260915-8
ジャンル:
授業全般
刊行:
対象:
小学校
仕様:
B5判 148頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

プロローグ
T よい助言・わるい助言とは
1 授業における教師の言葉
2 よい助言・わるい助言とは
U 効果的な助言の条件とポイント
1 効果的な助言を行うための三つの条件
2 助言の原則を考える
V 個に応じた助言例
1 状況に応じた助言
2 聞かないと安心できない子
3 黒板を使って助言する
4 言葉の足りない子
5 プライドの高い子
6 わからないことをそのままにする子
7 助言を求められる教師か
W 授業展開における助言のポイント
一 国語科授業のよい助言・わるい助言
1 国語科授業における「よい助言・わるい助言」とは
2 文章を読む力をつける(「分析批評」の授業)
3 論理的な思考力・表現力を育てる
4 文章を書く力をつける
二 社会科授業のよい助言・わるい助言
1 社会科学習における「よい助言・わるい助言」とは
2 はてな? 発見の技能を高める「よい助言・わるい助言」
3 多様な方法で調べる技能を高める「よい助言・わるい助言」
4 表現する技能を高める「よい助言・わるい助言」
三 算数科授業のよい助言・わるい助言
1 算数科の助言
2 学ぶことの楽しさや充実感を味わわせるための助言
3 問題解決をしているときの助言
4 作業をしているときの助言
5 創造性の基礎を培う助言
6 基本的な技能を習熟させるための助言
四 理科授業のよい助言・わるい助言
1 理科での助言
2 観察でのよい助言・わるい助言
3 メダカを飼うときの助言
4 実験道具の使い方の助言
5 追究したいという意欲がある子への助言
6 実験に興味をもたない子への助言
7 話し合いに興味が無い子への助言
8 もの知りの子への助言
五 体育科授業のよい助言・わるい助言
1 体育科学習における「よい助言・わるい助言」とは
2 子どものやる気を高める「よい助言・わるい助言」
3 怖がる子の恐怖心をなくす「よい助言・わるい助言」
4 チームワークを高める「よい助言・わるい助言」
X 道徳授業のよい助言・わるい助言
1 深澤久氏の助言に学ぶ
2 いじめに立ち向かう授業
Y 特別活動における助言のポイント
一 学級活動における助言
1 学級活動と助言
2 学級の組織づくり
3 整理整頓を促す助言
4 集会活動をするときの助言
5 意欲的な学習態度をつける助言
6 助言は強制力をもってよい
二 学校行事のよい助言・わるい助言 〜行事実行委員への指導を中心に〜
1 学校行事における「よい助言・わるい助言」とは
2 実行委員会の行い方と助言
Z 総合的な学習でのよい助言・わるい助言
1 総合的な学習で身に付く力
2 森林を守る〜箸入れを作ろう〜
3 いろいろな形の切手を作ろう
4 パズルを作ろう
5 パソコンで遊ぼう
[ 保護者へのアドバイス
1 高学年の親子関係のアドバイス
2 高学年の保護者にすすめられる本
エピローグ

プロローグ

1 助言の重要性に気付く

 以前、6年生の社会科の授業で、「火おこし」を行った。「火おこし」の授業は、城北教育サークルの出水典克氏より学んだ。(詳細は、『「モノ」で社会科授業が変わる』城北教育サークル著・明治図書)

 かつて出水氏と私は同じ学校に勤務をしていた。そのため、出水氏に授業を見ていただく機会が多かった。

 この「火おこし」の授業も出水氏に見ていただいた。(参加していただいた?)

 私は、いい「モノ」を使っているので、子ども達は熱中し、よい授業になるのではないかと考えていた。まず、教室で火おこしのやり方について説明した。そして、屋上に行き、実際に、火おこしをやってみた。

 3〜5人のグループで一つ火おこしの道具を渡した。そして、協力して火おこしの体験をさせた。

 私はグループを回って歩いた。

 しかし、なかなか火がつかなかった。火がつかなかったグループに出水氏が行き、助言をすると、見事に火がついた。私の助言ではつかなかったが、出水氏の助言で、皆火をつけることができたのであった。

 自分の力不足を感じると共に、助言の大切さを実感した。

 それ以後は、「モノ」の開発と共に、助言も考えるようになった。


2 机間巡視での三つの視点

 助言を意識して、授業を展開することで、「モノ」も生きるようになった。

 そして、子どもに作業をさせる場面での机間巡視では、次の3点のどれかにねらいを絞って行うように気をつけるようになった。(単独でなく、重複する場合も多い。)


1 見守る

2 観察する

3 助言する


 「1 見守る」「2 観察する」という場合、子ども達のじゃまにならないように巡視することが大切である。

 机間巡視する場合、じゃまになるようなことをするならば、何もしない方がよい。子ども自身が「分かった!」という喜びを味わうためにも、なるべく助言をひかえ、できたという喜びを味わわせたい。

 「3 助言する」の場合、全く手が出ない子、できたが間違っている子を中心に助言している。ヒントカードは使わずに直接その場に応じた助言をするように心がけている。


 本書では「3 助言する」の部分を中心にしてまとめた。

 そして、助言については、

 【よい助言】

 または、

 【わるい助言】

というようにそれぞれ罫線で囲み、目立つように書いた。

 この本の助言を追試し、修正していただき、よりよい助言を創る参考になれば幸いである。


  平成十年四月四日   /菊池 靖志

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      明治図書

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