- 第1章 名人は無理でも,「上手な並」の授業者にはなりたい!
- 上手な並の先生は,こんな人です
- 上手な並の先生は,「いい雰囲気」をつくるのが上手
- 上手な並の先生は,自分の力が一番出せる状態で仕事する
- 上手な並の先生は,時間の余裕をもつように工夫し続ける
- 上手な並の先生は,多面的で教科をこえた考え方や見方をする
- 上手な並の先生は,長いスパンで子どもの成長を考える
- 第2章 「上手な並」の授業技術100
- 授業準備
- 001 単元のはじめに学習計画をまとめた表を配る(学びの地図)
- 002 テストを先に見て学習計画をより明確にする
- 003 学校の中を見て回る
- 004 クリアファイルを用意する
- 005 チェックリストを用意する
- 006 回覧されるものを見て情報を集める
- 007 子どもたちが主体的に活動する時間を準備する
- 008 10分ずつ活動をするように授業を分けて計画する
- 009 ICTを使って授業計画を次年度以降に残す
- 010 ワークシートは毎時間同じものを使う
- 教材研究
- 011 1時間の授業で個人の時間,グループ時間の活動を決めてから授業をする(学び時計)
- 012 板書の仕方を考えながら学習の見通しをもつ
- 013 1つの問題だけでなく,2つ以上を比較して考える
- 014 適応題の時間を充実させる
- 015 指導書の単元計画より早く進む
- 016 教師の説明を減らす工夫をする
- 017 教科書をとことん活用した授業を計画する
- 雰囲気づくり
- 018 授業で教師と子どもとの関係性をつくる
- 019 必ず期待する言葉をかけて子どもに任せる
- 020 子どもに何がしたいか聞いてから活動を進める
- 021 休憩時間の過ごし方を工夫する
- 022 ノートの返事で自発的に学ぶ子を増やす
- 023 すぐに謝って場を和ませる
- 024 絶妙な距離感をとり全体を大事にする
- 025 教室にものを溜めないようにしてみんなのストレスを減らす
- 026 緩急をつけた指導をして,居心地をよくする
- 027 1回の活動の中で繰り返し挑戦できる場をつくる
- 028 1回の授業で完璧にしようとしない(オープンエンド)
- 029 問題行動に自然に先手を打って雰囲気を保つ
- 030 待たないで進める工夫でみんなをひきつける
- 発問
- 031 授業の主発問やめあては教科書のものをどんどん活用する
- 032 発問を子どもに理解させる努力をしてから活動させる
- 033 発問をワークシートで補い理解しやすくする
- 034 前時したことや他の教科でした発問を活用し効率化する
- 035 般化できる答えになるよう発問の言葉を選ぶ
- 036 まとめの言葉を考えて,そこに至るような発問をつくる
- 板書
- 037 教師の板書より子どもの板書を増やす工夫をする
- 038 黒板に貼るものよりもモニターを活用する
- 039 時系列に沿った板書で理解しやすくする
- 040 板書を消す際に授業のポイントを再確認する
- 041 子どもに話し合わせるときは黒板をすべて解放する
- 導入
- 042 問題を発表した後,前時との共通点・相違点を考えさせる
- 043 授業の見通しを子どもに明確にもたせる
- 044 準備運動の時間を取って子どもを乗せる
- 045 だんだん導入の説明の時間を短くする
- 046 興味をもってくれる子たちに合わせて導入の活動を進める
- 047 子どもが導入で乗ってこなくても,自然にリカバリーする
- 048 前時の続きの授業では,活動を先にして話を後にする
- 音読
- 049 音読で仲間づくりや雰囲気づくりをする
- 050 歌を歌うときにも音読をして学びを深める
- 051 どこに何が書いてあるかを理解させるために音読を行う
- 052 音読を子ども理解に活かす
- 053 音読カードで子どもたちが多くの人と仲良くなる工夫をする
- 054 子どもの興味をひくために変化をつけた音読をする
- 055 卒業式を意識した音読指導をする
- ノート指導
- 056 ノートには2色しか使わないように指導する
- 057 4月にノートのルールを伝えたら,そのまま3月までいく
- 058 ノートに個人の考えを書かせグループの話し合いに持っていかせる
- 059 ノート指導の中でものさしなどの道具の正しい使い方を定着させる
- 060 ノートに「振り返り」を書かせることを大事にする
- 061 ノートに図をかかせる活動を大事にする
- 褒める・叱る
- 062 生活指導に当たる部分は基本的に褒める
