学年別による授業改革4学年別討論の授業 小学6年

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道徳「いじめ」授業に挑戦/分析批評による討論の授業/紙上ディベート/比例・反比例の導入で討論の授業/分析批評による桃花片の授業など。


復刊時予価: 3,014円(税込)

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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-259618-8
ジャンル:
授業全般
刊行:
2刷
対象:
小学校
仕様:
A5判 224頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

まえがき
T 道徳 「いじめ」授業に挑戦
一 立ち合い授業に挑戦
二 やっとできた指導案
三 そして本時の授業
四 子ども達の感想
五 石黒の授業を斬る
1 石黒先生の授業を参観して /師尾 喜代子
2 石黒先生の授業について /河田 孝文
3 この論題では、討論になりにくい /宇田川 浩樹
4 石黒氏の授業について /吉岡 剛
六 追試が追試を生む
U 「分析批評」による討論の授業入門
――川崎寿彦『分析批評入門』を追試する――
一 リターンマッチ『小景異情』
1 『小景異情』指導案
2 模範授業ですか
3 質疑応答
二 最初の挑戦 北条小での『小景異情』
1 北条小での指導案
2 授業を斬る
3 高田氏による「追試」報告
V 紙上ディベート
――「日の丸・君が代」をどう議論したか――
一 子ども達より大人のディベートが必要だ
1 賛否に分けづらいテーマ
2 立論には親の力が必要だった
3 資料さがしが難しい
4 反対尋問は根拠を求めた
二 藤岡信勝氏の論評
三 最終弁論
四 参考資料及び、子ども達の「資料」より
W 比例・反比例の導入を「討論の授業」で
1 「比例」と「反比例」の導入は、分けなくてよい
2 前時の授業は「例」を作るから
3 さまざまな根拠で「比例」関係を考える
4 研究授業後の考察
5 「討論授業」の効果
X 分析批評による 『桃花片』の授業
一 『桃花片』一九九二年十月
1 「題」の検討
2 「中心人物」を討論する
3 楊と父親を対比する
4 「ピナクル」を討論する
5 「象徴」「題」を検討する
6 「主想」をまとめる
二 向山型『桃花片』の追試
1 向山式『桃花片』の流れ
2 朗読の練習。そして「起・承・転・結」分けへ
3 段落に分ける
4 段落を要約する――論争なき討論の授業
5 題材→主材→主想
6 追試して思ったこと
Y 「討論の授業」Q&A
Q&A
あとがき

まえがき

 いじめが前年度より、一四%減ったという。

 しかし、それでも約五万二千件とある。(文部省・一九九六年度「生徒指導上の諸問題の現状調査)

 文部省の河村潤子中学校課長は総数が減った理由を次のように分析しているという。(朝日新聞一九九七年、一二月二三日〈火〉朝刊)


  いじめは絶対に許されないことであるとの意識が学校、家庭、地域に浸透し、取り組みが進んだためだろう。


 本当に、この通りならうれしいのだが……。

 残念ながら、いじめによる自殺は後を絶たない。

 現場の教師の立場から見ると、「意識が学校、家庭、地域に浸透し、取り組みが進んだ」とは到底思えないのである。

 だからこそ、中央教育審議会において「幼児期からの心の教育の在り方」が審議され、「生きる力」の育成のために、教育課程の意識を改善する。「教育課程審議会」が次々に具体的提言をしているのである。

 いじめに対して、現場の教師は手をこまねいているわけではない。

 法則化では、「TOSS道徳」を立ち上げ、次々と「いじめ」をなくすための授業に取り組んでいる。

 その一つの挑戦が、私の鹿児島での「わたしのいもうと」の授業なのである。

 私は、「いじめ」の解消は、道徳の授業や生活指導の充実だけではできないと思っている。

 大切なのは、「どの子も認められる」「だれもが主役である」ことが、すべての子どもに理解されることだと思っている。

 教科学習、授業の中で、「だれもが主役になれる」ことを実証していくことが、教師の指命と思っている。

 だからこそ、だれもが主役になれる「討論の授業」を自分の研究テーマに選んだのである。


 この本にあるV「紙ディベート」 W「比例・反比例の導入」は、転任してすぐ担任した六年生との授業を紹介したものである。

 「討論の授業」としては不十分ではあるが多くの子どもが「自分なりの考えを持ち、主役となって活躍している様子がおわかりいただけると思う。

 Uの「小景異情」とXの「桃花片」は「分析批評による討論の授業」の様子である。

 「気持ち」ではなく「ことば」を検討するから、多くの子どもが、教材を読み、自分なりの「論」をたてる。

 根拠があるから、堂々と討論できる。

 だからこそ「どの子も認められる」と思うのである。

 最期のYには「Q&A」も入れた。

 実践をへたQは、大変具体的である。Aも自分の実践を通して答えることになる。

 ぜひ、多くの方がこの本を読み、実践して下さることを願っている。


  1998年1月28日

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