- 063 目的をもって褒める
- 064 叱るときのルールを最初に子どもに伝えて確認する
- 065 叱るときは行為を叱り,その人を叱るようなことはしない
- 066 子どもに意見するときは,他の先生と逆のことを言う
- 067 褒めたり叱ったりする際にも必ず期待する姿を伝える
- 068 叱る前に自分の指導を振り返る
- 069 子どもの得意技を二つ名にしてその子をプロデュースする
- 070 普通の子を意識して褒めて集団の力を底上げする
- グループ学習
- 071 異年齢交流を増やして子どもを伸ばす
- 072 道具をあえて人数分用意しない
- 073 課題を工夫してグループ活動を充実させる
- 074 グループ活動の最後は必ずグループの発表で終わる
- 075 教室に大きめのテーブルを置く
- 076 子どもに友達の意見の意図を言わせる
- 授業中の対話
- 077 先生の失敗した話を例示する
- 078 子どもの意見を最後まで聞いて,次の指導に活かす
- 079 授業では雑談はしない
- 080 子どもが個人の活動とグループ活動をしている時間は話に参加しない
- 081 始めと終わりの時間を守りたいと意思表示する
- 082 「しかできない」ではなく「ならできる」という話し方をする
- 083 なぜこの活動をするのかを意識させる
- 084 「速く,正確に」できるのはどれかを考えさせる
- 085 子どもの意見をつないで団結心を育てる
- 086 言葉足らずな子どもの意見をいろいろな技で補足する
- 087 どれくらい時間がかかるか子どもに決めさせてから活動を始める
- 評価の仕方
- 088 生活・行動の評価と学習の評価を分けて考える
- 089 子どもに先に活動させて,よいところを評価し雰囲気をよくする
- 090 ルーブリック評価を利用して子どものやる気を引き出す
- 091 自己評価や相互評価を子どもにさせて次の指導に活かす
- 092 伸びたかどうかを常に考えている
- 093 評価の言葉を子どもにプラスになるような言い方で伝える
- 094 相互評価をハッピーレターで行う
- 095 子どもが学習を進めている間に評価を行う
- 授業に関する掲示
- 096 授業の要点やまとめを教室に掲示する
- 097 子どもに自分の顔を4月にかかせて1年間教室掲示をする
- 098 レベルの低い目標の掲示は早いうちに達成して剥がす
- 099 掲示物を貼る場所を工夫する
- 100 手書きの掲示物を活用する
はじめに
本書を手に取ってくださり,ありがとうございます。
タイトルに「並の授業技術」とあります。違和感をもたれた方もいらっしゃるかもしれません。多くの教育書は「名人の技」を語るものですから。
けれど私が30年近く現場で見てきたのは,名人芸ではなく,ごく当たり前の授業を,毎日ていねいに積み重ねている先生たちの姿でした。派手さはない。語られることもない。ただ,子どもたちは確かに育っていく。
そうした先生方の工夫は,あまりに自然であるがゆえに,誰にも語られないまま消えていきます。本人すら「技術」だと意識していないことも多い。だからこそ,伝わらない。受け継がれない。
これは,もったいないことだと思うのです。
たとえば,発言をうまくつなぐ先生がいます。ある子の言葉を受けて「今の,どう思う?」とさりげなく隣に振る。たったそれだけで,教室の空気が変わる。でも本人は「特別なことはしていない」と言う。そういう技術のことです。名前もなく,本にも載っていない。それでも確かに,子どもたちの学びを支えている。
私はそうした場面を,何度も目にしてきました。ベテランの隣のクラスから聞こえてくる,あの落ち着いた声のトーン。若手なのに子どもがよく動くあの先生の,ほんの少しの「間」の取り方。どれも,意識して真似できるものです。そしてそれは,あなたがすでにもっている感覚と,きっとどこかでつながっている。
自然にできる,ということは,誰にでもできる,ということでもあります。そこには,再現できる力が確かにある。本書は,その「並の技術」を一つひとつ掘り起こし,明日の教室で使える形にまとめたものです。
若手の先生にも,中堅の先生にも,ベテランの先生にも。どこかのページで「あ,これなら自分にもできる」と感じていただけたら,それが本書の願いです。
名人にならなくていい。並のまま,上手になる。その一歩を,ご一緒できれば嬉しく思います。
2026年5月 /三原 聖
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明治図書

















